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Ep2:旧体育館の怪音(前編)

Penulis: ちばぢぃ
last update Terakhir Diperbarui: 2025-06-12 10:22:57

星見小学校の裏庭には、使われていない旧体育館がある。

古びた木造の建物で、窓は割れ、壁にはツタが絡まり、子供たちの間で「幽霊が出る」と噂されている場所だ。

給食のパン事件を解決したばかりの僕たち「星見キッズ」は、次の謎に挑むことになった。 

 --

放課後、桜の木の下で僕たち5人は集まっていた。ケンタが興奮した声で言った。 

 「本当に聞いたんだって! 旧体育館から、ドンドンって音が! 絶対、幽霊だよ!」 

 「幽霊なんて非科学的だよ、ケンタ」僕はメガネをクイッと直し、ノートを開いた。

「でも、音がするってのは事実だろ? 原因を突き止めるのが探偵の仕事だ」

カナエがニヤリと笑った。

「シュウ、さすが名探偵! じゃあ、さっそく調査開始ね! 星見キッズ、出動!」

 「僕、録音機持ってきたよ。怪音を録れば、手がかりになるかも」タクミが小さなガジェットを見せた。 

 「私はスケッチブックで現場を記録するよ。音の出どころ、特定できるかもしれない」リナが静かに言った。

 「よーし、俺が先頭切って突入するぜ!」ケンタがサッカー球を蹴るマネをして気合を入れた。

 旧体育館に近づくと、空気がひんやりと変わった。夕陽が沈みかけ、体育館の影が不気味に伸びている。入口のドアは錆びついた鎖で閉じられていたけど、隙間から中に入れるくらいの空間があった。 

 「ケンタ、入れる?」カナエが尋ねた。 

 「余裕だよ!」

ケンタは鎖の下をくぐり、ドアを少し押し開けた。ギィッという音が響き、僕たちは思わず身を縮めた。

中は薄暗く、埃っぽい空気が漂っていた。床には古い体育マットが散乱し、バスケットゴールのリングは錆びて傾いている。窓から差し込む夕陽が、埃をキラキラと浮かび上がらせていた。

 「不気味だね…」リナがスケッチブックに体育館の内部を素早く描き始めた。 

 タクミが録音機を手に持つ。「よし、みんな静かにして。音がしたら録音するから」 

 僕たちは息をひそめて待った。しばらくすると

ドン…ドン…

 本当に聞こえた。低い、鈍い音が体育館の奥から響いてくる。

ケンタがビクッと飛び上がった。

「や、やっぱり幽霊だ! 俺、帰る!」

  「落ち着いて、ケンタ。音の方向を確かめるんだ」僕は冷静に言ったけど、心臓がドキドキしていた。 

 「シュウ、あそこだよ。奥の倉庫の方から聞こえる」カナエが指差した。

体育館の奥には、小さな倉庫への扉があった。音はその中から聞こえてくるようだ。 

 「よし、近づこう。タクミ、録音準備OK?」 

 「う、うん…大丈夫」タクミは少し震えながら録音機を構えた。

 僕たちはそろそろと倉庫の扉に近づいた。扉は半開きで、中は真っ暗だ。

リナがスケッチブックに倉庫の入り口をスケッチしながら呟いた。

 「何か…変な臭いがする。カビ臭いけど、それだけじゃない…」 

 その時、また音がした。 

ドン! ドン! ガタッ!

今度ははっきりと、何かが動く音が混じっていた。

ケンタが叫んだ。

「シュウ、何かいる! 絶対、幽霊だよ!」 

 「幽霊じゃない。音の質からして、物理的なものが動いている可能性が高い。風か…いや、もっと重いものだ」僕はノートにメモしながら考えを整理した。 

 「じゃあ、開けてみる?」カナエが挑戦的な笑みを浮かべた。

 「うん、でも慎重に。ケンタ、先に中を覗いて」

ケンタはゴクリと唾を飲み込み、倉庫の扉を少しだけ押し開けた。暗闇の中、かすかに何かが動く影が見えた。

ケンタが後ずさりながら叫んだ。

「シュウ! 何か…箱みたいなのが動いてる! でも、誰もいない!」 

 「箱が動く? 誰かが仕掛けたトリックかもしれない。タクミ、録音できた?」

 「うん、録れた! でも…何か変な音も混じってる。聞いてみる?」タクミが録音機を再生した。 

 録音からは、確かに「ドン、ドン」という音が聞こえた。でも、その間に、かすかに「カチャ…カチャ…」という金属音が混じっている。

リナが首をかしげた。

「この音…鍵か何か? でも、誰が?」

 「分からない。でも、この倉庫に何かがあるのは確かだ。もっと調べよう」僕は決意を固めた。 

 その時、倉庫の奥でガタンと大きな音がした。続いて、床に何かが落ちる音。

そして「…誰だ?」

低い声が、倉庫の奥から聞こえてきた。

人間の声だ。幽霊なんかじゃない。僕たちは一瞬凍りついた。

 「シュウ、どうする? 入る?」カナエが囁いた。

 「…入るしかない。真相を突き止めるのが、星見キッズの使命だ」僕はメガネを直し、ノートを握りしめた。

 ケンタが震えながら言った。「俺、先に行って…様子見てくる…!」 

 ケンタが一歩踏み出した瞬間、倉庫の奥から黒い影が飛び出してきた。誰かが叫び、僕たちは思わず後ずさった。影は一瞬で体育館の出口に向かって走り去り、僕たちは呆然と立ち尽くした。 

 「何…何だったの? あれ、人間だったよね?」リナがスケッチブックを落としそうになりながら言った。 

 「分からない。でも、確実に誰かがいた。追いかけよう!」僕は叫んだ。

 カナエが頷き、タクミが録音機を握り、リナがスケッチブックを抱え、ケンタが先頭に立って走り出した。旧体育館の外に出た瞬間、夕陽が完全に沈み、辺りは薄暗くなっていた。影の姿は、校庭の向こうに消えていくところだった。

 「シュウ、あいつ…何か落とした!」ケンタが地面を指差した。

 そこには、古びた鍵が落ちていた。鍵には小さなタグがついていて、かすれた文字で「地下」と書かれている。地下? 星見小学校に地下なんてあったっけ? 

 「これは…新たな手がかりだ。でも、あの人は誰だった? なぜ倉庫に?」僕はノートに鍵のことをメモした。 

 「シュウ、暗くなってきた。今日はここまでにしよう。明日、もっと詳しく調べるよ」カナエが心配そうに言った。 

 「うん、そうだね。でも、この鍵…何か大きな秘密を握ってる気がする」僕は鍵を握りしめた。 

 星見キッズの2つ目の事件は、予想以上に複雑な謎を孕んでいた。旧体育館の怪音、倉庫の影、地下を示す鍵――。後編では、この鍵が僕たちをさらに危険な状況へと導くことになる。

(Ep2 前編 完) 

後編では、シュウたちが鍵を使って旧体育館の隠された秘密に迫るが、謎の人物が再び現れ、星見キッズを追い詰める。地下への入り口を発見するも、そこには予想外の危険が待ち受け、子供たちだけで解決できるのかハラハラする展開に。

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