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第569話

Author: かおる
澄玲は、わざとらしく首をかしげた。

「もうこんなに経つのに、まだ会えていないの?」

靖の表情にわずかな陰りが差す。

「澄玲さん。

――今日は特別ゲストの件でお願いがあって来たんだ」

「お願いなら、さっきもう答えたわ。

時間がないって」

澄玲は柔らかく笑いながらも、その口調はきっぱりしていた。

日程すら確認しようとせず、最初から断る姿勢――まるで冷たく扉を閉ざすようだった。

靖はさすがに不快を隠せなかった。

「......星に、何か吹き込まれたのか?」

澄玲は眉をひそめた。

「星ちゃんと何の関係があるの?」

靖の声は淡々としているが、その奥には疑念が滲んでいた。

「星と明日香は仲が悪い。

星が何も言ってないのなら、どうして日程も聞かずに断る?

きっと星に言われたんだろ、『明日香が何か頼んできても絶対に受けるな』って」

澄玲は苦笑を浮かべた。

確かに、彼女は靖という男をよく知らない。

彼の性格や考え方も、これまで聞いた話や周囲の評判でしか判断していなかった。

そして――婚約者が彼だと知ったとき、正直うれしかったのも事実だった。

雲井靖。

業界でも
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