LOGIN主人公シルヴィア=オーウェンズは侯爵家長女でありながらも、亡き母の後に後妻におさまった義母と実の父により、『聖女学校』という場所へ実家を追い出されていくことになった。体のいい厄介払いです。光魔法さえ習得していれば、その修道院のような『聖女学院』でケガをなさった方に無償で奉仕するのが仕事なのですが…。 そこには王太子妃の筆頭候補のクリスティーン様がいたりとなかなか人間関係が厄介なのです。
View More私はシルヴィア=オーウェンズと申します。オーウェンズ侯爵家の長女でもうすぐ聖女学校に通う事となっています。
というのも、お父様が後妻と義妹のベラを連れてきたために私の居場所がオーウェンズ侯爵家に無くなったために、お父様がお義母様と話して私を聖女学校へと追いやることにしたようです。長女なんですけどね。
「お姉様、安心してね。このオーウェンズ侯爵家は私が守っていくから」
何を勘違いしているのでしょう?
私が17才になれば侯爵の爵位は私のものになるのです。今は婿入りしたお父様が侯爵代理をしているにすぎません。あと1年と数か月ですよ?
まぁ、うちの事情はともかくとして私は聖女学校とやらに入学することとなったのです。私が光魔法を使うことが出来たからでしょうね。
しかし……世の中にはこんなにも多くの貴族令嬢が光魔法を習得しているのですね。
最初にした事は魔力量の測定です。
「流石はクリスティーン様だわ!王太子妃の筆頭候補だもの!」
なんかものすごい魔力量をはじき出したようです。その後も有力貴族の令嬢は悉く魔力量が多く測定されました。
あの魔力計……なんか権力に弱い?
私の魔力量はそんなに多くもなく少なくもなくといったところです。可でも不可でもないってやつですね。
まだ光魔法を習得しているだけマシでしょうか?習得していない方は随分と肩身が狭いようです。
私は寮生活になります。むしろこの事を家族は望んでいたのでしょう。
部屋には二段ベッドがあります。2人部屋なんでしょうか?
「あー、さっきの可でも不可でもない人だ!」
どういう覚え方でしょう?
「初めまして。シルヴィア=オーウェンズです。よろしくお願いします」
「かたっ苦しいなぁ。私はセルフィ。よろしくね!あなたの事はシルヴィって呼ぶわね!」
セルフィの第一印象は元気な子だなぁって感じでした。
「知ってた?朝6時起床で点呼の後、校舎の掃除。掃除なんかしたことないよ~」
私はお義母と義妹がしろと言うので、至る所掃除経験がありますが、多くの貴族子女に掃除経験などないでしょう。
この学校…貴族子女に掃除をさせてどうするのでしょう?掃除婦の給与削減?
そんな事を考えながら掃除をした後は、7時から自分たちで炊事。これも貴族子女は初体験でしょう。厨房にも入ったことないんじゃないかな?
8時からは実技。学校にはちょっとした怪我での治療を求めて、貴賤を問わずにやってきます。
クリスティーン様……。今までどこにいたの?
