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第331話

Auteur: 一燈月
小夜は異議を唱える勇気もなく、慌てて頷いたが、躊躇いがちに尋ねた。

「あの、出国制限はどれくらい続くのでしょうか?具体的に何日くらいですか?」

相手は答えず、そのまま立ち去った。

すぐに部屋には一人きりになった。しばらく待っていると、先ほど「長官」と呼ばれていた男が入ってきて、随行の隊員がドアを閉めた。

男は椅子を引き寄せ、小夜の前に座った。その表情は冷厳で、声は落ち着いていて重みがあった。

「なぜ、ここへ来た?」

……

小夜は返答に窮した。

目の前の男に見覚えがあったからだ。一度だけ、圭介と結婚して間もない頃、本家での食事会で会ったことがある。

言葉を交わしたことすらないが、その圧倒的な威圧感と特殊な身分ゆえに、印象に強く残っていた。

この人は、圭介の従兄――

長谷川亮介(はせがわ りょうすけ)だ。

身分だけではない。さらに重要なのは、あの冷酷非道で傲岸不遜な圭介が、父親の顔さえ立てないのに、この従兄にだけは敬意を払い、心服しているということだ。

圭介を諌められる人間がいるとすれば、祖父ではなく、目の前のこの男だけだろう。

奇妙な話だ。

従兄弟同士の方が
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