ずっと貴方・貴女が好きだった。

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last update최신 업데이트 : 2025-09-12
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幼馴染として育っていた侯爵令嬢のクリスティーン=ウィリアムズとアーノルド王太子。だけど、成長するにつれて互いにすることが増え、遊んだりという事もなくなった。 そんなある日、王家主催の夜会にウィリアムズ侯爵家も招待された。本来ならばクリスティーンの父はクリスティーンの母をエスコートし、参加をするところだがクリスティーンの母は体調が優れず参加出来ないので、クリスティーンが参加をすることに。 クリスティーンは純粋に王太子アーノルドとの再会を楽しみにしていますが…。

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1화

1.夜会へ

 カイエイ王国では、王太子であるアーノルドと侯爵令嬢のクリスティーン=ウィリアムズは幼き頃には仲睦まじく遊んでいたりした。

 ウィリアムズ侯爵閣下の功績によるもので、度々閣下とその娘のクリスティーンが王宮に行くことがあり、年齢が近いクリスティーンとアーノルドはその度に遊んでいた。

 しかしながら、年を取るにつれてアーノルドは帝王学を学ぶ必要があったし、クリスティーンは気軽に男性と遊ぶなど、淑女のすることではない。ということで二人は会う事がなくなってしまった。

 そんな数年後の事、アーノルドは17才。クリスティーンは16才。互いに婚約者がいても全くおかしくない年齢になった頃、王家が主催する夜会にウィリアムズ侯爵家が招待された。

「本来ならば、私とお前の母が参加させていただくところだが、お前の母は体調が優れず夜会に参加などはできない。よって、私のエスコートでクリスティーンが夜会に参加してくれないか?」

「お母様の体調を考えれば当然です(ベッドの住人になってしまっているものね)。私でよろしければお父様のパートナーとして参加をいたしますわ」

 こうして、クリスティーンは王家主催の夜会に参加することとなった。

 当日には王家に失礼があってはいけないと、侯爵閣下からも色々と注意を受けた。特に閣下と一緒にいるのは親子だからだが、それを知らない貴族が恐らく『親子ほど年の離れた愛人を連れてきたの?奥方の体調が優れないからってどうかと思う』とか中傷を言ってくるだろうと予め聞いておいたのは助かった。

 朝から大騒ぎで私は磨き上げられ、夜会に備えることとなった。こんなに騒いでいてお母様の体調に影響がないといいんだけど…。

 お父様のエスコートで我が家の馬車に乗り、王城へと行くことになった。お父様はごく普通の燕尾服だけれど、私はうす紫色のタイトなラインのドレスを着ることとなった。デコルテが出ているので、そこは入念に我が家の侍女達が磨き上げていた。

 髪をアップに結い上げているが、後れ毛をカールさせてなんだか色っぽく仕上がったと思っている。家の侍女達は「お嬢様、最高です~」と、涙する者までいたのだから、真実なのだと思う。

 馬車を降りるとやはり、何も知らない貴族から『親子ほど年の離れた愛人?』とか話しているのが聞こえました。お父様から予め聞いていたので、ショックなど受けずに笑顔で通り過ぎることが出来ました。それはそれで不満のようで、「なんなの?‘愛人でも侯爵様の寵愛を受けていかす~’って余裕?」とか的外れな事が話されているので、内心はちょっと笑いそうになってしまいます。夜会の場です。淑女として振舞わなければなりません。

