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第6話

Author: 桜池千春
葵は顔にパックを貼ったまま寝室から出てくると、気にも留めない様子で言う。

「ブロックされたなら、それでいいじゃん。お姉ちゃん、私たちを脅かしてるだけだよ。

どうせ何日かして手持ちのお金がなくなったら、自分から戻ってくるって」

和子はいくら待っても既読のつかないトーク画面をじっと見つめていた。

そのとき、胸の奥にぽっかりと穴が開いたような感覚を覚える。

ふと、あの日の電話で茜から投げかけられた言葉が蘇る。

「お母さん……今日は私の結婚式だよ。花嫁は、私なのに」

あのとき、自分は何と言ったのだろうか。

たかが男一人くらいで、家族みんなを不愉快にさせる気か、と責め立てた。自己中だ、と罵ったのだ。

そう言って、茜の頬を思いきり叩いた。口元から血が滲むほどだった。

それでも茜は、一滴も涙をこぼさなかった。

ただじっと、まるで赤の他人でも見るかのような冷たい眼差しで、母親である自分を見つめ返していた。

そう思うと和子は突然、息苦しさに襲われる。

ソファの肘掛けに手をつき、ゆっくり腰を下ろす。手のひらには、じっとりと汗がにじんでいた。

「探しに行くぞ」

沈痛な面持ちで、
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