今日から車いすなんですか?

今日から車いすなんですか?

last updateLast Updated : 2025-10-10
By:  satomiUpdated just now
Language: Japanese
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完璧美少女が高校デビューを狙う!そこでいろいろ巻き起こる。まずは彼女の身に…。そして徐々に巻きこまれていく周りの人々。これはラブコメ?

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Chapter 1

プロローグ

さあ、新緑もさわやかな4月張り切って高校生活をエンジョイしよ!

友達いっぱいで学校帰りに遊んだり、部活もいいなぁ。運動部のマネージャーとか?私なら全然OKでしょ。

中学までは学校つまんなくてヒキコモリがちでヒッキーなんて呼ばれてたけど(陰口聞こえるって)、高校デビューで高校のアイドル的な存在になるわよー‼

そのために今日の新入生代表挨拶は重要。力み過ぎず、甘すぎず適度な挨拶で行かなきゃ!話が長いのもNGよね。あと、決まりきった話とか。

 さあ、真新しい制服(スカート丈とかは校則通りがいいよね?代表だし)で登校‼

「行ってきます‼」

――武士が戦に出るように家を出た。誰もいないが。私は母子家庭育ち。母は会社を経営していて忙しいのだ。朝食も自分で作るし、洗濯なんかは母の分もしている。夕飯は自分の分を作る。母は会社の付き合いで外で食べることも多々あるから。これからは、自分の分のお弁当を作らなきゃだから、もっと早起きしなきゃだなぁ。

「新入生代表挨拶!新入生代表疋田ヒカル!」

「はい」

私はすっと立ち上がり、壇上に上がった。

「この新緑の良き日に子供のころから憧れていたこの高校に入学できたことを嬉しく思います」

などと2分間くらい話し。

「新入生代表1年A組疋田ヒカル」

 と話をしめて、段を降りた。我ながらよくできた方だと思う。体育館内がざわめく。

――私、何かしでかしたかな?かなりドキドキするんですけど

私の思いとはうらはらに、違うことで盛り上がっていた。「1年A組?あの子可愛い」「俺、チェック入れとこう」「スタイル良くねー?足とかキレイじゃん」「髪の毛サラサラ、ぜったいイイ匂いだよな」等々。他の女子生徒の反感を一日で買った。

 教室に行くとやたらとまわりが話しかけてくる。免疫がない自分が憎い。「疋田さん困ってるよ、止めときなよ」という声も聞こえた。

 タイミングよく担任登場。

「今日からクラス担任の北条だ。さっそくだが、クラス委員を決めなければならない」

――げっ、面倒なやつだ。

「女子のクラス委員は丁度いい、疋田でいいな。新入生代表だし」

「異論ありませーん」と多くの女子の声。みんなやりたがらないんだ…。当然か。

「男子のクラス委員、立候補いるか?」

 なんと、5人は立候補した。自分から面倒ごとに飛び込むとは…。と思ったけど、私が目当てらしい。一緒に仕事ができるから。

「えーと、この中で一番成績のいいやつは…」

――そんな基準で決めるのかよ?クソ教師だな。

「佐伯!お前に頼む」

 一部女子から悲鳴が上がる。佐伯君かぁ。成績が一番ってことは頭いいんだな(私の方がいいけど)。スタイルもいいな。顔もいい方だろう。運動神経はどうなんだろう?