 今回ちょっと楽しみなのは昔一緒に遊んだ王太子のアーノルドとの再会です。

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1.夜会へ
 カイエイ王国では、王太子であるアーノルドと侯爵令嬢のクリスティーン=ウィリアムズは幼き頃には仲睦まじく遊んでいたりした。 ウィリアムズ侯爵閣下の功績によるもので、度々閣下とその娘のクリスティーンが王宮に行くことがあり、年齢が近いクリスティーンとアーノルドはその度に遊んでいた。 しかしながら、年を取るにつれてアーノルドは帝王学を学ぶ必要があったし、クリスティーンは気軽に男性と遊ぶなど、淑女のすることではない。ということで二人は会う事がなくなってしまった。 そんな数年後の事、アーノルドは17才。クリスティーンは16才。互いに婚約者がいても全くおかしくない年齢になった頃、王家が主催する夜会にウィリアムズ侯爵家が招待された。「本来ならば、私とお前の母が参加させていただくところだが、お前の母は体調が優れず夜会に参加などはできない。よって、私のエスコートでクリスティーンが夜会に参加してくれないか?」「お母様の体調を考えれば当然です(ベッドの住人になってしまっているものね)。私でよろしければお父様のパートナーとして参加をいたしますわ」 こうして、クリスティーンは王家主催の夜会に参加することとなった。 当日には王家に失礼があってはいけないと、侯爵閣下からも色々と注意を受けた。特に閣下と一緒にいるのは親子だからだが、それを知らない貴族が恐らく『親子ほど年の離れた愛人を連れてきたの?奥方の体調が優れないからってどうかと思う』とか中傷を言ってくるだろうと予め聞いておいたのは助かった。 朝から大騒ぎで私は磨き上げられ、夜会に備えることとなった。こんなに騒いでいてお母様の体調に影響がないといいんだけど…。 お父様のエスコートで我が家の馬車に乗り、王城へと行くことになった。お父様はごく普通の燕尾服だけれど、私はうす紫色のタイトなラインのドレスを着ることとなった。デコルテが出ているので、そこは入念に我が家の侍女達が磨き上げていた。 髪をアップに結い上げているが、後れ毛をカールさせてなんだか色っぽく仕上がったと思っている。家の侍女達は「お嬢様、最高です~」と、涙する者までいたのだから、真実なのだと思う。 馬車を降りるとやはり、何も知らない貴族から『親子ほど年の離れた愛人?』とか話しているのが聞こえました。お父様から予め聞いていたので、ショックなど受けずに笑顔で通り過ぎるこ
last update최신 업데이트 : 2025-09-05
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2.最後の思い出
 夜会といえども主催は王家です。 主催者に挨拶に行くのはマナーの基本です。アーノルドはいるのかな?  成長したアーノルドは精悍で背も高く逞しく、凛々しく、「この人が次期国王なら安心」という感じを受けました。 「本日はお招きにあずかりまして誠にありがとうございます。光栄の極みです。アーノルド王太子様にお会いするのは十年ぶりくらいでしょうか?しばらくお会いしていない間に逞しく精悍な青年に成長なされて、これではうちのクリスティーンが霞みますなぁ」「うむ。クリスティーン嬢も久しぶりになるな。久しぶりになったが美しく成長したようで、侯爵の自慢の娘では?」「うちの娘などまだまだですよ。はははっ」「其方の奥方の体調はどうだ?」「家内の体調にまで心を砕いていただき光栄です。妻はすっかりベッドの住人となっています。よき薬でもあればと思うのですが、なかなかないようで……」「ふむ、こればかりはどうにもできないからなぁ」「夜会に水を差してしまったようで申し訳ありませんでした」「クリスティーン嬢も久しぶりにうちの愚息と話をするといい」「光栄ですが、いいのですか?アーノルド王太子様にはすでに婚約者様がいらっしゃるのではありませんか?」「婚約者と幼馴染は別物だろう?私が許可を出したんだ」  ということで、私はアーノルド王太子様とお話をすることができました。 正直に言って、アーノルド王太子様がカッコよくなっていてドキドキです。