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第703話
Pinakabagong kabanata
交際0日婚のツンデレ御曹司に溺愛されています 第708話
理仁は投げつけられたそれをはっきりと確認した後、あの端正な顔にも気まずい色を浮かべた。彼は玲凰の嫌がらせにあい、コンビニまで行き、そこにあった商品を全く見らずに全て買い込んだのだった。ものが多くて、いくつかナプキンが混ざっていたことに気づいていなかった。「お前には奥さんがいるだろ」理仁はそのナプキンを玲凰のほうへ投げ返した。玲凰はその瞬間ぶはっと笑い出した。笑われて理仁はすぐさま飛び上がり、彼のほうへ向かっていき絞め殺してやりたいくらいだった。玲凰と長年争ってきて、今まで一度も彼の前でこんなに気まずい思いなどしたことはなかった。玲凰はかなり長いこと笑っていて、ようやくその笑いを堪え、お腹をさすって理仁に言った。「結城、お前、俺を笑い殺してうちの財産でも継ごうって魂胆だな。笑いすぎて腹がいてぇ」「だったら笑い死にしてしまう前に遺書でも書いてもらおうか。お前名義の財産を俺に渡すとな。それからとことん気が済むまで笑って死んでしまうがいい」玲凰はまた笑った。「俺のあれっぽっちの財産程度じゃ、お前にとってはカスみたいなもんだろ、俺はお前ほど金なんかねぇよ」「いくら極小の蚊だとしても、一応肉はついてんだろ。お前の個人財産は優に数百億超えてんだろうから、俺は大歓迎だがな」玲凰はそれからすぐに立ち上がりここで笑い死にさせられてしまわないようにその場を離れ、自ら理仁に濃く入れたコーヒーをポットに注いで持ってきた。少ししてから、玲凰はソファに戻りポットからコーヒーを一杯理仁に入れると彼の前に置いた。彼は自分にはお湯を入れた。こんな夜遅くにコーヒーを飲むと、就寝時に眠れなくなってしまい、明日の仕事に精が出せなくなってしまうからだ。理仁は心の中で玲凰は陰険すぎると罵っていた。理仁に濃いコーヒーを入れてきたのだから、二口でも飲めば今夜はもう目が冴えて寝る必要はなさそうだ。玲凰のほうはお湯を飲んでいるのだ。理仁はどうも自分の強みを全て失ってしまったかのような感覚に襲われた。「神崎社長は俺をここに呼び出して、一体何をご教授してくださるんですかね？」理仁はコーヒーを飲むのをやめた。ここで数時間を無駄にしたとしても、コーヒーさえ飲まなければ帰ってから愛する妻を抱いてまた数時間は寝て仕事に行けるのだし。玲凰は理仁に
交際0日婚のツンデレ御曹司に溺愛されています 第707話
「結城社長」あのボディーガードがまた口を開いた。理仁は彼の方を見た。ボディーガードは「神崎社長が結城社長自ら買いに行くようにと言っていました。ボディーガードに行かせるのではなく、社長自ら行くことで誠意を見せてほしいとのことです。結城社長がうちの神崎社長をどのくらい尊重されているかで、神崎社長の従妹様である内海様をどれだけ大事にされているのかがわかると」つまり理仁が自分で手土産を買って来なければ、それは玲凰への不敬とみなすということ。そして、それは理仁の唯花への愛が深くないということを意味すると言いたいわけだ。理仁は玲凰に難しい要求をされて歯がゆい思いをしていた。また玲凰に弱みを握られて反抗することすらできない。唯花と神崎夫人が姪と伯母という関係であることがわかってからまだ日は浅いが、彼女たちは確かに血の繋がった親戚なのだ。だから理仁は本気で神崎家を軽視するわけにはいかなかった。理仁は何も言わずに、外へと向かった。玲凰に会う手土産を買いに行ったのだ。デパートはこの時間もう閉まっている。理仁は仕方なく24時間営業のコンビニに行って買うしかなかった。彼は特別にじっくり見て選ぶこともなく、ボディーガードと一緒にコンビニで目についたものを片っ端から手に取った。コンビニの店員は突然大きな男たちがぞろぞろと店に入ってきたのを見て、そのどれもが厳しい顔つきをしていたものだから、とても驚いた。先頭にいた男がいくら芸能人クラスのイケメンだったとしても、うっとりするような心の余裕などなく、ヤクザではないかと怯えきっていた。彼女は身を構え、いつでも警察に通報できる準備をしていた。幸いこの集団は商品棚にあるものを一通り手にした後、レジの上にいっぱい並べ、一番イケメンだがものすごく不機嫌そうな表情をしている男が暗く沈んだ声で言った。「お会計を」店員はほっと胸をなでおろした。ヤクザではなかった。数分ほど経った後。理仁はボディーガードたちを連れてコンビニから出てきた。ボディーガードはそれぞれ手には大きな袋を下げていた。店員が店の商品棚を見てみると、そこにあったものはほとんど空になってしまっていた。彼女は思った。確か商品棚には女性が使うナプキンもあったはずでは……あの男たちはナプキンなんて買ってどうするのだ？
