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自分の名前で

作者: 影畑凛星
last update 公開日: 2026-05-02 07:36:14
朝の光が、新居の窓を優しく照らしていた。

桜井唯はベッドからゆっくりと起き上がり、カーテンを開けた。

柔らかな陽射しが部屋いっぱいに広がり、フローリングを淡く輝かせる。

唯は深く息を吸い、キッチンに向かった。

今日は特別な朝にしたかった。

自分の夢を本格的に動き出させる、最初の朝。

コーヒーを淹れ、トーストにイチゴのジャムを塗り、フルーツを添える。

結婚中は絶対に作らなかった甘い朝食。

唯はテーブルに並べ、ゆっくりと一口ずつ味わった。

甘さと酸味のバランスが、舌の上で優しく広がる。

唯はフォークを置き、窓の外を眺めた。

「今日から……本気で始める」

唯はノートパソコンを開き、デザインファイルを立ち上げた。

画面に表示されたのは、昨日から描き始めていたロゴ案。

「Sakura Design」——自分の旧姓を冠した、シンプルで柔らかいフォント。

桜の花びらをモチーフにした控えめな装飾を加え、何パターンも試作する。

線を引くたび、色を重ねるたび、三年間封じ込めていた情熱が、静かに燃え上がっていく。

唯はペンを握り、紙にもいくつか描き加えた。

指先が自然に動き、線が自由に伸びる。

結婚前は、こ
影畑凛星

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