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第735話

Author: かおる
清子は、弾むような足取りでこちらへ向かってきた。

「雅臣、今日はどうしてここに?

もしかして翔太くんのアーチェリーの練習に付き添い?」

雅臣は、面倒そうに短く応じた。

「......ああ」

それだけで、もう話を続ける気はなかった。

清子はさらに歩を進め、ようやくそこに星野星の姿を見つける。

一瞬、表情がわずかに固まったが、すぐに柔らかな笑みを作って声をかけた。

「星野さん」

そして何事もなかったように、雅臣の隣に腰を下ろす。

彼の冷淡な態度にも、まるで気づかぬふりをして、ひとりで楽しそうに喋り始めた。

最初のうちは、雅臣も時おり相づちを打っていたが――

やがて、その返事は途切れ、顔つきが徐々に冷えていく。

それでも清子は止まらない。

懐かしそうに目を細めながら、過去の思い出を次々と口にした。

「雅臣、覚えてる?

付き合い始めたころ、あなた、私のバイオリンの音が大好きだったのよ。

会うたびに弾いてほしいって言ってくれて......私、冗談で言ったの。

あなたは私の特別な聴衆ねって。

それから――あなたが告白してくれた日のこと。

あのときのあなた、本
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