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第103話

Author: 酔夫人
last update publish date: 2026-09-30 06:00:42
――どこが薄情なんだか。

「祖父や母親のことを考えて、朝比奈家を捨てるって選択ができないくせに」

樹が呆れたようにため息を吐く。

「病院のことだって、おおかた患者や職員をどうしようとか思っただろう」

またため息。

呆れ切っている。

それが分かる反応に、小春は恐る恐る顔を上げる。

そんな小春の頭に大きな手が乗せられた。

「とりあえず、分かった」

「……え?」

「小春が考える未来に家や病院はあるけれど、朝比奈家のあの三人はいないってことだな」

小春は目を見開いた。

「そんな……簡単に分けて……」

いいのか?

そう問うことも憚られた小春だったが。

「別にいいだろう。必要か不要かで分けるなんて特別珍しいことではない」

樹が呆れた顔をする。

「捨てることに躊躇する奴のどこが薄情なんだ?」

「だって……」

樹は肩を竦める。

「俺も適切な言葉は分からん。小春が勉強して、この心理が何に当てはまるか教えてくれ」

話は終わり。

そう言うように、樹は小春の頭をポンポンと叩いた。

◇◇◇

樹に呼ばれ、皆川隆盛が篠原コーポレーションを訪ねてきた。

これまでは隠れてやってきたが、今回は堂々とした訪問。

それを提案
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