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第186話

作者: marimo
last update 公開日: 2026-05-28 20:11:51

一条邸の重厚な門が、ゆっくりと背後で閉まっていく。

その鈍い音は、まるで何かが完全に終わったことを告げるようだった。

叶翔は櫻羅の肩を抱いたまま、ゆっくりと前へ歩いていく。

櫻羅は俯き加減で、まだ涙の跡が残る瞳を伏せていた。

その横顔はどこか儚く、けれど不思議と、先ほどまでよりも少しだけ肩の力が抜けているようにも見える。

そんな二人の姿を見つけた瞬間――。

門の少し離れた場所で待っていた颯太、瑛士、悠臣の三人が、一斉に駆け寄ってきた。

「叶翔!!」

颯太が真っ先に声を上げる。

三人とも、ずっと落ち着かない様子で待っていたのだろう。

その顔には隠しきれない心配が浮かんでいた。

だが、櫻羅の肩を抱きながら悠然と歩いてくる叶翔の姿を見た瞬間――。

三人は同時に、ほっと肩を撫で下ろした。

少なくとも、最悪の事態にはなっていない。

そう感じ取れたからだ。

瑛士が最初に口を開く。

「何とかうまく話がついたんだな」

その問いに、叶翔はすぐには答えなかった。

代わりに、大きくため息を吐く。

そして隣の櫻羅は、潤んだ瞳のまま小さく首を横に振った。

その反応だけで、すべてを察した三人の表情が曇る。

颯太
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