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第228話

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だからこの時、月子は躊躇わず静真に皮肉を言った。これこそが彼女の鬱憤を晴らす方法だった。これ以上我慢する必要なんてない。もう遠慮はしない。

それに、自分には隼人という後ろ盾もある。

そんな月子にはもう迷いはなかった。

隼人は、月子に彼を好きなように利用してもいいと言ってくれた。そして、その代償も月子にとっては負担にならないものだったから、彼女はもう何振り構わずに振る舞うことができるようになったのだ。

一方で、静真は彼女のその態度に怒り心頭になり、呼吸を荒げた。

彼は、その目で月子の全てを見透かそうとした。月子の本性を確かめたかったのだ。

そして、静真は拳を握りしめた。彼は、突然自分がバカだったと思い知らされるようだった。

月子が彼に従順だった頃は、楽ではあったが、彼女のことなど眼中にすらなかった。

しかし、今のように月子が鋭く反抗してくると、腹は立つが、どうしても目が離せない。

彼はさらに、月子がどんな大胆なことをしてくれるのか、期待さえしていた。

静真が黙り込んだのを見て、月子は当然のようにその場を離れようとした。「どいて。あなたに会うと気が滅入る」

しかし、静真は引き下がらなかった。「そいつを追い払え」

月子は冷たく言い放った。「余計なお世話よ」

静真は声を荒げた。「俺の言う通りにしろ!」

月子は言い返した。「いいわよ。でも、他にホストを呼ぶから。あなたが四六時中、私を見張っているわけにはいかないでしょ。あなたの見えないところで、探そうと思えば私は男に困ることなんてないから、無駄なあがきはやめたらどうなの」

静真は生まれて初めて、怒りで頭が真っ白になる経験をした。

酒のせいもあるかもしれないが、とにかく今は、怒りで何も言えなかった。

月子は冷笑し、彼を避けるようにして立ち去った。

要は、驚きなのか、それとも別の理由からか、その場に立ち尽くしていた。

月子は彼の手を引いた。「行こう」

突然、静真は我に返り、月子の手を掴もうとした。

そこに一樹が駆けつけ、その場面を目撃した。彼はとっさに静真を止めようとした。

要は月子の盾になった。腕に激痛が走ったが、次の瞬間、静真に腕を振り払われた。

静真は怒鳴った。「邪魔するな!」

要は恐怖で額に冷や汗をかいた。「落ち着いてください」

一樹は要を睨みつけ、静真の前に立ちはだかった
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