「佐伯!お前が高校上がるの待ってたぞ。放課後サッカー部の部室で待ってるからな」

 ということは、運動神経もいいのか。なるほどね、女子の悲鳴も納得。

「疋田さん、一年クラス委員よろしく」

「こちらこそ。私、委員とかやったことないから佐伯君の足引っ張っちゃうかもだけど(笑)」

「それは俺の方だよ。部活に出たら委員の仕事できなかったりするかもだよ」

「さっきのサッカー部に入るの?」

「そのつもりだよ、小学校のころからずっとサッカー少年」

――はあ、さわやかスポーツ少年ね。少年っていうか青少年?微妙な年齢だよね。

「私は部活どうしようかな?」

「何か得意な運動とか好きなスポーツとかないの?」

「運動神経悪いんだよね。スポーツかぁ」

「私は文化系の部活なのかな?」

「吹奏楽とか?」

「楽器はある意味体育会系だよ(笑)」

「科学部とか天文学部とか?」

「興味あるの?」

「体育会系の部活がダメなんだもん」

「マネージャーってアリだよ!」

 そういうのありなのかぁ。とか思いながら、一人家路を歩いていた。制服のスカート丈、もっと短くしてもいいよね、校則違反だけど。学校に持っていくバック、何でみんな似たようなの持ってるけど何で?校則で決まってるわけじゃないんだから、好きなの持てばいいのに。『他と共有』で安心感ってタイプばっかりなのかなぁ?だと、私は異端になるなぁ。

でも実際、ランドセルとかじゃないんだから自由に好きなの持ちたいし。結果がこのバッグだけど、物は収納力あるし、小分けスペースもあって便利。色も青で、あの濃紺よりも爽やかな印象。制服とのバランスも考えた。制服、ほぼ紺色だし。トータルコーディネートってやつ?

と、のん気に歩いていたら赤信号を見落としてしまった。実に初歩的ミス!

両足大腿骨骨折で、ソッコー入院。お見舞いに来る人なんていないし、たまに母が来ると病院がざわめく。結構大きい会社の経営者だし、ルックスいいから。

私の骨折は2か月程度で治った。高校デビューならず。むしろ存在忘れられたかも。って状態になった。それからはリハビリの日々。

平行棒の間を歩く練習、往復の数をノルマとして私に告げると療法士さんは他の患者さんを見に行った。混んでるから仕方ないけどさ。

ノルマが終わると暇だ。平行棒の片側…鉄棒みたいに前回りしたらダメかな。ダメだろうけど。などと思う。

リハビリを1カ月し、退院の話をしに母が病院に来た。

「歩けるようになるだけで奇蹟的ですよ。本来なら寝たきりですから」

――私のこと?マジでそんなにやばかったの?

「そうじゃなくて、今後は車いすでの生活って伺いました。娘はリハビリは真面目にやったんですか?」

――私は真面目にやりました。信用してよー!

