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第272話

Author: 青ノ序
誠はその紙面を飽きもせず眺めていたが、やがてカルテをバッグにしまい、バッグを棚へ片付けた。

以前の凪のことしか頭になく、美羽との間に子供を持つことを望んでいなかった。

しかし、凪は会うたびに離婚を迫ってくるようになり、徐々に鬱陶しく感じ始めていた。

それに、湊が引き取った海斗と自分の繋がりは希薄で、実の子として認めるのは難しい。

湊のような愚か者ではない。たかが隠し子のために、自分の評判をドブに捨てる気など毛頭なかった。

今や美羽が妊娠したとなれば、海斗のことなどどうでもよくなった。

喜びが込み上げたが、誠はそれを表情に出さないよう抑えた。

美羽がこのことを自分に隠そうとする真意は分からなかった。

何にせよ、まずは美羽を安心させておくのが先決だ。

美羽は不安定な眠りから目を覚ますと、6時を過ぎ、すっかり暗くなった部屋を見回した。

軽く顔を洗ってから食事をしようとレストランへ向かうと、驚いたことに誠が家にいた。

無視しようと思ったが、お腹の子供のことを思い出し、嫌悪感をこらえて声をかけた。

「今夜は会食があるんじゃなかったの?」

「キャンセルしたんだ。最近顔色が
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