「クリスティーンはすごくキレイになったね」 さらっと言えるんですね。「アーノルド様もカッコよく成長なさっていますよ。とても木登りをしていた子とは思えません」 しかもそのあと降りられなくて結構大事になったなぁ。懐かしい思い出よね。 アーノルド様の目が真剣にこちらを見ているのがわかる。「この夜会が終わったら、私は正式に婚約者と婚約することとなるんだ。だからっ、その前に・・・初恋の君と」 私が初恋だったの?驚きなんですけど。「実は場所とか整えてある。この夜会を二人で抜け出さないか?私に最後の思い出をくれないか?」 イケメンに必死な顔で懇願されると、断りにくいです。しかも、そういうセリフって女性が言うものじゃないのかなとも思うのです。でも、返事は…。「是非、喜んで……」 私もアーノルド様が初恋だったから…。 本
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3.天国から地獄へ
  月の明かりが優しく照らしてくれています。 床は木の板だけれど、優しくベッドまで運んでくれているよう。恥ずかしくて、アーノルド様のお顔も見れない。「クリスティーン」 呼ばれて反射的に顔を上げると、顔に振り始めた口づけの嵐。最初は浅かった。徐々に深く、二人でこれが最後という事を確かめるように深く互いに沈んでいきました。 淑女として私は当然ハジメテなわけで、アーノルド様の指が優しくほぐしてくれました。優しくでも、深く、激しく。 十分にほぐれて濡れたところで私達は互いに溺れていきました。あの逞しい体躯に爪を立ててしまったかもしれないけれど…。 小鳥の囀りで目が覚めます。なんて爽やかな朝でしょう! なんか腰が重ダルイ…って隣にアーノルド様が⁉私は…ああ、全裸⁉ 昨夜の事を思うと恥ずかしさで森の木にも登りたい感じですけど、それどころじゃありませんね。「ん、おはよう。クリスティーン。君のおかげで今日からまた王太子として生活していけそうだよ。何を今更恥ずかしがってるの?恥ずかしがる君も可愛いけど。朝から百面相してたし」 見てたの?私の爽やかな目覚めを!「アーノルド様も服を着て下さいね」 私もアーノルド様も怒られるのかなぁ?私は怒られそう…。 私はアーノルド様に別れを告げた。「恐らく二度と会うことはないでしょうね」「そうだな。君は侯爵令嬢でどこかに嫁ぐのだろうから」「それでは、さようなら」 二度と会うことがないという事実が悲しいけれども、仕方のないこと。私は侯爵令嬢で彼は王太子。 森の外で待っていたアーノルド様の護衛の一人が馬車を調達してくれて、その馬車に乗り私は家路へと着いた。 お父様に心配されたけれども、大丈夫です。心配は、夜会でどこかの馬の骨に連れて行かれたのでは?と心配をしていたらしい。馬の骨どころか王太子様に連れて行かれたんですけれどね。 数カ月し、私はアーノルド様のことも忘れかけていました。 だというのに、私の体は正直です。 倦怠感に眠気、トドメは吐き気です。 お父様はすぐに医師を呼び、私を診察しました。「お嬢様は妊娠していますよ!」 何てことなの?アーノルド様の御子を身籠ってしまった……。 お父様は「父親は誰なんだー?」と鬼の形相で聞いてきます。その状況を見たお母様はさらに体調を悪くしたようです。 まさか「父
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4.クリスティーンの新生活
 隣国に着いて、私は路銀も足りなくなり正直なところ困っていました。 今後出産のためにお医師にもかかるでしょうし、住む場所もままならない状態で大丈夫かなぁ? そんな事を考えていたら、暑さと疲労で道の真ん中で倒れてしまったようです。幸いにも通りすがりのお食事処『大喰らい』の女将さんが私を拾ってお医師様に見せてくれました。 お食事処の2階は生活空間になっており、そこで私は意識を取り戻しました。「あんた、身重の体で無茶し過ぎだよ。過労だってさ。名前は?」「えーっと、クリステ…、いえっクリスと申します。男みたいな名前で恥ずかしいわ」「そうかい?私はこの食事処『大喰らい』の女将だよ。