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第4話

ผู้เขียน: 灯ちゃん
冷水を浴びせられたかのように、澪の全身から血の気が引いた。

彼女は信じられないという目で匡介を見つめた。この男は、本当に自分が知っている彼なのか?

今は離れることになったが、自分は匡介のもとで丸3年を過ごしてきた。それも、女として一番大切な時期のすべてを捧げてきたのに……匡介は躊躇すらせず、自分をこの悪名高い好色な男へと引き渡すなんて!

匡介の許可を得た駿は、今にも踊り出しそうなほど喜び、無理やり澪の手を引いてエレベーターへと向かった。

今夜の接待はホテルの中にあるレストランで行われていたため、駿はそのまま宿泊階である13階のボタンを押す。

エレベーターの中、待ちきれない様子の駿は澪を抱き寄せた。「柊社長が3年もそばに置いていた女……俺も、どんな味がするか確かめなきゃな」

日頃から遊び慣れているのか、彼は女の抵抗の抑え方を熟知していた。片手で澪の両手を押さえ込み、唇を澪の首に這わせる。

嫌悪感から吐き気をもよおした澪は、駿の顔を立てるなどどうでもよくなり、激しく怒鳴りつけた。「放してください!警察を呼びますよ!」

「警察?」駿は御曹司らしく、鼻で笑った。「柊社長ですら口を挟まないんだぞ?そこに警察が来たってどうなるっていうんだよ?秘書ちゃん、俺の機嫌がいい時に、大人しく抱かれればいいんだよ」

ポーンッ。

エレベーターが13階に着きドアが開くと、駿は澪を強引に引きずり出して、部屋へと向かった。

死に物狂いで抵抗した澪だったが、その腕を振りほどくことはできなかった。しかし、駿がカードキーでドアを開ける一瞬の隙を見て、彼女は思い切り相手の急所を蹴り上げる!

「痛っ!」痛みに眉をひそめた駿は、もう片方の手を振り上げ、彼女の頬を容赦なく打った。「どうせ柊社長に何度も抱かれてるんだから、今更誰に抱かれようが同じじゃねえかよ。清純ぶりやがって!」

殴られた衝撃でよろけながらも、澪は口中の血を吐き捨て、力いっぱい駿を突き飛ばして駆け出した。

だが数歩もしないうちに、駿に追いつかれてしまった。

澪は素早くヒールを脱ぎ、駿に向かって思い切り投げつける。そして、鈍い痛みに唸る彼の声を背に、全力でその場から走り去った。

しかし、焦るあまり何かにつまずいたのか、勢いよく転倒してしまった。

さらには、背後から追いかけてくる足音。絶望が喉元までせり上がる中、どうせやられるならせめて……と腹をくくったとき、視界に高そうな靴が入った。顔は見えずとも、相手が相当な富裕層だということが分かる。

駿に追いつかれる前に、澪は相手の足に縋り付いた。「助けてください……男に追われてて……」

黒崎武司(くろさき たけし)は自分にしがみついている若い女を見下ろし、わずかに眉をひそめた。

これまで長く生きてきた中で、余計なことには関わらない主義だった彼は、後ろに控える二人の護衛に女を引き剥がすように、と手を上げかける。だが、澪が顔を上げて武司を見た瞬間、彼の瞳は大きく揺れた。

付き従っていた護衛たちも、澪の顔を見て言葉を失う。

まだ澪を見つめ続けている護衛たちに、武司は低い声で指示を出した。「片付けてこい」

護衛たちが廊下の奥へと向かっていく。それからしばらくすると、駿の騒がしい怒鳴り声がぴたりと止まった。

武司は澪を支えるようにして立たせた。澪は目の前の男が40代から50代ほどの中年で、物腰が柔らかく礼儀正しい人物だと気づき、何度も頭を下げて礼を述べる。だが駿が再び追ってくるかもしれないと不安になり、礼を言い終えるや否や、すぐに振り返ってエレベーターへと駆け出した。

だから澪は、武司が自分の背中をじっと見つめていることにまったく気づいていなかった。そして、その視線には失われたものを再び見つけたかのような、わずかな驚きと喜びが宿っていたのだった。

あまりにも似ている。

ホテルの1階、ロビー。

運転手は匡介の後ろをおそるおそるついて歩いていた。これ以上機嫌を損ねることだけは避けたかった彼は、呼吸することでさえためらった。

普段の接待なら、数時間は続くはずなのに、今日はそれほど時間も経たないうちに匡介が一人で出てきた。しかし車に乗ってわずか数分後、彼は不機嫌そうな顔のまま再び車を降りたのだった。

その足どりはせわしく、何かを探しに戻るかのようにも見える。

運転手が思考を巡らせていると、反対側からおぼつかない足どりの澪が出てくるのが見えた。

匡介は足を止め、じっとそれを見つめた。

人目のある場所に出てきて、さらに匡介も見つけた澪は、張り詰めていた恐怖がようやく少し和らいだ。

彼女は深呼吸をし、彼のほうへと歩み寄る。

澪を見つめる匡介の目に、一瞬の驚きがよぎった。着衣の乱れはないが、顔には赤く殴られた痕がある。彼は眉をひそめ、声を落とす。「お前……」

パシッ!

ホールに鋭い平手打ちの音が鳴り響いた。

不意に頬を打たれた匡介の顔が、わずかに横へと向く。

澪は震える手で目元の涙を拭うと、何も言わずにロビーを駆け抜けて外へと飛び出して行った。

周囲が騒然とする中、匡介はその場に呆然と立ち尽くした。しかし、その顔は怒りで引きつっている。

あの女……俺に手をあげたのか?!

唇を震わせ、その名前を叫んだ。「篠原!」

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