「そういうことになっちゃったから、ユリーズには今後も頑張ってほしいんだ」「お嬢様の頼みならば!このオーウェンズ侯爵家を守り続けましょう‼いつかいらっしゃる当主様のためにも‼…心残りはお嬢様と生活を共にできないことですな」 うーん、本当に優秀な執事なのよね。グリーン公爵家の執事も優秀だろうけども。「あ、サラは私付きの侍女として付いてきてもらいます」「やったぁ!」 おじいちゃんなのに、指をくわえてサラの方を羨ましそうに見ているユリーズを見るとなんか申し訳ないなぁ。「ここにはちょくちょく戻ってくるつもりよ?妊娠中とかは無理かなぁ?」「その御子が次期当主様というわけですな?」「難しいところで、第1子は公爵家の跡継ぎ。第2子になるわね。私だって頑張って子供産むわよ!」「お嬢様、女の子の場合もありますから気を付けてくださいね」「ケヴィン、オーウェンズ侯爵家の皆に宣言してきたわよ。サラが大喜びだった(笑)」「ああ、サラはシルヴィアに仕える事が大好きだからな」 その後私は双子の男の子を産んだ。産んだ順で爵位が違うのもなんかなぁと思うけど、オーウェンズ侯爵家は王家にも愛されてるし、大丈夫か。 本人たちがどう思うかよね。子供の教育をかんばりましょ。 ちなみに女の子も産みました。 王家でもダビデ王太子とセルフィ皇女殿下が婚姻。政略結婚かとか言われてたけど、違うよ? セルフィは男女の双子を産んだってケヴィンから聞きました。 双子…流行ってるのかな?END
「セルフィ嬢とお呼びしてもいいだろうか?」「ではこちらはダビデ様とお呼びしますね」 なかなか返しもハッキリしている。「先日、ケヴィン騎士団長とシルヴィア=オーウェンズ侯爵との婚約が決まったが、こういった話は聖女学校ではされないのだろう?しかしセルフィ嬢とシルヴィア嬢は懇意だったと聞く」「……えっ?シルヴィが?だって侯爵になったんじゃ?てっきり婿養子に誰かを迎えるものだと思っていましたわ」「ケヴィンがなぁ。シルヴィア嬢がオーウェンズ侯爵家を粛清していく様を見て、惚れ惚れと本当に惚れてしまってなぁ」「騎士団長様だって公爵家の嫡男では?」「そこはなんとかするらしい。王家にも無理難題押し付けてくるかもなぁ」 シルヴィア嬢の話に食いつきがいいな。「聖女学校ではどのようなことをしているんだ?」「修道院のようですね。それで当初クリスティーン様が反抗的だったんでしょうか?」「今は大丈夫なのか?」「私が身分を明かして脅迫まがいの事をしたらサッパリしたモノです。学校を出てからの彼女の素行は保証できませんけど」 やはりそうなのか。「いやぁ、シルヴィア嬢も一時的にクリスティーン嬢の素行がよくなっても学校を出てからはわからないと言っていた。一応筆頭王太子妃候補ではあるんだが、選民思想は酷いし、プライドも高いだろう?私としてはそんな彼女を王太子として迎える事に抵抗が……」「王太子妃教育はしていないのですか?」「恥ずかしくもまだ……」「それが原因では?王太子妃教育の中には選民思想を排するようなものが含まれているハズです」「セルフィ嬢は何故そのような事をご存じで?」「母が妾腹だということはご存じですよね?恥ずかしながら、母は王太子妃教育が苦しく逃げ出したのです。それ故に実家からは絶縁され、使用人として皇城で仕えていた時にお手つきに……。そんな母から王太子妃教育では選民思想を排するようなものが含まれていると聞きました」「正直になんか申し訳ない。その後に親子ともども皇帝に引き取られたのだな?」「本音を言いますと、引き取られる前の方が幸せでした。義理の兄弟・姉妹からはいびられ・罵られる日々。いいものを食べ・キレイな食べ物を食べるだけが幸せではありません。母も心労が祟ったのでしょうね。正妃や側妃様からいびられたりした生活でしたから。私が幼いうちに亡くなってしま
