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第230話

作者: かおる
葛西先生は清子の手を一瞥し、皮肉たっぷりに言った。

「それなら早く病院へ行くがいい。

さもないと、遅すぎて傷口がふさがってしまうぞ」

怜が続ける。

「小林おばさん、指をちょっと擦りむいただけでしょ。

そんなに痛いの?

僕なんか普段転んだりぶつけたりしても泣かないよ......五歳の子どもにも負けてるんじゃない?」

清子は今にも倒れそうな仕草をしながらも、口は達者だった。

「坊や、私の体はあなたたち普通の人とは違うの。

先週も指を切って、たくさん血が出てしまったの。

雅臣が後遺症になるんじゃないかと心配して、病院まで連れて行ったのよ。

今の私は特別な状態だから、怪我をするとすぐに血が止まらなくなるかもしれないって。

だから彼、念のために輸血用の血液パックまで準備してくれたの」

「だけど私が病院に着いた時、ちょうど大出血の患者さんを救うために、その血液がそちらに回されちゃったの。

雅臣は大怒りで、もし私の出血が止まらなかったらどうするんだって。

結局、その場で勝手に判断した医者や看護師を全員クビにしてしまったの」

「でもね、彼ってばいつも大げさすぎるのよ。

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