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第511話

Author: 玉酒
「……最初から秦美羽がおかしいって気づいてたんでしょう?」美穂は突然そう問いかけた。「最初から、ずっと」

電話の向こうで、呼吸がわずかに途切れた。しばらくしてから、和彦が小さく「……ああ」と答える。

「じゃあ、どうして教えてくれなかったの?」美穂の声には、かすかな拗ねた響きと、抑えきれない苛立ちが混じっていた。「私、彼女に殺されかけたのよ。それでも、何も言わずに見ているだけだったの?」

「ボディガードはつけていた」和彦の声には、普段は見せない微かな動揺がにじんでいた。「港市のときも、周防芽衣の人間が近くにいた。ただ……間に合わなかった」

「じゃあ今回は?」美穂は彼の言葉を遮る。

「陸川結愛が私に連絡してきたことも、陸川健一が薬を過剰摂取したことも、あなたの想定のうちだったの?最初から、こういう形で私をこの件に巻き込むつもりだと分かっていたんじゃないの?」

和彦は答えなかった。

ぽたり、と涙がこぼれた。

美穂が怒っているのは、和彦が計算して動いていることではない。何も話してくれないことだった。

すべてを一人で背負い込み、孤島のように周囲を遮断してしまう。自分には、説明の
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