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第328話

مؤلف: 小円満
私は病院の正面玄関を出て、道沿いをしばらく当てもなく歩き続けた。

冷たい風に吹かれて、頭がはっきりするほど冴えてきたところで、ようやくタクシーを拾い、会社へ向かった。

デスクに着くと、原稿の校正から取材資料の整理まで一気に片づけ、昨日、時生に取材した記事を書き上げた。

頭を仕事でいっぱいにしていないと、心菜のことや、あの病室で見た光景が次々と浮かんできてしまう。

そうなると、胸の奥が痛くてたまらない。

そのとき、理沙が近づいてきて言った。「もしかして、私の風邪うつっちゃった?顔色、すごく悪いよ?」

「たぶん、昨日あまり眠れてなくて」

私はさらっと答え、手元の作業を続けた。

理沙は言った。「少し休んだら?この取材資料、本当は私がやるはずだったし、整理は私がやるよ」

私は軽く笑って答えた。「もうほとんど終わってるから大丈夫。今は、ただ忙しくしていたくて」

理沙は何か察したようで、それ以上理由を聞いてこなかった。

私の肩をぽんと叩きながら言う。「もし限界が来たら、ちゃんと言って。休み、取らせるから」

「うん」

編集長の退職が近づき、理沙に任されることも、どんどん増え
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  • 冷酷夫、離婚宣言で愛を暴走   第338話

    振り返ると、そこに立っていたのは淑江だった。私と時生が病室に戻ったとき、ちょうど淑江が心菜に話しかけているところだった。「ねえ、心菜。ママに会いたい?」心菜は唇を尖らせて答えた。「もちろん会いたいよ!でもパパが、ママはお仕事に行ってて、すごく長くなるって言ってた」淑江は鼻で笑い、言った。「そんなの、デタラメよ。あなたのママはね、本当は……」「お母さん!」時生が突然病室に入ってきて、低い声で淑江の言葉を遮った。淑江は驚いて振り返る。そして私を見るなり、目にあからさまな嫌悪を浮かべた。時生は冷たく言った。「お母さん、ちょっと外に出よう」――廊下。淑江は皮肉たっぷりに言った。「本当のことを心菜に話されるのが怖いのね。あなたも分かってるでしょ?心菜がママだと認めてるのは優子だけだって。だったら、どうして優子にあんな仕打ちをするの?」時生は眉をひそめた。「その話は、もう優子にはきちんと説明している。お母さんが心配する必要はない。それに、心菜が昭乃を受け入れるのも時間の問題だ」すると淑江は突然私のほうを向き、指を突きつけて怒鳴った。「全部あなたのせいよ!時生を解放してあげられないの?離婚するとか言っておきながら、今さら図々しく時生にしがみついて……恥ずかしくないの?」私は冷たく彼女を見返して言った。「娘を取り戻すことと、離婚するかどうかは別だわ。離婚しても、十月十日お腹を痛めて産んだ子を取り戻す権利はある」淑江の顔色が一変し、怒鳴り返した。「心菜を奪い返すつもり?心菜は時生と優子が手塩にかけて育てたのよ。あなたが何だっていうの!本当に厚かましい。産んだだけで自分のものだと思ってるの?無駄よ!心菜は一生、優子だけをママだと思うし、私も嫁として認めるのは優子だけ!」「お母さん!」時生が鋭く言い放った。「はっきり言う。俺は離婚するつもりはない。自分の子どもを、昔の俺みたいに、壊れた家庭で育てたくない。自分の家庭を守れなかったからって、俺の家庭まで壊さないでくれ」淑江は呆然と立ち尽くし、体を震わせながら叫んだ。「……何だって?あなたのお父さんが明音って女のせいで私を捨てたから、私は一人であなたを育てたのよ!全部あなたのためだったのに!それなのに昭乃のために、そんなことを言うなんて……良心はないの!?」時生の表情は少

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    それを聞いた冬香は、すぐに両手を合わせて空に向かって拝みながら、何度もつぶやいた。「よかった、ほんとによかった……無事で何より……」そんなやり取りの中で、ただ一人、高司だけが少し離れた場所に立ち、黙ったままだ。時生のほうも、祖父母のほうも見ず、ずっと私だけを見つめている。その視線は複雑で、何を考えているのかまったく読めない。その微妙な空気に気づいていないのか、時生がふと思い出したように口を開いた。どこか意図的な調子で言う。「そうだ、おじさんにもお礼を言わないと。前に俺と昭乃の間に誤解があったんだけど、おじさんが間に入ってくれたおかげで、ちゃんと話し合えた」高司は表情を引き締めたまま、何も答えない。まるで聞こえていないかのようだ。時生は私の手をぎゅっと握り直し、さらに続ける。「心菜は、間違いなく俺と昭乃の実の娘だ。これからは三人で、ちゃんと家族として暮らしていく。もう、おじいちゃんおばあちゃんに心配はかけない」その言葉が終わると、高司はかすかに口元を緩めた。感情の読めない声で言う。「おめでとう。家族がそろってよかったな」私は隣に立っているだけで落ち着かず、けれど時生はどうしても私の手を離そうとしなかった。すると冬香が微笑んで、ほっとしたように言った。「ほらね。夫婦なんて、一晩越える恨みは残らないものよ。ちゃんと話せば、それでいいの」智樹も、私が子どものために時生を許したのだと思ったらしく、孫に念を押す。「これからは昭乃を大事にしなさい。今までの君の身勝手なことは、昭乃が心広く許してくれたんだ。もしまた同じことをしたら、真っ先に離婚させるからな!」私は思わず口を開きかけた。離婚は、やっぱりするつもりだ。子どものために時生と妥協する気は、最初からなかった。けれど、その前に時生が答えた。「おじいちゃん、おばあちゃん、安心して。これからは昭乃を大切にする」冬香がうなずく。「それなら、早く病室に連れて行って。ずっと心配で、気が気じゃなかったのよ」「わかった」時生はそう答え、私の手を引いて病室へ向かった。高司の横を通り過ぎた瞬間、ふと視線が重なった。私は慌てて目をそらす。その目が、あまりにも冷たく、重くて、理由もなく胸がざわついたから。祖父母は心菜の顔を見て、いくつか言葉をかけたあと、帰っ

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  • 冷酷夫、離婚宣言で愛を暴走   第58話

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