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第45話

Auteur: タマタツ
野々花の表情が一瞬こわばった。

「そ......そんなわけないでしょう」

絃葉は口元をわずかに持ち上げた。その笑みには冷たい影が差していた。

「ならいいけど」

野々花は素早く周囲を見回し、不意に彼女の耳元へ顔を寄せると、声を潜めて挑発した。

「たとえそうだったとしても、あなたに何ができるっていうの?」

言い終えると、彼女はスープを手にしたまま、自信満々に階段を上っていった。

まるで勝者そのものだった。

絃葉の瞳がふっと冷えた。

淡々とした声が、軽く野々花の耳に届く。

「私に何ができるか、楽しみにしてね」

野々花は思わず聞き間違えたかと思い、勢いよく振り返った。

だが目に入ったのは、スマホを操作している絃葉の穏やかな横顔だけだった。

先ほどの冷え切った言葉など、まるで幻だったかのように。

絃葉は指先で画面を軽く叩き、一通のメッセージを送信した。

それから静かにキッチンへ入り、残っていたスープを器によそってダイニングテーブルへ向かう。

腰を下ろし、ゆっくりとスープを口に運んだ。

一杯も飲み終わらないうちに、野々花が慌てた様子で階段を駆け下りてきた。

パジ
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