「もちろんですよ。車いすの手配ですが…」

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 さあ、新緑もさわやかな4月張り切って高校生活をエンジョイしよ! 友達いっぱいで学校帰りに遊んだり、部活もいいなぁ。運動部のマネージャーとか?私なら全然OKでしょ。中学までは学校つまんなくてヒキコモリがちでヒッキーなんて呼ばれてたけど(陰口聞こえるって)、高校デビューで高校のアイドル的な存在になるわよー‼ そのために今日の新入生代表挨拶は重要。力み過ぎず、甘すぎず適度な挨拶で行かなきゃ!話が長いのもNGよね。あと、決まりきった話とか。 さあ、真新しい制服(スカート丈とかは校則通りがいいよね?代表だし)で登校‼「行ってきます‼」――武士が戦に出るように家を出た。誰もいないが。私は母子家庭育ち。母は会社を経営していて忙しいのだ。朝食も自分で作るし、洗濯なんかは母の分もしている。夕飯は自分の分を作る。母は会社の付き合いで外で食べることも多々あるから。これからは、自分の分のお弁当を作らなきゃだから、もっと早起きしなきゃだなぁ。「新入生代表挨拶!新入生代表疋田ヒカル!」「はい」私はすっと立ち上がり、壇上に上がった。「この新緑の良き日に子供のころから憧れていたこの高校に入学できたことを嬉しく思います」などと2分間くらい話し。「新入生代表1年A組疋田ヒカル」 と話をしめて、段を降りた。我ながらよくできた方だと思う。体育館内がざわめく。――私、何かしでかしたかな?かなりドキドキするんですけど 私の思いとはうらはらに、違うことで盛り上がっていた。「1年A組?あの子可愛い」「俺、チェック入れとこう」「スタイル良くねー?足とかキレイじゃん」「髪の毛サラサラ、ぜったいイイ匂いだよな」等々。他の女子生徒の反感を一日で買った。 教室に行くとやたらとまわりが話しかけてくる。免疫がない自分が憎い。「疋田さん困ってるよ、止めときなよ」という声も聞こえた。 タイミングよく担任登場。「今日からクラス担任の北条だ。さっそくだが、クラス委員を決めなければならない」――げっ、面倒なやつだ。「女子のクラス委員は丁度いい、疋田でいいな。新入生代表だし」「異論ありませーん」と多くの女子の声。みんなやりたがらないんだ…。当然か。「男子のクラス委員、立候補いるか?」 なんと、5人は立候補した。自分から面倒ごとに飛び込むとは…。と思ったけど、私が目当てらしい。一緒に
last updateLast Updated : 2025-10-01
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第1話 疋田さんの夢現
――マジでかーーーーーー?!いきなり過ぎない?そりゃ確かに今車椅子使ってるけどさぁ「待ってよ。私が使うんでしょ?私の意見も取り入れてよ」「そうよね、それが真摯な姿勢ってものだと私は経営者としても考えるわ」――母、強し。でも、ダッサイ車椅子使うのはカンベン「病院としては、このタイプを…」「はぁ?ダサすぎです」「そうねぇ、娘が会社のパーティーに呼ばれることもあるからそれを考えるとねぇ。フレームはシックに黒、座面は低反発のいいやつ、タイヤは画鋲が刺さらないようなの。気入れる手間がないといいんだけど…」「泥除けも欲しいな。服が汚れると、洗濯するの私だし」「とりあえずは今の意向で作ってくれるかしら?」「はい、伝えさせていただきます」――お金かかりそうだなぁ「これからは障害者手帳が支給されるから、基本的に車いすとかは1割負担かな?」――そうなんだ。公共料金も安くなるのか 思わぬお見舞い客が来た。私の部屋は個室のいわゆるVIP部屋だから部屋でもてなし。「おい、この部屋すげーな。疋田さんてセレブってやつなのか?」「私のお金じゃないよ。母が会社を経営してるの。でも、母子家庭だから、家事一般は私が小さいころからやった来たのよ」――女子力アピール出来た?やって来たのは佐伯君。部屋に圧倒されすぎて、私の話半分かなぁ?「これ、見舞いの花。この部屋には合わないかな?」「そんなことないよ。来てくれただけですごく嬉しいもの」「授業結構進んだよ。大丈夫?同じクラス委員だし、ノート貸すよ」「ありがとう、何から何まで。それじゃ、大事な話するね。