クリスは行くところがないのかい?まぁ、詳しくは話さなくてもいいよ。人間言いたくない事の一つや二つあるもんさ。とりあえずは簡単な過労にいい食事を作るから休んでおくれ」 ―――女将さんはいい人みたい。詮索もされないし。 女将さんが持って来てくれた過労に言い食事はとてもおいしかった。「あの……よろしければ、私をここで雇っていただけませんか?できれば住み込みで」「まぁ?うちとしてもクリスのその後が気になるところだし、その方が気が楽かな?よしっ、そうと決まれば、クリスはよく休養をして早く働けるようになっておくれ。ここは食事処だけど、注文スピードとか速いから結構体力勝負だよ!」 そんな中私の様子を見に来てくれていると思うと女将さんには頭が下がる思いがする。「女将さん。新しく女の子雇ったの?」「そうだよ、クリスってんだ。彼女は身重だから、優しくしてくんな」「可愛いのに残念。旦那がいるのかぁ」「いいえ、いませんよ?」「コラコラ、人のプライベートに踏み込むんじゃないよ。訳アリみたいなんだから。それはそれ、これはこれだ。ところで、ここは無駄話をするところじゃないよ?注文がないなら帰っておくれ!」「違う違う!俺は今日はAセットを頼む!」「2番テーブルA一つ」 女将さんが厨房の方へ大声で叫ぶ。なるほど、注文の取り方とか勉強になったわ。「クリスは4番テーブルの片付けを頼むよ」 えーっと、食器を厨房の方に持って行くのよね。そして、テーブルを拭くのよね。昨日女将さんに習ったもの、できるはず!「4番テーブル片付け終わりました」「報告しなくていいよ……。次の客を案内しておくれ。ほら、店
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5.臨月と出産
「クリスちゃんに注文のときはセルフで注文を厨房に叫ぼうぜ?」「そうだよな。身重のクリスちゃんの負担になるのは……」「妊婦さんて大声出すのはいいのか?」 などと『大喰らい』で着実にクリスのファンは増えていた。 クリス目当ての客も増えたので、クリスがすっかり『大喰らい』の看板娘になっていた。 数か月後、クリスは臨月となり本当に臨月中も働いていたが、就業中に破水してしまった。「女将さん……店を汚してしまってスイマセン」「そんなことより、クリスはこれから出産に臨むんだよ!男共!店を任せたよ!」「「「「イエス、マム」」」」 どこの軍隊かしら?そしてお客さんを使うの?? 女将さんに抱えられて私室のベッドで横になった。「すぐに産婆さんがくるから待ってておくれ。クリスはいい娘さんだから、安産に違いないよ」 女将さんはそう言うけど……この子は王家の子なんです。 私はいい娘なんかじゃありません。 数時間後に私は男の子を産んだ。名前はダミアン。私に似た茶色の髪の毛。目の色はまだわからないけど、とりあえず金髪じゃなくて一安心よ。 しばらくして開いた瞳の色は青と緑が混ざったような色だった。 金髪碧眼じゃなくて良かったという安心感ね。 ダミアンは寝てたけれど、私も結構疲れてる。 だけど、無情にも「初乳をあげてください」と言われて起こされた。 なんでも、この初乳は特別でいろんな病気に対するものが含まれているらしい。あとは乳母だろうがなんだろうがいいらしいけど、これだけは!ということで起こされた。疲れてるのに。「クリス、お疲れ様。産後の肥立ちにいいものを作ってくるからね。この後は育児でも大変だろうけど、うちの客も協力するから、任せておきな!」 女将さんの言葉が有難い。「また元気になって、見せに立っておくれよ。みんながクリスの復帰を望んでるよ」  数年後、ダミアンはすっかり看板息子(?)となりその愛くるしさで人々を魅了していた。「ちょっと前まで夜泣きとか大変だったのに、今じゃすっかり看板息子だよ」「ぼくはそんなことしないもん!」 ぷくっと膨れたほっぺたが可愛い。 でも、まだまだおねしょしちゃうのよね。こればっかりは訓練かしら?「お、ダミアン。今日も可愛いな、お前は。母さんは元気か?」「かあたんはげんきにほーるではたらいてまちゅ。おみちぇの
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6.アーノルドの苦悩
