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第3話

作者: 鳳小あん
雅彦はぐっすり眠り、目を覚ますとすでに朝になっていた。階下へ降りると、キッチンでは澄華が静かに朝食の支度をしている。

雅彦はその背後から近づき、腰に腕を回した。

「朝一番に澄華の顔が見られるなんて、最高だな」

澄華はその手を押しのけ、淡々と「ご飯にしましょう」とだけ言った。

「……俺、昨夜どうやって帰ったんだ?確かバーで友達と飲んでたはずなんだが」

雅彦はテーブルに腰を下ろし、眉をひそめる。昨夜のことはほとんど覚えていないらしい。

澄華はエプロンを外し、短く告げた。「あなたの友達から連絡があって、迎えに行ったのよ」

「そうだったのか?……どうした?なんだか機嫌が悪いな。俺、何かしたか?怒ってるのか?」

本当に覚えていないのか、それとも演技なのか──澄華は確かめようとはしなかった。

もうどうでもよかったから。

「別に……ちょっと出かけてくるから、ゆっくり食べて」

そのとき、電話のベルが鳴った。澄華は受話器を取り、耳に当てる。

相手は母だった。「澄華、朝臣くん、もう公園で待ってるわよ。ちゃんと行くの、忘れないでね!」

「分かったわ。すぐ行くから」

電話を切って玄関へ向かうと、雅彦が立ちはだかった。

「どこに行くんだ?誰に会うんだ?」

その顔にはわずかな焦りが浮かんでいる。「男か?女か?」

「詩乃さんが今朝電話してきて、今日は馬場で練習するから後で来てって」

「そうか」

雅彦はすぐに手を放し、急いで食事をかき込む。

「詩乃は俺の遅刻を嫌うからな……」

顔を上げたときには、澄華の姿はもうなかった。

公園に着くと、川辺に立つ男性の背が見えた。

澄華は深く息を吸い、その背へ歩み寄る。「朝臣さん……遅れてしまって、すみません」

振り返った瞬間、澄華の胸が一拍遅れて跳ねた。

母の段取りで会う見合い相手は、ごく普通の男性だろう──そう思っていた。

しかし、そこに立っていたのは予想を裏切るほど整った顔立ちの男だった。

涼やかな眉目に、柔らかなまなざし。澄華を見ると、口元に優しい笑みを浮かべる。

「澄華さん、はじめまして。夕凪朝臣です」

声までが穏やかで、耳に心地よい。

澄華は、こんな人に自分は釣り合わないと痛感した。

「すみません。母がきっと人違いをしたんです。失礼します」

踵を返そうとすると、朝臣は眉をひそめ、しかし距離を保ちながら前へ回り込む。

「澄華さん、俺のどこかが気に入らないのなら、教えてください」

「違います。あなたはとても素敵な方です。ただ、私……」

澄華は真っ直ぐに彼を見上げ、誠実な声で告げた。「私の名前は朝霧澄華。久遠家で働く家政婦の娘です」

「知っています」

曇りのない瞳で朝臣は言った。「君のことは、全部知っています」

「……いいえ、知らないはずです。私と雅彦は──」

「知っています。誰にだって過去はあります。それを俺は気にしません」

「せっかくこうして会えたんです。少し話してみませんか?もし俺のことを好きになれなければ、そのとき離れても遅くはありません」

澄華は唇を噛み、小さくうなずいた。「分かりました。では、この後はどこへ行きましょう?」

「もしよければ、一緒に行きたい場所があります」

まさか、その「場所」が馬場だとは思わなかった。

入るなり朝臣はコーチのもとへ行き、用具を受け取っている。

入口にひとり残された澄華が戸惑っていると、背後から聞き慣れた声が響いた。

「澄華?まさか……本当に、どこに行っても離れられないんだな」
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