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第六十三話

Author: 水沼早紀
last update Huling Na-update: 2026-02-05 00:05:27

「棗さん、家政婦さん来てくれましたよ……?」

そんなこんなしているうちに、家政婦が来てくれたようだ。 今日も家の掃除や洗濯などを頼んだ。

お昼の用意と夕飯の用意も頼んでいたため、何から何までやってくれている。

一度リビングに戻ると、聖良もグレープフルーツゼリーときゅうりの漬物を食べていた。 ここ何日かはグレープフルーツゼリーときゅうりの漬物なら食べれるようで、美味しいと食べていた。

「棗さん、きゅうりの漬物……美味しいです」

「そうか。良かったな?食べれるものが増えるのは、俺も良かったと思ってるよ」

にしても、嬉しそうだな……。

「……はい。早く白いご飯が、食べたいです」

「そうだな。俺も早く一緒に白いご飯が食べたいよ」

「……はい。早くつわりが終わってほしいです」

つわりが終わるまではまだ先か……。道のりは長いか。

「大丈夫だ。俺が付いてる」

「はい。……ありがとうございます」

「それよりも体調、大丈夫か?」

心なしか、顔色が優れなそうだが……。

「はい、大丈夫です。……心配かけて、すみません」

「気にするな。……何かしてほしいこととか、ないか?」

聖良のために何かできることかあれ
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