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第82話

作者: みそ煮
last update 公開日: 2026-04-07 11:30:22

真理愛は満面の笑みで香織に手を振った。

「良いことを知れたわ!ありがとう、九条香織!この恩は絶対に忘れないから!」

「はいはい、せいぜい暴力振るわれないようにストーカーしなさいよ」

香織は真顔で手を振り返した。彼女が去ったあと、美由紀が呆れた顔で口を開いた。

「あの女、相当危ないヤツですよ。カバンの中に催涙スプレーありましたし……」

「警察のお世話になったこともあるらしいわね。未成年だから逮捕まではされなかったようだけど」

真理愛はアイドルファンの中ではかなり有名で、ストーカー紛いの行為を何度も繰り返していたのだという。被害者は隼人だけにとどまらず、他の有名アイドルも標的にされていたようだ。

「私があんな女と間違われていたなんて屈辱だわ……私はあそこまで頭おかしくなかったわよ!」

「ア、アハハ……」

美由紀は愛想笑いをした。彼女は亮太が大学生だった頃、どれだけ香織が彼を執拗に追いかけ回していたかを知っていた。さすがに真理愛ほどではなかったが、常人にはとても理解できなかった。

「でもこれで、もうアイドルたちがあの女の被害に遭わなくて済むわね」

「そうですね、香織お嬢様は機転が利くんです
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