 シャロンが妊娠した。「どういうことだ?」「それはアーノルド様が一番わかっているんじゃありませんか?」 普段は従順なシャロンが反抗する。どういうことだろう?「父親は誰だ?」「アルバート様ですわ。あなたの弟君の」 アルバートか…。私を廃太子して、自分が王太子になろうという野心の持ち主だったな。シャロンを利用するのは人道的にどうかと思うが、私も男としてシャロンを満足させていなかったことは否めないから何とも言えないな。「兄上!このことは国王陛下である父上に報告し、兄上には廃太子してもらいます。そして私が王太子となり、シャロンの子を育てます」「私とシャロンは離婚しないのか?」「王室の兄弟で離婚と再婚というのはシャロンにとって外聞がよろしくないでしょう?」 シャロンを思えばそういう結論になるか……ほぼ白い結婚となってしまった報いとしてそれは受けることとしよう。……クリスティーンが見つかるまでは。 カイエイ王国はお祭り騒ぎとなった。 国王陛下の気は落ち着かない。―――二人の息子が婚約者を共有するような形だったのか?「父う…陛下!ご報告します。私は過ちを犯しました。私はシャロンと婚約する前日、夜会の夜にウィリアムズ侯爵令嬢と夜会を抜け出し、彼女と一夜を過ごしました」「それは真なのか?」「はい。私の初恋を押し付けるような形となってしまいましたが、王族として恥ずかしき振る舞いなのは重々承知しています」「今はそのような事はよいのだ。ウィリアムズ侯爵家を勘当されたクリスティーンは妊娠しているとも噂があったな?」「噂が真ならば、私の子供かと思います」「何故、そのような重要なことを今!」「シャロンへの贖罪もあります。私の身勝手な行動故という気持ちでこのようなことになり……。何故今かといいますと、私は男としてシャロンに触れたのは初夜のみとなります。それ故にシャロンはアルバートと関係を持ったものと思われます。全ては私の責任」「ああ、クリスティーンがアーノルドの子供を育てている可能性もある。王家にかけてクリスティーンを探し出そう。―――アルバートか……野心が強すぎて国王としてやっていけるのか心配だ。今の話は二人の胸の内に入れておくとしよう。立太子も廃太子も保留だ」「陛下!何故ですか?シャロンの子は間違いなく私の子です。何故兄上を廃太子するという結論になら
last update최신 업데이트 : 2025-09-06
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7.アーノルド様の御子?
「隣国のカイエイ王国の王太子妃様が世継ぎをご懐妊したらしいよ。王国はお祭り騒ぎだって国を行き来する商人が言ってたよ」「……そうなんですか」 アーノルド様の御子。正式な婚約者様との間の御子。いいじゃないの。私は今更何を考えているの?「クリスちゃん、なんか元気ない?」「そんなことないわよ?」「かあたんげんきないの?」「元気よ?心配しないで、ダミアン」 そうよ、私にはこの子がいるのよ。「おっ、ダミアン。瞳の色がキレイだな。蒼緑っていうのか?自分じゃ見たことないか?今度鏡で見てみろよ」「かあたんのほうがきれいでちゅ!」「おっと、怒られちゃったか。でもそう思ったんだけどなぁ?クリスちゃんはどう思う?」「そうね、私もダミアンの瞳の色は好きよ!」「かあたんがちゅきならぼくもちゅき!」「現金だなぁ。ダミアンは本当にかあさん大好きだな?」「今から将来は騎士様になって私を守るんだ!って言ってるんですよ?」「そうか……。じゃあ、将来は俺がダミアンの先輩になるんだな。可愛がってるのも今のうちだぞ~」 そう言いながらも騎士様(?)はダミアンのほっぺたで遊んでいる。ぷにぷにで気持ちいいもんねぇ。*****「クリスティーン様はベルーナ王国の下町の大衆食堂でシングルマザーをしながら働いていました。子育てについてはその食堂の客も協力しているようで、楽しく生活をしていました。お子様の名前はダミアン。男の子です」「おお、男の子か」「将来は騎士になりたいと公言しています。髪の色はクリスティーン様のよう茶色で瞳はお二人の瞳の色を合わせたような青緑色でございました」「騎士か……私は騎士として生活をしてもかまわないのだが、この国をアルバートに預けるにはちょっとなぁ」 アーノルド様も大変だなぁと思う。