実はこれからは車椅子生活しなきゃならなくなっちゃった。家の中はどうかな?なるべく外出時だけ車椅子ってのがいいんだけど。だから、マネージャーとか部活とか無理かな。色々考えてくれたのになんかごめんね」「謝らなくていいよ。できる限り俺は疋田さんを補佐する。そういうことか、なんか今日学校が騒がしかったんだ。疋田さんのお母さんが学校に来てたんだな。俺が推測するに、疋田さんが通いやすいようにバリアフリー化をなんとかしろって校長と理事長にせまってたんじゃないかな?」――あり得る…母の行動力だ。やりそうなことだ「私立高校だからお金で動きそうだもんね。そこんとこは公立よりはいいかも。そうそう、私にノートは有難いけど高体連近いんじゃない
last updateLast Updated : 2025-10-01
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第2話 疋田さん、虐められる。
その日から、いわゆるイジメが始まった。~その①廊下にニンジャのマキビシのように画鋲をまく。――あー、私の車椅子のタイヤは画鋲が刺さらない仕様なんだよね。意味なし。逆に「うわっ、なんだよ?コレ」と他の男子の上履きの裏に刺さる。「あそこでこっそり見てる女子の仕業じゃねー?疋田さんへの嫌がらせだな」とマイナスイメージを植え付けることとなる。~その②私を車いすごと階段から落とそうとする。「移動教室、私が車いす押していってあげる」――押しつけがましい。しかも特に仲がいいわけでもないけど? やっぱり階段の近くで車いすごと落とそうとした。「私の母が経営してる会社知ってるよね?専門が生体認証なんだ。だから、この車いすを押していた人が誰なのか指紋でリアルタイムで母のパソコンに送信されてるよ。私が車いすから離れても、着圧の違いですぐわかるようになってる。ハイテクでしょ?ついでに、声とかも送信されてる」「指紋なんていつとったの?」「あぁ、うちの学校の理事長とか校長とかに話つけたんじゃない?」 と、私がありもしない嘘(指紋はマジ)を言うと臆したみたいであっさりと引き下がった。~その③SNSで私だけ仲間外れ。 これでもコンピューター系の会社の令嬢だ。名前を変えてハッキングして会話に侵入。ハンドルネームというんだろうか?ライという名で。英語のLieから取ってる。だって嘘ついてるんだもん、私。「あの子、どうにかなんないかなぁ?車いすもなんかハイテクだし」――あーこないだ階段から私を落とそうとした子か…「ちょっとチートだよね」とつぶやいてみた。「あぁ、そう思うー‼男子みんな味方にしちゃって、女王様気どり?って感じじゃない?」――気取ってないデス 結構女子に嫌われてることが解かった。さて、これは本心か集団心理か?~その④黒板に私の過去である中学時代ヒキコモリと書く。 前の中学校から結構離れてるし、元中の子いないと思ったんだけどなぁ。どっからその情報が?「さすがに泣きいれるんじゃない?まさかねぇ?」とクスクス笑い声がもれる。 とりあえず黒板に近づき、チョークを押収した。もちろん指紋採集のため。母の会社にて人物を特定して逆にどうして知っているのか?何故このような行動をしたのか?聞いてみた。「あの子には逆らえないのよ…」泣き崩れた。私がイジメてるみたいじゃ
last updateLast Updated : 2025-10-01
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第3話 疋田さん、車いすで買い物をする。
 ウロウロ車いすを動かすのも疲れる…。地下街の床、学校の廊下みたいにまっ平らじゃないから余計に力が必要で疲れる。揺れるのがひどいと自分で動かしているのに車酔い。ひどい。目的だけを果たそう。とりあえずはショルダーバッグ‼  デパートのバッグ売り場でもいいや。ウィンドウショッピングなんてできないから。条件・ショルダーバックである  ・ファスナーで開け閉め可  ・収納力  ・細かいポケット  ・色は青かな?とりあえずは。 さて、あるかな?と、ウロウロしていても店員さんの眼中にない。――実際に物を手にとって見ないとダメなのかな? 適当にショルダーバッグを手にとってみた。「どのようなものをお探しですか?」