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第690話

作者:
「俺が軽率だった。俺はただ……お前のことがすごく心配で」

静奈は彼のこんなにも恐る恐るの様子を見て、心の中に複雑な感情が入り混じった。

かつての、決断力があり容赦がなく、強勢だった彰人が、いつこんな卑屈な態度をとったことがあっただろうか?

まるで自分を驚かせるのを極度に恐れているかのように。

しかし、言うべきことは結局のところはっきりさせなければならないし、引くべき境界線は結局のところ明確にしなければならない。

「彰人、こんな風にする必要はないわ」

彼女の声は大きくなかったが、はっきりとしていた。

「四年の結婚生活の中で、私が傷ついたことは確かにある。子宮外妊娠で大量出血して、危うく命を落としそうになったこと……あれは私が一生忘れられない痛みよ」

彰人の顔色が一瞬で紙のように蒼白になり、唇は震え、一言も言葉が出なかったが、眼の周りは目に見える速さで赤くなっていった。

「でも」

静奈は言葉の矛先を変え、口調をますます冷静なものにした。

「あなたが今回、私の身代わりになって刺されてくれた。この命を救ってくれた恩は、過去のすべての借りをご破算にするのに十分だわ。私たちは
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