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第1077話

Author: かおる
浩太の胸は、まるで子猫に引っかかれたかのように、むず痒くて仕方がなかった。

「もちろんですよ。

誰を騙すにしても、星野様ほどの美人を騙すなんて、そんな度胸はありません」

その一言で、浩太の理性は半分以上持っていかれた。

彼はグラスを手に取り、星のほうへと身を寄せる。

「さあ。

一杯、どうぞ」

その目には、露骨な色欲が浮かんでいた。

グラスを持ったまま、彼女の小ぶりで美しい顎を持ち上げ、そのまま飲ませるつもりだった。

その瞬間。

星の表情が、氷のように冷えた。

彼女は素早く浩太の手からグラスを奪い取り、中身をすべて、その顔にぶちまけた。

個室に満ちていた笑い声は、一瞬で凍りつく。

誰もが息を呑み、その場に立ち尽くした。

冷たい飲み物を浴びせられ、浩太は我に返る。

彼は星を指さし、怒鳴った。

「俺に水をかけるだと?

契約して欲しいんじゃないのか!」

星は無表情のまま答えた。

「たかが一本の契約のために、自分を売るつもりはありません」

人前でここまで面子を潰され、浩太は怒りに顔を歪める。

「男に散々弄ばれた安女のくせに、何を清純ぶっているんだ。

お
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