――あっさりと食いついたよ…私は条件を言った。「それでしたら…」と2・3種類持ってきた。――なんか面倒になってきたな、この中から選ぼう「それじゃ、これお願いします。カードで1回払いで」夕食も近づいてるし、デパ地下で済ませちゃえ。と、デパ地下に行った。買い物の荷物、邪魔だ。どうしてデパートはここまで包装するんだろう?自宅用なのに。てきとうにオカズを買った。さらに邪魔だなぁ。 あ、明日の朝食用にパン買おう!…トレーを持つと動けず。レジに行って「すいません、朝食用にパンが欲しいんですけど?」と言った。「角食でかまいませんか?」「かまいません!」というやり取りをパン屋でやった。――車いすって思わぬ」不便だなぁ… 帰り道、タクシーで帰ろうと心に決めていた。荷物多いし。すると、予想を裏切るように外は雨。傘をさすほど、手は空いていない。空いていたとしても、この高さで傘を開くと道行く人に傘が激突してしまう。 ダッシュでタクシー乗り場まで行き、タクシーに乗り家路についた うちオートロックだ…エントランスで鍵と荷物と自動ドアと戦うことになった。荷物は落とさないように、鍵でオートロックを開け、自動ドアが閉まる前に自動ドアを通る。 結構、いやかなり気を遣う。雨で床濡れてるし。 今回の外出の課題は ・先に行き先をチェックしておく ・買うものだけを買う→リストを書いておく ・エレベーターの有無確認 ・車いす用トイレの場所確認 ・天候確認  やたら確認だらけだなぁ。でも確認は大事だと今回痛感した。 車いすで酔いそうになり、買ったものは
last updateLast Updated : 2025-10-02
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第4話 疋田さん、女友達ができる。
 昼休みになり、佐伯君がサッカー部の部室に招待してくれた。――体育会系の部活の部室って汗臭くて汚いイメージだけどなぁ「俺はサッカー部のキャプテンの3年吉田だ」「俺、3年兵藤」と部員が数十名私を囲んだ。――カツアゲされるようだ…「疋田さんと昼飯を食べようと招待をしました。女子を迎えるにあたって、部室の掃除などもしました」佐伯君、パシリみたい。レギュラーじゃないのかな?「今日はありがとうございます。いきなり車いすになってまさかの弁当が角食の欠片ということで、佐伯君の招待に甘えてしまいました。女子の友達いないし…」「サッカー部は大歓迎する‼」と、サッカー部キャプテンに言われた。「角食の欠片ってどうしたの?」と、サッカー部員より当然の質問がキタ。「買い物が不自由で、食材を買うのが億劫なんです。角食は朝食の残りです」「キャプテン命令だ。放課後に疋田さんの買い物につき合え。その後、部活に合流だ。いいな」「わかりました」放課後に佐伯君と買い物をすることになった。当面の食糧を買うのが先決だなぁ。明日もお世話になるわけにいかないし。「昨日、疋田が佐伯君と食糧の買い物を放課後にしてたって噂きいた?」――このテの噂は広まるのが速い。女子に友達いないんだから仕方なかろう?昨日、佐伯君のおかげで食料を確保できた。弁当のことを考慮して冷凍食品コーナーに行った時のこと。車いすは低い位置にいるため、寒い‼歩いているとわからないが、寒いのだ。今日は弁当を作れる‼と早起きをして弁当を作ろうとした。冷凍食品をレンジで温めるのは楽だ。しかし、自分で作るのは非常に大変だ。左右のバランスを考え、台所によしかかり、包丁を使う。等を行う。 ちょっとミスると服に水道の水がかかる。おたまとを介してとか茶碗を介してとか。他にもガスレンジは火が自分の服に引火しそうで怖い。安易によしかかれないので斜めからの調理になる。難しい。そんなこんなと時間がかかり、遅刻ギリギリでなんとか教室に入れた。教室の中から少し嘲笑のような声が聞こえる。他人の不幸を笑うとは‼自分で弁当作っているわけではないのだろう?(多分)昼食の時間、私は一緒に弁当を食べる友人もいないので独りで弁当箱を開けた。「うわー疋田さんの弁当すげー!女子力すげー!彩も最高‼」と周りの男子の反応。そして、女子は…「どうせ総菜売り
last updateLast Updated : 2025-10-03
