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第1033話

Author: 雪吹(ふぶき)ルリ
真司の胸の中は、あたたかい満足感でいっぱいだ。どれほど外で忙しくしていても、家には自分を待つ灯りがある。そこには妻がいて、子どもがいる。すべての幸福が、今この瞬間に形となって目の前にあるのだ。

人生に求めるものなど、きっとこの程度のことなのだろう。

真司は佳子を抱き寄せ、大きな手を彼女のふくらみ始めたお腹の上にそっと置いた。「もうすぐ妊娠六か月だね。今が一番大変な時期だから、今後は早めに寝るように。俺もできるだけ早く帰るよ」

今夜は八時に帰宅したが、いつもなら六時には帰ってきて夕飯を作っている。

佳子は唇をゆるめて笑った。「藤村社長も一日中働いて疲れたでしょ。早くシャワーでも浴びて」

真司「君も一緒に上がろう」

佳子は手に持っていたペンを振って答えた。「もう少しで終わるの。描き上げたらすぐに行くわ」

真司はまだ完成していない設計図をちらりと見て、うなずいた。「わかった。じゃあ先に行ってくる」

そう言って真司は階段を上がっていった。

そのとき、美和がやってきて、手に一碗のスープを持っている。「奥様、スープができましたよ」

佳子はそれを受け取り、にっこり微笑んだ。「ありがとう」

美和「奥様、今日いらっしゃった小川さんの件ですが、まだ旦那様にはお話しされていませんよね?」

佳子「美和、どうしてその話を?」

美和は声を落として言った。「奥様、少し気をつけていただきたくて。あの小川さん、まだ学生さんで、美人でスタイルもいい。そんな方をこの家に住まわせて、旦那様と顔を合わせる機会が増えれば……何もなければいいですが、もし何かあったらどうなさいます?もちろん、旦那様のお人柄を疑っているわけではありません。ただ、人の心はわからないものです。私は昔からお屋敷勤めをしていて、そういうことを何度も見てきました」

佳子は、美和が本心から心配して忠告してくれているのだと分かっている。

彼女は口元をゆるめた。「美和、心配しないで。美和が思いつくようなことは、私ももう考えてあるわ」

「それなら、旦那様にも一言伝えておいたほうがいいのでは?」と、美和は驚いたように尋ねた。

佳子は静かに答えた。「私は何も言わないつもりよ。相手がどう出るのか見てみたいの。下手に刺激して逃げられたら困るから」

……

そのころ、舞は二階の部屋にいる。時刻は八時だ。本来ならすでに寝てい
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Comments (2)
goodnovel comment avatar
名無し
私も佳子編はおなかいっぱい ループしてるだけだし 真夕姉さんの話が読みたい(佳境だし) でも著作権とかで飛ばし読みができなくなってる…
goodnovel comment avatar
ルート
色んな意味でドン引き… 佳子編、結婚式まで続くとかじゃないよね 出産まで続いたりしたらうんざりなんだけど 真夕まだ? 完全に別の話じゃん
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