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【第18話】戸惑いの抱擁

Auteur: 櫻恭史郎
last update Date de publication: 2026-07-24 18:10:48

 セラは、テラスに出て空をながめた。

 今日は、めずらしくしっかりと晴れて青空が広がっている。朝のさわやかな風が心地よい。

 今も、ふとした瞬間、これは夢ではないかと思う。

 手をかざして影をつくりながら見上げる空はどこまでも広くて青い。かび臭い地下室の香りは、ここには微塵もない。

 肩にふわりと、手触りの良い布がかけられる。

「セラ、そんな恰好で風にあたると、冷えてしまうよ」

「ジェイド、ありがとうございます」

「足は痛まないかい?」

「ええ、もうすっかり足首は痛くありません」

 ジェイドがオオカミの群れから助けてくれた日、セラは馬から落ちて足首を捻挫してしまった。その日以来、ジェイドはとても過保護になったように思う。

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