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第3話

Auteur: 匿名
私は文昭を見つめてため息をつき、これまでの経緯を包み隠さず、すべて打ち明けることにした。

これから一年間、共にプロジェクトを進める顧問だから。

彼は怒りに震え、拳を握りしめた。

「四谷のやつ、よくもそんなひどい仕打ちを……!

お母さんが、妹の母親のせいでうつ病を患って、自ら命を絶ったことを知っていて、あいつは……!」

……

実のところ、竜巳が犯した最大の過ちは、あの言葉に集約されている。

「お前が彼女の母親を恨んでるのは知ってる。だが、祐見子に罪はないはずだ」

けれど、彼女に「罪はない」なんて、私は一度たりとも思ったことはない。

かつて、母・岩瀬喜代(いわせ きよ)が私を産んでからまだ一ヶ月も経たない頃のこと。

祐見子と彼女の母・提坂めぐみ(さげさか めぐみ)が、私の家にやって来た。

和男は喜代の前で膝をつき、涙を流しながら「酒の勢いで起きた一度きりの過ちだった」と釈明した。

「あの子に罪はない。だから、受け入れてやってほしい」と。

だが、夫に不倫され、自分の娘と同い年の隠し子を突きつけられた喜代に、どんな非があるというのか。

生まれた瞬間から両親の不和を目の当たりにしてきた私に、どんな非があるというのか。

結局、心優しい喜代は私のために屈辱を飲み込み、祐見子を受け入れた。

しかし、その結末はどうだったか。

喜代は間もなく重いうつ病を患い、自ら命を絶った。

それ以来、祐見子は我が物顔で私の家に住み着いた。

私の家を奪い、父を奪い、部屋を奪い、さらには幼馴染であった恋人までも奪い去った。

彼女はいつだって「罪のない隠し子」を演じ、周囲に自分を守らせようとする。

けれど、私はずっと知っている。

祐見子は決して無実ではない。彼女の存在そのものが罪なのだ。

バレンタインの日、「死にたい」という彼女の一言で、竜巳は後ろも振り返らずに彼女のもとへ駆けつけた。

私はレストランが閉まるまで一人で待ち続けたが、彼は戻ってこなかった。

翌朝になってようやく、彼は無残に溶け崩れた小さなケーキを手に、私を宥めにやってきた。

「本当に死ぬんじゃないかって怖かったんだ。祐見子は望まない形で隠し子になってしまった、可哀想な子なんだ。彼女を責めないでやってくれ」

彼は私の前にまっすぐ立ち、真剣な面持ちで手を挙げて誓った。

「誓う。美来こそ、俺にとって最も大切な人だ。もし今の言葉に嘘があれば、俺は一生、最愛の人を失っても構わない!」

その瞳はあまりに誠実で、笑顔は穏やかだったから。私はつい心を許し、彼を信じることを選んでしまった。

けれどその後、私は見てしまった。私が彼のために編んだマフラーが、祐見子の首に巻かれているのを。

はっきりと覚えている。当時、学校では恋人にマフラーを編むのが流行っていた。

竜巳は私の腕に抱きついて甘え、「俺にもマフラー、編んでよ」とねだった。

私は何人もの人に教わり、三ヶ月もかけてようやく完成させた。

受け取った時、竜巳は長い間喜び、「こんな大切なものはもったいなくて着けられない。クローゼットに大事にしまっておく」とまで言っていた。

それなのに、そのマフラーを祐見子が身に着けていたのだ。

彼女はわざわざそのマフラーを巻いて、竜巳の誕生日パーティーに現れた。

あろうことか、マフラーに飲み物をこぼし、私に向かって勝ち誇ったような笑みを浮かべた。

マフラー自体は安価なものかもしれないが、それは私が心血を注いで編み上げた作品だった。

私は沈黙の後、顔を上げて彼女に尋ねた。

「……どうして、そのマフラーがあなたのところにあるの?」

祐見子の瞳に嘲笑の色が走った。だが、その表情は終始無邪気を装っていた。

「これ?竜巳がくれたのよ。『こんな素敵なマフラーをもらえて羨ましい』って言ったら、すぐに『じゃあ、あげる』って。

お姉さんが手編みしたものだからって一度は断ったんだけど、竜巳は『たかがマフラーだ、持っていけ』って。

……あぁ、せっかくの素敵なマフラーなのに、汚れちゃって残念ね」

若く血気盛んな当時の私は、マフラーをひったくってその場を飛び出した。

竜巳が謝りに来てくれると信じていた。だが現れた彼は、あろうことか私を問い詰め、責め立てたのだった。

「美来、お前には心底がっかりした。たかがマフラーだ。なぜそんなに騒ぎ立てるんだ?

お前のせいで祐見子がどれだけショックを受けたか、分かってるのか。あの子はまた、死のうとしたんだぞ。

いい加減、祐見子を目の敵にするのはやめろ!彼女を傷つけるな!」

罵倒され、私は呆然と立ち尽くした。長い沈黙の後、ようやく怒りで声を震わせて言い返した。

「竜巳、正気なの!?どう見ても彼女が私をいじめたのよ!」

竜巳は怒りのあまり、鼻で笑った。

「彼女がお前を?冗談はやめろ」

私は頷き、さらに言葉を続けようとしたが、彼はそれを遮った。

「もういい。美来、いつまで芝居を続けるつもりだ?マフラーを無理やり奪い取ったのはお前の方だろう!」

私は引き下がらず、必死に自分を弁護した。

「でも、彼女がわざとマフラーに飲み物をこぼしたのよ。だから取り返したの!」

しかし、竜巳は冷たく鼻を鳴らして反論した。

「祐見子があれほど気に入ってたマフラーに、そんなことをするはずがない。

俺が彼女にマフラーを譲ったことが気に入らなくて、だから祐見子を貶めようとしてるんだろう?

言っておくが、マフラーをあげたのは俺の意思だ。腹が立つなら、俺にぶつけろ。彼女をいじめるのはやめろ」

この一件をきっかけに、私と竜巳は激しい口論を交わし、その後、長い間冷戦状態が続いた。

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