交際0日婚のツンデレ御曹司に溺愛されています 第706話
玲凰が理仁と電話で話した内容を事細かに説明してようやく妻からの「両刀使い」という疑いを晴らすことができたのだった。理仁は玲凰から会って話そうと言われたことを唯花には教えなかった。彼は家の中に戻ると、夫婦二人でソファに座ってテレビを見た。しばらくそうしていると、唯花があくびをしたので、彼は急いでテレビを消して、彼女を抱きかかえて上にあがっていった。部屋に入ると、彼は彼女をベッドに寝かせ、少しおしゃべりをしていた。話しているうちに隣にいる妻から声がしなくなり、見てみると、彼女はすでに夢の世界に入っていたのだった。理仁は体を起こし彼女のほうへと顔を近寄らせて小さい声で「唯花さん、唯花さん」と呼びかけてみた。唯花はこの時すでに寝入っていたので、彼が自分を呼ぶ声は聞こえていなかった。理仁はそれを見てほっとし、彼女の頬にキスをして小さく優しい声で言った。「唯花さん、おやすみ」そして、彼は布団をめくり、そっとベッドからおりた。その後また唯花に布団をかけてあげて、コートを手に取り部屋を出ていった。家を出た後、理仁は運転手とボディーガードに電話をし、彼らにマニフィークホテルの前で待つように指示を出した。玲凰に会いに行くのに、威勢だけは相手に負けるわけにはいかない。玲凰が理仁に零時にマニフィークホテルに来るよう言ったので、彼は本当に零時に到着する気だった。一分も早くも遅くもない、ジャストな時間にだ。「若旦那様」ボディーガードたちは理仁の姿が見えると、すぐに出迎えた。理仁は車を降りた後、直接ホテルの中に向かい、歩きながら言った。「ついてこい」ボディーガードたちはすぐに理仁の後ろについてマニフィークホテルの中へと入っていった。夜中なので、ホテルの中はとても静かだった。玲凰も恐らく事前に伝えていたのだろう、ホテルの従業員たちは理仁を見ても全く驚いた様子を見せなかった。理仁は専用通路を通って、直接ホテルの最上階へと向かった。スカイ・ロイヤルホテル同様、マニフィークホテルの最上階にはペントハウスがあり、そこは玲凰の専用室であった。最上階につくと、理仁はボディーガードに囲まれ、ペントハウスのドアの前までやって来た。ドアの前には二人の黒衣姿のボディーガードがいた。神崎家のボディーガードだ。玲凰は理仁のよう
交際0日婚のツンデレ御曹司に溺愛されています 第705話
玲凰のほうも電話の向こうで冷ややかに言った。「もし来ないなら、内海さんの目の前でお前の正体をバラしてやるからな。他のことならまだしも、お前が結城家の御曹司だということを知れば、彼女は絶対に怒るだろうよ、姫華の件があったんだからな」理仁は表情をさらに暗くして冷たく吐き捨てた。「言っただろ、行くって。そこで待ってろ」こいつ理仁を脅迫してきやがった！「俺はお前の親戚の兄さんだぞ。そっちのほうが早めに到着して俺を待つべきじゃないのか？」理仁は冷ややかに言った。「マニフィークホテルはお宅のホテルだろうが。お前はいつだってそこにいても構わんだろう。もし場所を変えて、うちのスカイロイヤルにするってんなら、俺が先に行って最上階のペントハウスでお前の来訪を待っててやるよ」「ビクついてんのか？怖いのか？わざと兄さんを待たせるってか？」「神崎玲凰、俺に対して自分を兄だとか言ってんじゃねぇよ」玲凰はケラケラと笑った。「そもそも俺のほうがお前より年上だぞ。今や内海さんは俺の従妹だとはっきりしたんだ。お前が彼女の夫じゃなけりゃ、俺を兄さんと呼ぼうが呼ぶまいがどうでもいいがな。しかし、お前は彼女の旦那だろ、親戚の兄さんだと呼ばないってんなら失礼だろうよ。態度には気をつけろよな。内海さんの目の前で正体をバラされたくなかったらな」「やってみろよ！」玲凰はさらに無礼な笑い声をあげた。「俺が本気でできないとでも？俺が親戚になったお前を気に入ってるとか怖がってるとか思ってんのか？俺はな、従妹にはお前じゃなくてもっと良い男を紹介してあげたくてたまらないんだぞ」「星城に俺よりも優秀で良い男が存在するとでも思ってんのか？」理仁は玲凰が本気で従妹の夫を変えたいと思っているのは本心からだと疑わなかった。誰も今のこのような状況になるのを望んでいたわけではないのだ。「お前、いつからそんなに面の皮が厚くなったんだよ。てめぇの身分ならこの星城のビジネス界では王者と同じだろうが、別にそれで星城一優秀な男であると証明できるわけじゃないだろう」理仁は淡々と言った。「妻がいる男は面の皮厚くして妻を追い回してたんだ。どいつだって面の皮はそう薄くないだろ」玲凰「……」理仁のこの変化は本当に玲凰が今まで持っていた彼への認識を完全に塗り替えるものだった。「もう用がない
交際0日婚のツンデレ御曹司に溺愛されています 第704話
