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第1080話

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桜は、天音が洵をあっさりと見逃すとは予想しておらず、少し驚いていた。そして竜紀と同様に、彼女もまた天音にとって、洵がいかに大きな存在であるかを甘く見ていた。

天音が洵と関わるようになってから、変化ははっきりしている。以前ほどだらしない生活を送らなくなり、物事にも前より真剣に向き合うようになった。きらびやかな夜の遊びにも以前ほど入り浸らず、顔を出す回数もかなり減った。

天音という人間は本来、他人にひどく淡白な性質だ。どんな人間関係も長くは続かず、執着もせず、気にも留めず、大切にすることもない。

ただ退屈しのぎに面白半分で他人と接していた彼女が、今こうして一人の人間にこれほどまでの時間と労力を費やしている。それだけでも、相手がいかに特別な存在であるかを十分に物語っている。

桜は天音の首元にキスマークを一つ残すと、鏡を差し出した。

「どう?」

天音はちらりと見て、軽くうなずいた。

「まあ、こんなもんでいいわ」

桜が帰ったあと、天音はゆるい部屋着のまま寝室へ向かった。そして洵の体をつねったり引っかいたりして、適当に痕を残した。

それでもまだ足りない気がして、より本物らしく見せ
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