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第44話

Author: おミカン
絵里は気が触れてしまったのかもしれない。

一瞬でも、裕也が言っている相手が自分のことではないかと、うぬぼれてしまったのだから。

その自惚れは数秒も続かなかった。

心が沈み、それ以上は何も聞かなかった。

だが内心では、意外だっただけでなく、少し不快でもあった。

裕也に好きな人がいるのが怖いようだ。

もしかすると、妻としての自覚が芽生え始めたからかもしれない。

……

我に返り、絵里は朝食を済ませると、時間を計って梨乃を迎えに空港へ向かった。

梨乃は今日帰国する。到着は一時だ。

定刻通り、絵里は無事に梨乃と合流できた。

到着ゲートから出てくる梨乃を見つけ、絵里は手を振った。

「こっちよ」

ファッショナブルな装いにサングラスをかけた梨乃が彼女に気づく。興奮した様子でカートを押して駆け寄り、絵里を強く抱きしめた。

「会いたくて死にそうだった!」

長年の付き合いだ、その喜びは本物だ。

抱きしめる力が強すぎて、絵里は背中を軽く叩き、かすれた声で言った。

「これ以上強く抱きしめられたら、窒息しちゃうわ」

梨乃は名残惜しそうに腕を解き、華やかに笑った。

「さあ、ご飯
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