「ところで、薄々勘づいているかもしれないけれども、私はシルヴィア嬢がゆくゆくはグリーン公爵夫人になったくれたらと思っている」 全く頭にありませんでしたー。ゴメンなさい‼「えーと、そうするとオーウェンズ侯爵家はどうしましょ?」「グリーン公爵家にも跡継ぎが必要だからなぁ。二人以上子を産んでいただきたいのだが?」 それは…一番先に生まれた子はグリーン公爵家の跡継ぎで2番目に生まれた子がオーウェンズ侯爵家の跡継ぎという事でしょうか?その子が成長するまでオーウェンズ侯爵家は?「執事のユリーズって言ったか?彼が守ってくれはしないだろうか?」 ユリーズも結構な年なんだけどなぁ。彼の息子さんもいますし。「いざとなれば、王家預かりで王太子に預かってもらう」 仲いいですもんね、ケヴィンと王太子殿下。 そこまでなんで私?「オーウェンズ侯爵家の粛清の見事さ、凛とした姿に惹かれた。私もそのようでなくてはならないと心から思ったよ」 自虐気味に笑いますけど、ケヴィンは既に凛として素敵です。「ケヴィンの申し出をお受けしますわ。なんだか面白そう」***********「ケヴィン、自分はうまくいっていいんだろうけど、その緩んだ顔の筋肉を何とかしろ!私は王太子妃をどうするか頭を悩ませているところなんだ」「そうですね、せっかく皇女殿下がこの王国にいらっしゃることがわかったのですから、謁見してはいかがでしょうか?その折に、セルフィ様のご容姿や性格などを判断しては?」「そうだよな。そういえば、帝国の皇女がいる事がわかってるというのにおもてなしもしていないのは不自然だよな。よし、パーティーでも…」「あー、シルヴィア情報によりますと、皇女は無駄遣いなんかを嫌うそうです。顔合わせくらいでいいかと」「そうなのか?私はちょっと残念だ。一緒に踊ったりしたかったな」************「セルフィ!お前に王太子からお会いしたいとのお手紙が届きました。直ちに用意をしていきなさい。ああ、ここにはどうしてドレスとかないんでしょう?」「学園長、安心してください。ドレスにも流行があるので、私はこの格好のまま王太子様にお会いしたいと思います」「畏れ多くも王太子様なのよ?私ですらお会いする時は緊張をしたというのに……」 クリスティーン様はそう言うけれど、ドレスもないしここで生活をしている
「セルフィ殿下が脅した効果なのか、クリスティーン様も聖女学校で聖女らしく行動をしているらしいです。彼女の根幹まで変わったかはわかりませんが。学校を出たら、前のようになるかもしれませんね」「うむ、だとやはりセルフィ皇女殿下との婚約を視野に入れるべきであろうか?セルフィ皇女殿下には聖女学校の風紀を改善したという実績がある。シルヴィア嬢がセルフィ皇女殿下の世話係のような事をしてくれないだろうか?」「それはお付きの侍女のような?彼女は侯爵ですよ?無理がありますね」「だよなぁ。尚且つ、ケヴィンが虎視眈々と彼女を狙ってるんだろ?」「狙ってるとは言葉が過ぎますが……。まぁ、彼女を慕っているのは事実ですね。将来的に公爵夫人になってくれたらと思っていますよ」 男同士の恋バナは続く。 シルヴィアは盛大にクシャミをしてしまった。「いやだ、風邪かしら?」「お嬢様!お風邪を召してしまったのですか?サラもお嬢様をお休みさせて!ここのところ仕事をし過ぎでは?」「噂になっているだけよ~!」「お嬢様ほどの方ならあり得ることですが、万が一でもお風邪を召されていては困ります!早急に医者の手配を!」 逞しくなったユリーズには敵わないなぁ。 部屋に寝かされていると、ケヴィン様が見舞いにいらした。「シルヴィアが風邪を召したと聞いて、見舞いに来た。風邪に良いという土産も持ってきた」 ケヴィン様は馬車1台分の柑橘類などを持って来てくれた。「くしゃみをしただけなのに、ユリーズも屋敷の皆も大袈裟なのよ」「しかし、最近は仕事をし過ぎだという話を聞きました。ゆっくりと養生してください」 そう言われると、なんだかなぁ。「あ、そう言えば、聖女学校でクリスティーン様は大人しくしているみたいね。やはり、セルフィ皇女殿下が諫めたのが大きいのかしら?」「ああ、恐らくそうだろうな。彼女は今後どうなるんだろうか?このまま淑女らしくしていれば、筆頭王太子妃だろうけれども」「セルフィの登場ね?」「ああ、皇女殿下が相手になるというと、侯爵令嬢では相手にならないからな。たとえ妾腹だろうとも、皇女殿下であることに変わりはないから」 セルフィの方が性格いいし。私が聖女学校を去った後のセルフィの様子は知らないけど。クリスティーン様はセルフィが一時的に諫めたとしても学校の外になったらどうなるかわからないし。