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第285話

Author: かおる
二人が立ち去ろうとしたその時、一台の高級車が目の前に停まった。

ドアが開き、すらりとした長身の影が姿を現す。

邪気を帯びながらも整った顔立ち――影斗だった。

「星ちゃん、彩香さん。

久しぶりだな」

彩香の顔がぱっと明るくなる。

「榊さん!

本当に久しぶり。

最近は何をしていたの?」

「家のごたごたを片づけていた。

もう全部終わったけどな」

影斗は気だるげに眉を上げ、にやりと笑う。

「どうだ?

俺がいなくて寂しかったんじゃないのか?」

彩香はくすくす笑った。

「それはそうよ。

あなたがいないと、大盤振る舞いしてくれる人がいなくてつまらないもの」

「食べたいものがあれば、何でもご馳走するさ。

......そうだ」

思い出したように、影斗は助手席から鮮やかな花束を取り出した。

「星ちゃん、離婚おめでとう。

苦海からの解放に乾杯だ」

星は穏やかに花を受け取り、にっこり微笑む。

「ありがとう」

彼女は離婚の件を影斗に知らせてはいなかったが、怜が彼女の家に居候している以上、情報が伝わるのは当然のこと。

驚きはしなかった。

そのとき、耳障りな声が響
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