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第1750話

Author: かおる
星は無意識に振り返った。その背後に、幽霊のように高くそびえる影が立っていた。

怜央だ。

恐怖に震える心を抑えきれず、星は猛然とキッチンから持ち出した果物ナイフを取り、怜央の胸に突き刺した。

だが、怜央は避けることもせず、ナイフを受け入れた。

血が星の手を赤く染める。彼女は血に染まった手を見つめ、顔は紙のように蒼白、瞳孔は激しく揺れていた。

この瞬間、星の怜央に対する恐怖は頂点に達した。

そんな彼女の恐怖に、怜央はなぜか心が疼く気持ちを覚えた。そして慰めるように口を開く。

「怖がるな。俺は死なない」

何かを思い出したかのように、怜央は自嘲的に笑う。

「俺が死んだら、お前はこの島から永遠に出られなくなる」

星はその言葉で、はっと気づく。そうか、怜央こそが唯一の操縦者だったのだ。

焦りすぎていた。この場所から逃げ出したくて仕方がなかった。

怜央のような人物が、そんな大きな穴や手掛かりを残すわけがない。すべては彼の仕掛けた罠だったのだ。

星は死んだような顔で言った。

「つまり、最初から昏睡していなかった……私をからかっていたのね」

怜央はかすれた声で答える。

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