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第5話 疋田さん、サッカー部のマネージャーになる。
「それじゃ、部活頑張ってね」「また明日ね」そう言って学校出ようとした。「疋田さん、相談がある」佐伯君現る。「女友達出来たんだ、良かったね」「弁当の効果だよ」「それで、相談なんだけど。疋田さんにサッカー部のマネージャーをやったもらいたいんだ」――雑用系は無理だ「ボール拭きとかも無理だよ?しかもルールがよくわかってないし。特にあのオフサイド‼」「俺はそれも思うんだ。部員のみんなも。それでPCを使った戦力分析みたいなことできないかな?」「多分できると思うけど」「まずは味方から。試合中は敵の戦力分析をお願いしたい。いいかな?時間はとらせないし、拘束もしない。家事しなきゃなんないもんな」――得意分野だけ好きな時か「味方のは暇を見て。あとは試合があるときにお願いする。相手の情報は過去の動画も渡すから家で試合前までできれば欲しい。あとは敵・味方試合中にお願いしたい」「ちょっとやってみてOKかどうかを判断してほしい。使えなかったら無駄な努力になるし」「その方向で検討してくれると助かるよ」――母の会社の人に丸投げしようかな?とも思ってしまう  なんと校舎からグラウンドまでバリアフリーなのだ。雨降ったらどうするのかな?――今日は余裕あるからサッカー部の方行ってみよう「おぉ、疋田さんだー」とサッカー部員からまたしても大歓迎された。「マネージャーのお仕事、とりあえずやってみます。PCは?」「俺のを使ってくれ」サッカー部監督はクラス担任の北条だよ…――結構古い型のノートPCだな「分析のとか、勝手に私がプログラム作っちゃっていいですか?」「お、おう」――びくつかないでよー。だって既存のプログラムじゃ分析はできないんだもん。 勝手に作って勝手に分析を始めた。「えーと、まずは各々の身長と体重を入力したいんですけど。申告お願いします」 なぜか私の前に行列ができた。「キャプテンからだろ?こういうの。あとは学年と五十音順な」「正確な値を申告お願いします」「キャプテン吉田。ポジションMF。身長184センチ、体重69キロ」――女子が体重のサバ読むみたいなこと、男子はあるのかな? 3年原、桑田、兵藤、…と続く。19人か、確かサッカーは11人だったような。だと8人はレギュラーから外れるのか。なーんかシビアな感じだなぁ。そこに私が関与するとなると
last updateLast Updated : 2025-10-04
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第6話 疋田さん、皆で勉強する。
そして部屋いっぱい人であふれかえった。珍しい光景だ。「サッカー部のみなさんはどうしてうちに?」「疋田さんの家に行ってみたいって…畑中が。そしたら、サッカー部の1年みんな賛同しちゃって、ここの場所知ってるの俺だけだから」――そういえば、佐伯君しか知らないかも。「責めてはいないんだよ、私がなんかしでかしたかと」「で、蓮野はなんでここに?」コノハの知り合いの岩山君が聞いた。「友達の家にいるのが不自然?今日は今日出た宿題でわからないとこあったら教えてもらおうとしてるの」「あ、いいなぁ。俺も」と、サッカー部の11人が宿題を始めた。「私は考えてもわからないって問題しか教えない主義だから。それと、佐伯君に聞いてもいいんじゃない?」「俺は疋田さんに聞きたいんだ‼」と男子。結果は変わらないのになぁ。あら、珍しい。10人以上うちに来てるの?あら、珍しい。世帯主の御帰宅だ。「おかえりなさい、お母さん。こちらは、私の友人の蓮野コノハさん。で、この男子達はサッカー部員1年生。うちに遊びに来てくれたの」「まぁ、そうなの?ゆっくりしてってね?私は気にしないから」――大方、監視カメラ見て面白半分で来たんだろう「私はまだ仕事があるからまた行くわね」「いってらっしゃい」と10人以上の声。――本当に何しにきたんだが…「疋田さんってお母さんも凄く美人だね、疋田さんはお母さんに似たんだね」「疋田さんのお父さんは何をしている人なのやっぱりコンピュータ関係?」――サッカー部員は遠慮を知らないのか?「本当に知らないんだ。うちは母子家庭だから。お父さんについては聞かないことにしてる。