麗華はじっと息子を少しの間見つめて言った。「あなたのことはあなた自身で決めて。お母さんはちょっと注意してあげただけよ。じゃあ、私はこれで帰るわね、お父さんが心配するから。年末はあなた達二人帰ってくるんでしょう？」「ばあちゃんから聞いてないのか？俺は28日に唯花さんと一緒に実家に帰るよ」「実家って、あ、もしかしてご先祖様のほうの実家？それでここ最近おばあ様がいつもあっちの家に行っていたのね」息子が唯花を連れて結城家の実家で年を越すと言っているのは、あの先祖が残してくれたかなり年季の入ったほうの実家なわけだ。あの家は結城家の「The・ご先祖の家」という感じだ。「あなた一体いつまで彼女に隠しておくつもりなの？」「母さん、俺も考えてるから、近いうちに打ち明けるよ。その時は星城全部に俺と唯花さんの結婚を公開するつもりだ」それから、結婚式の準備を始められる。理仁の頭の中では綺麗に事が進む状況が思い描かれていた。しかし、現実にはどうなることやら、誰も知らない。麗華は頷き「じゃあ、帰るわね」と言った。「気をつけて。今度来るときは事前に電話を入れてくれ、息子の嫁さんを驚かせないでくれないかな」麗華「……ちょっと母親を悪役みたいに言わないでちょうだい。唯花さんはかなり肝の据わった人よ、私とやり合うことだってできるのだから、そう簡単に驚いちゃうようなタイプじゃないでしょ」理仁は少し黙ってから、母親にお礼を言った。「なんでお母さんにお礼を言うのよ」「嫁さんに難癖付けないでくれて、どうも」麗華は我慢できず軽く彼に蹴りを入れた。「お母さんだって、あなたには楽しく幸せに生きてもらいたいと思ってるんだからね。あなたが唯花さんのことを愛していて、彼女があなたを楽しく幸せにしてくれるっていうなら、全身欠点だらけだったとしても、私だって我慢くらいするわよ。最悪優しく彼女の悪いところを指摘して直してあげるくらいで、わざと粗捜しをしにいったりしないわよ」結城家に嫁いで愛に満ちた生活を数十年過ごしてきて、良い影響を受けたことで、もともと悪い人間ではなかった麗華ではあるが、若い頃と比べるとだいぶ丸くなっているのだった。本当に何か言おうとするなら、彼女はただ息子夫婦は身分違いだと思っているくらいだろう。二人の差は歴然としている。だから唯花には理仁
交際0日婚のツンデレ御曹司に溺愛されています 第703話
食事の後。理仁は食器類を片付け、唯花はテーブルを綺麗に拭いて椅子を並べてからダイニングルームから出て来て義母の前に座った。彼女は時間を確認した後、義母に言った。「お義母さん、こんな時間ですし、車を駐車場にとめて、今夜はここに泊まったらどうですか？」「いいえ、私はもう少ししたら帰るわ。私が家にいないと夫が落ち着かないでしょうからね」一番上の息子が会社を引き継いだ後、夫は退職して、夫婦二人は毎日常に一緒に過ごしていた。彼女が家にいないと、夫は確かに慣れないのだ。唯花はこの義父母の関係が羨ましく思った。若い夫婦が年を取るまでずっと一緒にいて、人生が終わるまで自分の傍にいるのは最愛の人だ。「お義母さん、以前私は理仁さんがこの別荘を持っていたことを知らなくて、ずっと私に教えてくれてなかったんです。少し前に話してくれて、この家はフラワーガーデンの家よりも大きいし、私と理仁さん二人だけで住むには寂しいんですよね。それで、お義母さんとお義父さんの二人がここに引っ越してきて一緒に住むのはどうですか？」麗華は少し意外そうに言った。「あなた、義父母と一緒に住んでもいいの？」多くの若い夫婦は普通、親と一緒に住むのを嫌うのに。若い夫婦だけに限らず、自分が生んだ三人の息子たちは大人になったらそれぞれ実家から離れて外の部屋に住みたがった。結婚していなくとも、実家で両親たちと同居するのは嫌なのだ。若い世代と親世代の世界はやはり違うものである。「私は別に嫌じゃありませんよ」麗華は笑って言った。「だけど、理仁のほうは私たち親世代と一緒に暮らすのを嫌がるのよ。私たちはやっぱり自分の家で暮らすわ。あなた達若い人のお邪魔虫になりたくないのよ」彼女は心の底では唯花に対してあまり満足していなかった。一緒に住むことになれば、唯花の欠点が全面的に彼女の目に映ることになり、唯花を嫌う気持ちが加速してしまうだろう。それよりも今のまま距離を保っておいたほうがマシだ。唯花のほうはこの義母はとても良い人だと思っていた。彼女も毎日義母から欠点を指摘される心配もなく、お互いに平穏に過ごせるのだから。理仁がやって来ると、麗華は立ち上がって帰ることにした。「理仁、お母さんを見送ってちょうだい」唯花は本来自分も立ち上がって義母を見送るつもりだったが、義母がこのよう
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