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最後に会う日

Author: 影畑凛星
last update publish date: 2026-09-14 10:38:56

 面談の日が決まった。

 場所は藤崎の法律事務所。

 美月と藤崎が先に入り、拓也は自分の弁護士とともに後から来ることになっていた。

「緊張していますか?」

 藤崎に聞かれ、美月は少し考えた。

「してます。でも、前とは違います」

「違う?」

「前は、拓也に会ったら何を言われるんだろうって、そればっかり考えてました」

 怒るかもしれない。

 泣いて縋るかもしれない。

 何度断っても聞いてくれないかもしれない。

 そんなことばかり想像していた。

「今日は、私が言うことも決まってるので」

 離婚する。

 もう戻らない。

 それだけだ。

「分かりました。もし途中で続けるのが難しいと感じたら、そこで終了して構いません」

「はい」

 美月は頷いた。

     ◇

 やがて扉が開いた。

 拓也が弁護士ととも

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     面談の日が決まった。 場所は藤崎の法律事務所。 美月と藤崎が先に入り、拓也は自分の弁護士とともに後から来ることになっていた。「緊張していますか?」 藤崎に聞かれ、美月は少し考えた。「してます。でも、前とは違います」「違う?」「前は、拓也に会ったら何を言われるんだろうって、そればっかり考えてました」 怒るかもしれない。 泣いて縋るかもしれない。 何度断っても聞いてくれないかもしれない。 そんなことばかり想像していた。「今日は、私が言うことも決まってるので」 離婚する。 もう戻らない。 それだけだ。「分かりました。もし途中で続けるのが難しいと感じたら、そこで終了して構いません」「はい」 美月は頷いた。     ◇ やがて扉が開いた。 拓也が弁護士とともに入ってくる。 美月が拓也の顔を直接見るのは、随分久しぶりだった。「……美月」 名前を呼ばれた。 以前なら、それだけで身体が強張っていた。 今も何も感じないわけではない。 けれど、逃げ出したくなるほどではなかった。「久しぶり」 美月はそれだけ答えた。 拓也が向かいの席へ座る。 双方の弁護士がいる。 扉も開いていない。 二人きりではない。 それを確認すると、美月は落ち着いていられた。     ◇「元気だった?」「うん」「身体は?」「もうだいぶ」「仕事も戻ったんだよな」 美月は少しだけ眉を動かした。「うん」「聞いたから」「そう」 会話が途切れる。 拓也はもっと聞きたいこ

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