幻滅したくないじゃん」佐伯君曰く、「あの美人のお母さん射止めたんだから、そうとうカッコいいお父さんだよ」とフォローしてくれた。佐伯君のポジションそこなんだろうか?「ヒカルー、この問題わかんないー!途中で止まった」「だって、最初でミスってるもん(笑)」「疋田さんー、この問題ー!」「今コノハで忙しいから佐伯君に聞いて!」というような会話を数時間した。すると、グゥー。という音かそこかしこから聞こえてきた。「うわっゴメン!お腹空いたよね?えーと、20人くらい食べれるものあったかなぁ?」「こんなこともあろうかと…」 サッカー部員はみんな各々カップ麺を持参で来ていた。「…重ね重ねゴメ
last updateLast Updated : 2025-10-04
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第7話 疋田さん、努力しようとする。
 珍しい、コノハが佐伯君を呼び出した。「ヒカルがサッカー部のマネージャーやるってマジで?」「ヒカル…?あぁ、疋田さんのことか。戦力分析専門でな。こないだ全部員の身長・体重を入力してた」「ヒカルがマネージャーやるって決まっているのか?」「分析力次第って言うけど、決まるんじゃないか?」「サッカー部専属なのか?」「細かいことはわからん。キャプテンか監督に聞いてくれ」「監督って誰?」「このクラスの担任・北条だよ」――コノハが苦虫を噛み潰したような顔をした。よっぽど嫌なんだな「陸上部のキャプテンにも聞いとくよ。サッカー部のキャプテンは?」「3年の吉田さん」 陸上部のキャプテンとサッカー部のキャプテンが話し合ったようだ。「ヒカル、陸上部の戦力分析もお願い‼」「コノハー、身長・体重聞くよ?女子でも。いいの?」「大会のためなら」――はぁ、筋肉の勉強もしないとなぁ。それなりにしらないと筋肉の付き具合で変わるだろうし「役に立てるんだもん、頑張るよ」「私はヒカルの役に立てるように、ヒカルの家の家事手伝うよ。…部活終わりとか休みの日とか」「あはは、よろしくね!」 筋肉の勉強大変そうだなぁ。陸上の競技一つで使う筋肉変わるだろうし、サッカー一つでも大変なのに「陸上部で戦力分析をさせていただく1年の疋田ヒカルです」 なんだか歓声があがった。2・3年は私を見たことがなかったのか、なんか喜んでいる。「とりあえず、今日は身長・体重を入力させていただきます。キャプテンから学年と五十音順にお願いします」陸上部は人数も多くて大変。競技もフィールドからトラックまで多岐にわたる。やっぱり筋肉の勉強しなきゃなぁ。なんかそういう資格あったような気がする。「まだなんともわからないので、筋肉の柔軟性はどのみち重要になるので、ストレッチをきっちりとお願いします」「サッカー部も筋肉の柔軟性高めてくださいね。ケガの防止につながりますし。その他はこれから詳しく筋肉について勉強します。鍛えるべき筋肉を鍛えないと意味がないですからね」 そう言って、サッカー部を切り上げた。――私は筋肉の勉強だ。スポーツなんちゃらって感じの資格があったような。書店で筋肉関係の本見てみようかな。…重い荷物になりそうだ。佐伯君に頼んでいいかな? またサッカー部の方へ戻る。「筋肉関係の本を書店で
last updateLast Updated : 2025-10-05
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第8話 疋田さん、役に立とうとする。
「佐伯君、部活でなんか大丈夫?いびられてるとかイジメみたいのとかそういうのあったりするんじゃないの?大丈夫?」「大丈夫だよ。心配ありがとう。俺のポジションFWだから希望人数多くて、それでできるだけ俺を排除したいのかなぁと思うときはあるよ。でも、それは体育会系のどの部活でもあり得ることだから疋田さんは気にしなくて大丈夫だよ」――そういえば、身長・体重の他にポジションも入力した。FW多かったな「わかったよ。今日はありがとうね。部活で誰にも負けないグゥの音も出ないくらい強いFWになってよ」「そうだね。そしたら誰も何も言わなくなるね」「それじゃ、部活頑張ってね」――なんだかチームでやってても人付き合い難しいんだな。筋肉の勉強量、半端じゃなくあるなぁ。 