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Ep44:星見探偵団の挑戦

Author: ちばぢぃ
last update Last Updated: 2025-07-23 11:00:50

星見小学校で活動を始めた星見探偵団は、新たな道を歩み始めていた。星見キッズを辞めた3人は、4年生の女の子から依頼された無くなったリコーダーを解決できず断念してた。

3人は放課後、校庭の片隅にあるベンチに集まり、話し合いをしていた。

ケンタがノートを手に、ため息をついた。

「リコーダー…。結局、解決できなかったな。シュウがいないと、僕たち、ダメだ…」

カナエが冷静に頷き、目を伏せた。

「ケンタ、そうだね…。シュウの推理力とリーダーシップがあってこそ、星見キッズは動けてた。私たち、素人だよ…

」リナが小さく呟いた。

「シュウ…。やっぱりすごかった…。タクミとのイチャイチャは嫌だったけど、シュウの力は認める…」

ケンタが拳を握り、決意を込めて言った。

「でも、僕たち、星見探偵団だろ? シュウに頼らなくても、いつか自分たちで解決できるようにならないと…」

カナエが少し明るい声で提案した。

「そうだね、ケンタ。もっと努力すれば、私たちも探偵として成長できる。次の依頼が来たら、絶対解決しよう」

リナが頷き、静かに言った。

「うん…。シュウみたいに、みんなを守れる探偵になりたい…」

その時、3年生の男の子がベンチに近づいてきた。少し緊張した様子で、ケンタに話しかけた。

「あの…。星見探偵団ですよね? 僕、3年1組の田中翔太です。お願いがあって…。僕の上履きが毎日汚されてるんです。やったのが誰か、解決してほしい…」

ケンタが立ち上がり、翔太に優しく声をかけた。

「翔太くん、よく来たね。星見探偵団、引き受けるよ。どんな状況か、詳しく教えてくれる?」

翔太が目を潤ませながら説明した。

「朝、教室に来ると、上履きが泥だらけになってる…。昨日
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