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ナイフ

Author: ねこ沢
last update publish date: 2026-08-21 22:37:21

 久しぶりにセシルと会って話したからか、リンネがあんまり思い出せと言っていたからか、俺はその晩、子どもの頃の夢を見た。

 ぼんやりとした風景の中。舟遊びをするセシルとシロノと俺。子ども達は、初めて会ったにも関わらず、仲良く遊んだ。

 だが、卑しい出自のクセに権力を握る忌々しいグスタフの子ども、悪名高きエルグ家の悪魔のような子どもたちが王太子セシルに近づくのを、大人たちは良しとしなかった。

 広場の中心にいた子ども達の中にセシルの姿が見えないことに気づいたのは、メイド長だ。農奴出身のグスタフの子ども達と王太子が遊んでいる姿に、悲鳴に似た金切り声を上げて近寄ってくる。

「セシル様! まあ、そのような下賤な輩と遊ぶなんて!」

 メイド長の鬼の形相に、小舟の子どもたちは怯える。俺とシロノはぎゅっと歳上のセシルに抱きつき、セシルは歳下の俺たちを抱きしめた。

 子どもたちの健気な振る舞いは、メイド長の勘に触った。ますます怒りで真っ赤な顔して、浅瀬に靴が濡れるのも厭わずに、メイド長は子どもたちに迫ってきた。

「下がれ! 卑しい下衆共。大切な王太子様に近づくな!」

 メイド長の言葉は厳しいが、ここは
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