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第0418話

Auteur: 十一
理子と峯人がビルを出たとき、二人はまだ夢見心地だった。

10億は逃したとはいえ、1億でも十分な大金だ。

あと十回生まれ変わったって、こんな金額は稼げるはずがない。

二人はそのままホテルに戻ろうとしていた。その時、一台のトラックが彼らの方へ向かって走ってきた。

最初、トラックの速度は普通で、二人ともまったく気にも留めなかった。

どうせ車の方が避けてくれるだろうと、軽く考えていた。

ところが、距離が縮まるにつれ、突然トラックが加速し、勢いよく二人に向かって突っ込んできた。

「母さん――」

峯人は恐怖に凍りつき、本能的に母を呼んだ。

理子は素早く反応し、息子の腕を引っ張って咄嗟に身をかわした。「何やってんのよ!?人が見えなかったの!?運転できるのか!?目が潰れてんの!?それとも頭イカれてんの!?人がいるのに突っ込んでくるなんて、そんなに死に急ぎたいのか!?

賠償しなさい、絶対に!」

理子は腰に手を当てて、道の真ん中で怒鳴り散らした。

「言っておくけどね、この件をちゃんと解決しない限り、あんた絶対に逃がさないから!さっき私が素早く反応してなかったら、もう轢かれて空飛んでたわよ!とにかく今すぐ病院に行って、全身検査よ!ケガがなかったとしても、だからって責任がなくなるわけじゃないんだからね!こっちはしっかりと恐怖を味わわされたのよ!

とにかく、慰謝料は絶対に払わせる――」

すると峯人が突然、地面にごろりと転がり、大げさに騒ぎ始めた。「母さん!俺もう怖くて死にそうだよ!マジでやばいって!頭がおかしくなったみたいだ!今って昼?夜?なんで目の前が真っ暗なんだ!?」

二人の息の合った掛け合いは、まさに板についていた。

どう見ても、こうしたことに慣れ切っているのは一目瞭然だった。

しかし、キャップを目深にかぶった運転手はその様子を見て、ただ冷たく唇の端を歪めると、次の瞬間――

アクセルを床まで踏み込んだ!

理子の罵声はぴたりと止まり、

峯人の瞳孔が、恐怖に震えた。

……

フロアトゥーシーリングの窓際で、背の高い男が静かに下界の街並みを見下ろしていた。

車の流れは絶え間なく続いている。

海斗は腕時計に目を落とした。すでに三十分が経過している。

そろそろ、結果が出る頃だろう。

案の定、

2分後、携帯が鳴った。

彼は無言で応答ボタンを押し
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