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第 32 話

Author: 水守恵蓮
last update publish date: 2026-02-02 09:28:52
塞ぎ込みかけた意識に、明るい声が割って入って、私はハッと我に返った。

「え?」

いつの間にか俯いていた顔を上げると、理華が首を傾げて私を覗き込んでいる。

「二人ともいいなあ、って。言ったでしょ?」

「あ……」

独り言を、聞き拾われていたのだと気付く。

「う、ううん。別に、なんでも……」

ぎこちない笑みで、誤魔化そうとすると、

「別に、じゃないでしょ」

オーダーを終えた瞳が、テーブルにのせた両腕に体重を預け、身を乗り出してきた。

「藍里はどうなのよ? そっちの方」

「えっ……」

上目遣いで見据えられて、図らずしてドキッと心臓が跳ねる。

「私は、念願の運航管理部に異動して間もないから。そういう……恋愛事に気を取られてる場合じゃない。人より努力しないと……」

取ってつけたように言いながら、じっとりした視線を向ける二人から逃げ、明後日の方向に目を彷徨わせた。

それで、綺麗に収まったと思ったのに。

「それ、この間透も心配してた。なんか、同期の氷室君が厳しくしてそうって。大丈夫?」

「っ、え!?」

理華に、思い出したように言葉を挟まれ、ひっくり返った声をあげた。

「氷室君? ああ、ディスパッチ
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