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第2話

Autor: satomi
last update Última atualização: 2025-10-27 17:21:47

そんな精神状態で帰宅すると、思わず親友の前川澄香に電話をかけていた。

澄香はシングルマザーで一人を男の子育てている。

「今日…さっきね病院に行ってきたの。妊娠したって」

「へぇ、よかったじゃん。ずっと悩んでたもんね」

澄香とは中学からの腐れ縁といえばそうだけど、なんでも話せる唯一の友達。内緒の話を本当に内緒にしてくれるから、信頼している。

他の女友達は「ココだけの話…」と結構漏らしているので(私も聞てしまう)、とてもじゃないが本当に信頼はできない。

「それで……病院で見ちゃったのよ。孝之さんが澪を救急で抱えてくるのを!そのあとお医者さんは「お子さんは守れません」って……」

「はぁ?なにそれ?昨日は平日だから、仕事中のはずの旦那が義妹を産婦人科の救急に抱えてきた?しかもそのあと医師が「お子さんは守れません」?……あの義妹は何考えてるんだか。その子供はまさかのあんたの旦那と義妹との子供じゃないでしょ?」

「怖くて孝之さんに確認してないよ」

「そこ大事なんだから確認しないと!っていうか、平日の仕事中の時間に義理の兄を呼び出す?何考えてるの?あの義妹!」

澄香は澪に会ったことがあるけど、印象がよくなかったみたいでいっつもこう。

「サラには言ってなかったんだけど……あんたの旦那が義妹と外でいるところを見たことあるのよ。恋人同士みたいに親密だった。なんか恋人つなぎしてんの」

恋人つなぎ?手を繋いでたってこと?ただ繋いでても変なのに、恋人つなぎは変過ぎる。

「あー、やっぱり衝撃だった?こうなると思って今まで黙ってたのよ。あぁ、ゴメン!うちの子が幼稚園から帰ってきた。また今度電話でもしてきてよ。愚痴でもなんでも聞くから、黙ってたらストレス溜まるよ?妊婦さんにストレスは大敵なんだからね!それじゃあ、またね!」

そうして澄香との会話は終わってしまった。

聞いてもらってストレス解消になるかと思ったけど、新たに疑念を植え付けられちゃった。

気付くと私の手は冷たくなり、鼓動は胸を打つ太鼓のよう。細部が脳裏に再び蘇り、消えない不安が胸を締め付けた。

その時、家のドアが開き彼が帰宅した。

「昨夜は帰れなくて……」彼は低い声で説明した。複雑な眼差しが一瞬交錯した。

「澪の突発的な問題に対応していてさぁ。……明け透けに言うと、彼女、一夜限りの関係ってやつで流産しちゃってさぁ。胎児の父親は不明。全く、我が義妹ながら性に奔放過ぎるよな。イマドキの子ってそういうもんなのか?」

私は呆然と彼を見つめた。怒りと失望が交錯する中、彼は私の手をしっかり握り、温かく決意を込めて言った。

「心配しないで、僕はサラを愛している。ずっと守るから」

ホルモンの揺れで心は徐々に落ち着いたが、潜在意識の不安は陰のように残った。

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