そこらの貴族程度の身分ならば、嫡男の座を弟に簡単にあげて、自分はクリスティーン様のところへ行きたいのだろう。 しかし、王太子という身分がそれを叶わないものとさせている。 自身を廃太子させても、この国のためになるのか不安な弟君では簡単に王太子という身分を捨てることはできない。それではクリスティーン様の元へはいけない。「ところで、私のような者が気にかけることではないのかと思いますが、シャロン様の御子は本当にアルバート様の御子でしょうか?もしもですが、アルバート様の御子で
last update최신 업데이트 : 2025-09-07
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8.シャロンの正体
「調べて参りました。この結果は陛下と共にお聞きになった方が良いのではと思います」 というので、私とこの男と陛下の3人で話を聞くこととした。「調べた結果、シャロン様はアーノルド様から閨のお誘いがちっともないと、結婚後2年で下町に出るようになりました。その間には専属の侍女を身代わりにして、自分は下町に出ていたようです。下町では王妃殿下に支給される予算から男娼を買い、遊んでいたようです。財務大臣から厳しく問われるようになると、実家の権力でその財務大臣を解雇させたようです。そして、ふらふらと夜の下町を歩き回っては好みの男性を買っていたようです」「まったくもってけしからんな。シャロンの実家カーター侯爵家共々重い罰が必要だな」「アルバート様とも体の関係はあったようですが、他にも護衛騎士など城内の者とも体の関係になっていたようです」「これじゃ、子供の父親なんかわからないじゃないか!シャロンは何故、父親がアルバートだと言い張るんだ?」「アルバート様が立太子し、のちに国王となれば、その際に自分が国母になる可能性があると思っているのでは?と推測します」「そうだなぁ。淑女たるもの貞淑であれとはよく言うものだが……酷すぎないか?いや、放っておいた私にも非があるのだが」***** ついに、シャロンが出産をしました。 女の子だった。茶髪で茶色の瞳の色の。「アルバートが金髪碧眼、シャロンが銀髪茶色の瞳。子供の髪の色が茶髪とはどういうことだ?」 陛下がシャロンを糾弾し始めました。「こ…、これはそう、覚醒遺伝ですわ。私の家系に茶髪の方がいらっしゃるのよ!」「カーター侯爵家に?厳格なカーター侯爵家で茶髪の者はいるだろうか?銀髪であることを誇りとしているような家門だと記憶しているが?」「茶髪の方がいたのよ!そうに違いないわ!そうじゃないとおかしいもの!」「ほう、これは私の興味で調べていたことなんだが、シャロンはアーノルドと結婚して2年、閨の誘いがなかったことにしびれをきらして、夜の下町で男娼を買っていた。財務大臣にそのお金の使い道について問いただされると、その財務大臣をカーター侯爵家の権力で解雇。その後も男娼を買うという行為を行っていた。それに飽きると夜の街を徘徊し、好みの男性をこれまた買っていた。違うか?」「違いますわ。だって、夜はいつも部屋にいたじゃない。侍女達が
last update최신 업데이트 : 2025-09-07
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9.王都へ
「残念だが、貞淑ではないようなものに国母を任せるようなわけにはいかない。シャロン、アーノルドとの離縁を申し渡す」 アーノルドはホッとした。なんだか解放された気分だ。アルバートの方を見ると、全てを失ったような顔をしている。 アーノルドとシャロンの離縁、シャロンの産んだ子の父親についての情報など世界中を駆け巡った。「なんだい、カイエイ王国の王太子妃は尻軽女で御子の父親が誰かもわからないのかい」「ちりがるおんなってなにー?」「女将さん…。ダミアンは知りたがりの年齢なんで発言に気を付けて下さい」「あら、そうだった。お尻が軽くてプカプカ浮いちゃう女の人の事だよ」「ふーん、わかったー」 ダミアンは無邪気で可愛いなぁ。 