私はやるしかないか、とひたすら筋肉の勉強していた。――なんか焼肉食べる時、見る目変わりそう… 今日は陸上部の様子見。競技の種類知っておきたいし。高校で投てきはやってないよね…?トラック競技は、短距離・長距離・ハードル  フィールド競技は幅跳び・高跳び・棒高跳びかな?コノハに聞いてみよう。「コノハー、時間空いたらちょっといい?」コノハは短距離だから、いくらなんでも走りっぱなしはないだろう。「やっとコノハが来た。コノハ、短距離だからすぐ来ると思ったんだけどなー」「チームで短距離リレーもあるから結構だよ。スタミナないとだから、わりかし走りっぱなし(笑)」「そうなんだ」――筋肉にいいのかな?「陸上部がやってる競技って何?筋肉の勉強するのに必要だから教えてもらおうと思って」「短距離は400メートルまで走るよ。長距離は欲を言えばマラソンとか?ハードルは100メートルちょいのやつかな?あと、うちは幅跳びと棒高跳びだけだよ」「ありがとー」「かなり本格的に分析するんだね」「やるからにはキチントしたいし。また家で勉強だよ、筋肉の」「きつそー。私は学校の勉強でいっぱいいっぱいだよ」「じゃあ、また明日ねー!」――そうだ、PC。サッカー部のだったけど、陸上部も使うんだったら私個人のPCにしなきゃなー。データ移すの大変だ…筋肉の勉強に普段の勉強もしなきゃで結構思ってたよりもずーーーーーーっときつい日々が続いた。雨の日は、何故だろう?我が家、コノハはいいとしてサッカー部員1年のたまり場になった。「だって
last updateLast Updated : 2025-10-06
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第9話 疋田さんは忙しい。
今日は運動生理学の勉強するかぁ。それにしても、噂の出所はあの小心者のサッカー部員!ここのうち出禁にしてやろうか?まったく厄介だなぁ。名前も知らないが誰だよ?全くもうっ!翌日サッカー部へ「監督お借りしていたPC、陸上部の情報もいれることになったので、私個人のPCを使うことにしました。それで今日はお返しにきました」「それなら職員室とかでもよかったのに」――そういえばそうだ「サッカー部・陸上部の情報、及び私が勝手に作ったプログラムも完全に消去してあります。確認をお願いします。情報漏洩があってはいけないですから」「了解した」「しかし、お前が作ったプログラムは起動方法すらわからないぞ」「では後日、職員室で構いませんか?」「ああ」「あの、相談があるのですが構いませんか?」「何だ?」「1年サッカー部員の中で私が筋肉の勉強をしているさまをみて、その様子を口外した人がいるようなんです。口外は問題ではないのですが、噂にオヒレがついて『私が死体の筋肉を見ている』等の噂になってしまったようで…。確かに死体の筋肉でしょうし、正しいといえばそうなんですが、私を異常者のように言う噂になったんですよね」「それは困ったな」「ただ、筋肉の勉強をしていただけなんです。それがこのようにいわれるのは心外です」「その1年、ちょっと灸をすえておくか。こんなんで疋田がマネージャー降りるとか言ったら困るのは俺らサッカー部だからな。「助かります」「今後はこのようなことがないように指導をしていく。それでいいな」「お願いします」やれやれ、ここまでしないといけないのか。困ったちゃんだな。親の力を借りればすぐに済む話だが、出来れば頼りたくないのだ。サッカー部にて「お前ら、疋田さんの家にお邪魔してたのか?」とキャプテン「部活が休みの時に宿題を教わりに…陸上部の蓮野もいました」「女子だろう?」「なかなか教えてもらえないんですよね。蓮野優先だし、本当にわからない場合のみ教われるので」「1年は佐伯に教えてもらえばよかろう」「佐伯!キャプテン命令だ。疋田さんの家に今日お邪魔する。サッカー部員の非礼を詫びる」「わかりました」放課後、今日も筋肉の勉強しなきゃなー。と思っていたら、「疋田さん、今日家にお邪魔していい?」と佐伯君「今日は晴れてるし部活じゃないの?」「いや、
last updateLast Updated : 2025-10-07
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