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第6話

Auteur: satomi
last update Dernière mise à jour: 2025-12-07 07:31:03

「あらあら、皆さんいらっしゃい。今回もいらっしゃると思って料理長も張り切っちゃってたのよ?」

「女将さん、言わないで下さいよ~」

 アットホームな雰囲気だなぁ。

「それにしても……あんたはなぁ、本来ならばこの旅館を継ぐ立場だったんでしょ?松之助!」

 RAUGHさんは松之助さんと言うのですか。アイドルだもん。隠しますね。

「RAUGHとかカッコつけっちゃってまぁ、イイ身分だこと!あと3年ですからね‼」

 え?☆SHOWタイム☆はあと3年なの?

「バレたか…俺達が☆SHOWタイム☆として活動するのはあと3年。以降はどうなるかわかんない」

 だから晃さんが必死に仕事してたのかな?

 風光明媚なこの旅館はまさに隠れ家的に普段は人気なんじゃないかなぁ?竹林に囲まれていて、『都会の喧騒よ、さようなら』といった感じ。

 RAUGHさんのご実家の旅館には温泉が湧いていてとってもゆっくりできました。☆SHOWタイム☆の3人の浴衣姿もカッコよかったです。しっかりと脳裏に焼き付けました。

「みのりさんも浴衣似合うじゃん!浴衣の合わせが逆だけどな。誰も指摘してやんなかったの?」

「可愛いミスで可愛いからそのままにしておいちゃった」

 総合のマネージャーがてへぺろしても合わせが逆の私が恥ずかしいです!

 夕食には懐石なの?私は初めて食べるんだけど、作法とかあるの?とにかく美しいです。写メとかは流石に不作法ですよね?美しいんですけど。

 皆様慣れてらっしゃる。どんどん食べ進めていますね。私も見惚れてないで食べよう。うわっ、美味しい!

「RAUGHさん!めっちゃ美味しいです。私こんなの食べたことない!」

「そ、そうか?料理長が喜ぶな。っていうか、興奮して俺のとこに来すぎ近すぎ。自分の席に戻ってください」

 あ、私としたことが…。あまりの美味しさに我を忘れてあのような奇行に。それにしても美味しい。

「確かにみのりさんは美味しそうに食べますね」

「そうよねぇ、あんな顔で食べてくれたら料理長も嬉しいでしょうね」

 はっ、料理長!私の方からご馳走のお礼を言いに行くべきだよね?

「RAUGHさん!料理長さんは厨房にいらっしゃるんですか?これらの美味しい料理のお礼を是非言わなくては!」

 私は厨房の方へと急いだ。どこだろう?

「料理長なら、そのうち来るけど……って行っちゃった。迷子にならないといいけど」
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     大阪では生HANG様の演奏で二人がダンスを披露したことで大盛り上がり!明日のスポーツ新聞にも載るんじゃないかなぁ? ああ、専属マネージャーやっててよかった。福岡公演からの公演は全部間近で見ることが出来て幸せ。 普段だったらファンクラブに入っていようとも、チケット争奪戦のホラ貝が鳴り響く中でのチケットだというのに…、 その公演を! 争奪戦ナシで! 超間近で見ることが出来るこのポジションは何とも言い難いですねぇ。マネージャー万歳‼ それにしても…LIVE後で疲れているというのに、CM撮影とかスケジュールに入れちゃってるんですね。 晃さん曰く「人気がいつまで続くのかわからない商売だから売れてるうちに稼がないと」らしい。 堅実だけど、体壊さないか心配です。 この辺のスケジュールは私が入れたものじゃないから、ついて行くだけになっちゃってるけどいいのかなぁ?「他の二人だってそれなりに稼いでるはずだぜ?グループ内で作曲とか作詞とか持ち回り式にしてるのもあるけど、印税が偏らないようにね」 ファンの間でHANG様が作った曲派とかそういうのあったなぁ。と思うけど、確かに印税収入は大事だよね。カラオケは続くし、懐メロで歌われるかもしれないもんね。☆SHOWタイム☆自体、堅実だなぁと思ってしまう。 アイドルってもっとこうチャラチャラしてる感じだけど、全然そんなことなくてしっかりしてるなぁ。 今夜もそれぞれ泊るところは別々です。 ファンと同じホテルになってしまったら、大騒ぎです。そうなる前に全室予約取らないといけないことになります。そうしたら場所がファンにバレバレですけど。困った。「大阪やろ?俺の実家に泊まったら?」 とメンバーのRAUGHさんが仰います。いいのでしょうか?「7人ぐらいいるけどいいの?」「うちは旅館を経営してるからいいんじゃない?」 それって、今まさに満室なんじゃ…しかも大阪出身。実家は旅館。もろにファンがそこに集結しそう……。「そうだなぁ。いつも世話になってるし」「だよねぇ。毎度お世話になります。食事美味しいんだよねぇ」「料理長が喜ぶわ~。言っておく。そんじゃま、行こか?」 えぇ~‼そんなノリでいいの?「俺らがツアーの時はワザとに全室満室にしてくれてんだよ。有難いよなぁ」 全くです。経費でこの旅館に多くのお金を落とすこと

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