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第1760話

Author: かおる
その結果、真っ先に恩恵を受ける立場になったのは――星だった。

星はふと問いかける。

「昔、あれだけ明日香のことが好きだったのに。何でも差し出せるくらいだったんでしょ?だったら、どうして株をそのまま彼女に渡して結婚しようとは思わなかったの?」

怜央は淡々と答えた。

「彼女が好きなのは、強い男だ。仮に俺が株を渡して、あいつが立場を固めたとしても……俺に利用価値がなくなったら、あっさり捨てるだろうな」

その声音は静かだったが、妙に冷静だった。

「それに、あの頃のあいつじゃ、その立場を守りきれない。司馬家の連中に食い潰されて、跡形もなくなるのがオチだ」

「……」

星にとって、それは完全に予想外の答えだった。

怜央は明日香のことを、盲目的に理想化していたのだと思っていたからだ。

だが、もうすぐ別れると思うと、星の中にわずかな好奇心が芽生える。

「あなたの中では、明日香ってずっと完璧で、誰よりすごい存在なんだと思ってた」

怜央は短く息を吐いた。

「司馬家の裏の仕事は多い。ほとんどが裏社会と繋がってる。血を見る覚悟がない奴に、あいつらを抑え込むのは無理だ」

それから静かに
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