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第6話

Auteur: うっかり本の虫
成景が不意に戻ってきた。

火鉢の中では、彼らの家族写真の半分だけがまだ燃え残っていた。

成景の視線が火鉢に釘付けになった。目の前の光景がにわかには信じられなかった。「枝織、どうしたんだ?なぜ写真を燃やしたりする?」

枝織は静かに成景を見つめ、不意に口を開いた。「成景、覚えてる?私たち以前、もし女の子が生まれたら、結月って名前にしようって話したこと。

神谷結月」

成景の顔色が変わった。

彼は直接手を伸ばし、その燃え残りの写真半分を火の中から取り出した。掌に大きな火傷の水ぶくれができた。

成景は焦ったように言った。「もちろん覚えてる!なぜ写真を燃やす?どうしたんだ?」

成景と枝織の視線がまっすぐにかち合った。彼女の瞳を見た刹那、成景の胸に制御しがたい悲しみがこみ上げてきた。

奇妙な錯覚が心をよぎった。まるで、彼女を失いかけているような……

だが、そんなはずがあるか?

まさか、枝織は何かに気づいたとでもいうのか?

枝織と十年も一緒にいれば、たとえ始まりに下心があったとしても、とっくに情は湧いていた。

少なくとも、成景がこれまで枝織に見せてきた優しさはすべて本心からだった。

成景は手を伸ばし、彼女を抱きしめた。「枝織、教えてくれ。一体どうしたんだ?そんなだと心配になる」

枝織はしばし沈黙した後、目を閉じた。「なんでもない。ただ、昨日の夜、急に悪い夢を見たの。私たちに本当に娘がいた夢を。

それで目が覚めて、この写真を見たら、たまらなくなって……この中には、あの子がいない。あの子だけがいない。それがなんだか、とても悲しくて……見ているのが辛くなってしまって」

成景の全身が硬直した。

「馬鹿なことを言うな」

枝織の目が赤く充血した。

自分の娘……きっと、もう生まれ変わっているだろう。

この世に生きていなくて、良かったのかもしれない。

一度も愛してくれたことのない偽りの父親。

そして、十年間も騙され続けた愚かな母親。

自分の娘にならなくて、良かったんだわ!

枝織は成景の腕から抜け出し、裸足のまま二階へ向かおうとした。

成景は彼女の体を抱きかかえ、心配そうに言った。「どうしてまた靴を履かないんだ?そんなことしたら風邪を引くぞ!

ほら、もう悲しむのはよせ。そんなに娘が欲しかったか?だったら、俺たちで二人目、作るかな?」

成景は枝織をソファに降ろし、艶めかしく彼女の耳元に顔を寄せた。

成景の荒い呼吸を感じ、枝織は胃がせり上がってくるのを感じた。

もう、どうしようもなかった。「ウェッ!」彼女はその場に胃の中のものをぶちまけていた。

成景はまず顔色を変え、次いで枝織を抱き上げた。「ここ数日、ずっと顔色が悪かった!」

成景は一瞬戸惑ったように目を泳がせたが、ふと何かに気づいたように、その顔をぱっと輝かせた。

「枝織、もしかして、妊娠したんじゃないか?」

枝織の肩が無意識にびくっと震えた。「そんな……」
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