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第772話

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遥は箱に詰め込まれたケーキを抱え、心からの満足感に浸りながら研究センターへと戻ってきた。

宿舎に向かって歩きながら、心の中で静奈を絶賛し続けていた。

静奈さんって本当に凄すぎる。美人で性格も良くて仕事もバリバリできる上に、ケーキまでこんなにプロ級に美味しいなんて。

浅野先生はこんな完璧な女性を手に入れられるとは、きっと前世に徳をたくさん積んていただろう。

管理棟の前を通りかかった時、建物の中から長身で背筋の伸びた男性のシルエットが、風を切るような鋭い足取りで足早に出てきた。

遥は自分の世界に浸っていたため避け遅れ、男と危うく正面衝突しそうになってしまった。

「あっ!」

驚いた拍子に、遥の手からケーキの箱が滑り落ち、ベチャッという鈍い音を立てて地面に激突した。

透明な箱の中で、ただでさえ見た目の悪かった失敗作のケーキは無残に押し潰され、クリームが四方八方に飛び散って、もはや原型を留めていない大惨事となってしまった。

遥は慌ててしゃがみ込み、ケーキの箱を拾い上げてから顔を上げ、そこで完全に呆然とした。

ぶつかりそうになった相手は、なんと湊だったのだ。

彼は仕立ての良い
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