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第6話

Author: 八方みのり
直哉が夜明け前、花火会場に駆けつけた頃には、私の姿はもうどこにもなかった。

彼は慌てて、近くで掃除をしていた清掃員に声をかけた。

「すみません、妻を見かけませんでしたか?あっ……この人なんですが」

彼はスマホを取り出し、画面の写真を見せた。

清掃員は呆れたように直哉を見た。

「兄ちゃん、酒でも入ってんのか。こんな寒い中、奥さんがこんな時間まで待ってるわけないだろ。

もう帰りな。こっちも片づけなきゃいけないんだ」

直哉はふらつきながら車に乗り込み、郊外の家へ向かった。

気が急いていたのか、玄関先に置かれていた段ボール箱につまずき、その場に倒れ込んだ。

箱の中身が、床に散らばった。

直哉が私にくれた、最初の誕生日プレゼント。

直哉が私を撮った、最初の写真。

直哉が私を愛していないと言い切った動画と、綾香との写真。

そして最後に出てきたのは、離婚協議書だった。

直哉は全身を震わせながら、痛みをこらえてドアを開けた。

中にはもう、私が暮らしていた気配など少しも残っていなかった。

直哉はこらえきれず、空っぽの部屋に向かって怒鳴った。

「夏帆、いるんだろ。出てこい
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