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第1056話

Penulis: かおる
明日香の母親は、夜ほど強い人ではなかった。

時折正道は思う。

もし夜が、ほんの少しでも穏やかな人だったなら、と。

まるでようやく胸の内を打ち明けられる相手を見つけたかのように、正道は、かつての自分と夜の甘い思い出や、彼女が好んでいたものについて語り出した。

これほど年月が経っているにもかかわらず、彼は彼女の好みを、今なおはっきりと覚えている。

正道が、確かに夜を愛していたことは見て取れた。

だが、その「愛」がどれほどのものだったのかは、誰にも分からない。

星がふいに言った。

「では、明日香のお母さんは?」

正道の声が、一瞬途切れた。

少し迷ったあと、彼は言う。

「正直に言えば、私は鈴に対しては、愛情よりも感謝の気持ちのほうが大きい。

あのとき、彼女が私を助けてくれなければ、私はとっくに死んでいた。

彼女は、私の命の恩人なんだ」

彼は星を見た。

「星、彼女が私を救い、そのあとも離れずに、ずっとそばで世話をしてくれた。

数年間、夫婦として暮らし、子どもまで産んでくれた。

理由が何であれ、子どもに罪はない。

お前も今は自分の子を持つ身だ。

親になれば分か
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