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第7話

作者: 七日雨
「あいつ、浮気したの?」

「うん」

「で、よりを戻したいって?」

「まあ、そうですね」

「君は?よりを戻したいのか?」

私は白目をむいて、答えるのも面倒だった。

「先輩、質問が多いですわ」

薄暗い光の中で、樹が私を見つめていた。

イケメンにあんな風に見つめられると、さすがに恥ずかしくなる。

顔が少し熱くなった。

数秒後、樹が突然口を開いた。「ねぇ、俺がなんでこんなに色々聞くか、わかる?」

……

翌日。

私は哲也と顔を合わせた。

でも、彼は私に会いに来たわけじゃなかった。

隣には、睦月がいた。

二人は高級ブランド店から一緒に出てきた。

睦月は哲也の腕に絡みつき、彼の手にはブランドの紙袋が提げられていた。

もちろん、哲也が私に買ってくれたことなんて一度もないものだ。

私を見つけた瞬間、睦月の表情が少し険しくなった。

彼女は嫌味たっぷりに言った。

「哲也、言ったでしょ。彼女はあなたを諦められないのよ。見て、ここまで追いかけてきたわ」

哲也は睦月から腕を引き抜き、私の方へ歩いてきた。

「理恵、誤解するな。睦月の気晴らしで付き合ってあげただけなんだ……」

私はくるりと背を向けて、その場を去ろうとした。

哲也が私の手を掴んだ。「一体いつまで拗ねてるつもりなんだ!

言っただろ、ただ睦月の気晴らしに付き合ってるだけだって」

手首がじんじんと痛んだ。

私は振り返って彼を睨みつけた。

目には、あからさまな嫌悪が浮かんでいた。

私はクスっと笑った。「気晴らしって、2週間も必要なの?」

哲也は、私の視線に何かを感じ取ったようだ。

彼は視線をそらした。でも、まだ意地を張って言い返してきた。

「君がずっと帰ってこなかったから、俺が彼女に付き添うことになったんじゃないか!」

私が呆れて言葉を失っていると、哲也は続けた。

「やっぱり君は、俺を諦めきれないんだな。

わざわざここまで追いかけてきたんだ。もう仲直りしよう。今回は俺が悪かったってことにしてやるから……」

哲也が言い終わる前に、誰かが私の前に立ちはだかった。

樹は背が高く、威圧感があった。

哲也は無意識に数歩後ずさりしたが、つまずいて転びそうになった。

睦月が慌てて彼を支えた。

彼女は哲也のために食って掛かろうとした。でも、樹の顔を見た瞬間、言葉を失ったようだ
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