そんな時にアーノルド様からの使者が私のところへ来た。「アーノルド様、および、カイエイ王国国王陛下がクリスティーン様とダミアン様に会いたがっています。是非王宮の方へいらしてください」「そんなことをおっしゃられても、私は実家に勘当された身ですし、王宮に行くためのドレス等持っていない平民ですので、要望を叶えることはできません」 そのように返事をすると、実家からは「勘当は解く」という内容の手紙が届き、さらにはアーノルド様よりドレスと装飾品一式が私とダミアンの分届いた。 ……どうやって国境を越えたりすればいいのかしら? と、思っていたら、後日お迎えに上がりますので準備の方お願いします。と、言われてしまった。 後日、普段とは違う装いにはしゃぐダミアン。「ああ、あんまりはしゃいではせっかくカッコよくしたのにぐちゃぐちゃになってしまいますよ?」 と、セーブする。私のドレスは侍女なしでも着ることが出来るものでよかった。「かあたん、きれい!」「ああ、クリスはキレイだね。自分で髪とかやったのかい?」「趣味でいろいろやっていたので、できました」 結構暇なのよね。 使者様が迎えに来てくださり、王宮に行くこととなった。「留守の間、すみません」「なーに、クリスの一人や二人大丈夫さ」 私は一人なんだけど……。 こうして私はカイエイ王国の王宮へと向かいました。 慣れない馬車にはしゃぐダミアン。「そんなにはしゃぐと危ないわよ!」 馬車の窓から流れる景色を見て、「アレは何?」といっぱい質問をされた。 好奇心旺盛なのはいいことだけど、馬車の中
last update최신 업데이트 : 2025-09-08
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10.
 ついに王宮まで着いた。 ここまでの道のりは長かったけど、喉元過ぎれば熱さを忘れるというのかしら?ダミアンは王城の大きさに感動している。「おっきいね。きょじんさんがすんでるの?」「たくさん人がいるから、大きいのよ」 と、訂正しておいた。 謁見の間まで辿りついた。 国王はダミアンを見て、一目で「アーノルドの幼き頃にそっくりだ」と感動してらした。 そういえば、アーノルド様とはあの夜以来初めての対面となる。「ベルーナ王国のお食事処で給仕をしておりますクリスティーンとその息子のダミアンと申します。この度は招待にあずかり誠に光栄なことです」「よいよい。そのような挨拶は。ダミアンと申すのか。可愛いなぁ。じぃじだよぉ」 かなり驚いた。国王がいきなりダミアンに対してじぃじ発言。「久しいな、クリスティーン。元気だったか?」「食事処は元気でないとやってられませんからね。ダミアンも看板息子として頑張ってましたよ」 ダミアンは人見知りが発動しているようで、ちっとも口を開かない。「そういえば、クリスティーンは勘当を解かれたらしいから、家名を名乗ってもいいんじゃないか?」「ダミアンはウィリアムズ家の世継ぎとなるのでしょうか?私としてはこのまま伸び伸びと成長してほしいのです。知識は最小限でいいから。世継ぎとなれば、いろいろと勉強しなければならないでしょう?向いていないと思いますし」「かあたん、‘じぃじ’って何?」「えーと、まずこちらのアーノルド様がお父様なの。それで、お父様のお父様よ?」「とうたんのとうたん?」「そうよ。わかった?」「うん。かあたんはとうたんとけっこんしちゃうの?」「それはわかんないなぁ」「ぼくだけのかあたんだもん!」 ダミアンがヒシっと私にしがみつく。「クリスティーン、できるなら私と結婚してほしい。シャロンとの離縁も決定している私にもうためらう事は何もない。私の初恋の君」 ダミアンをつけたままの私にアーノルド様はプロポーズしてくれた。「クリスティーン嬢は勘当を解かれたわけだし、侯爵令嬢として申し訳分ない。アーノルド一途だったという貞淑さもある。あの女と違って」 ここまで言われると断れないじゃない!「では、その申し出お受けします。一度ウィリアムズ侯爵家に行ってもよいでしょうか?」「それなら構わんぞ。閣下もダミアンに会いた
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