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第194話

Author: 八雲詩乃
自分が教えたことを、そのまま別の男に向けられるのは面白くなかった。

せっかく自分が教えるのなら、その相手も自分でありたかった。

司は器を返さず、全体が均一になるまで丁寧に混ぜた。

それから若葉の前へ戻した。

「はい。もう食べていいよ」

だが若葉はすぐには手をつけず、スプーンを横に置いたまま待っていた。

「一緒に食べましょう」

先生の指示を待つ小学生のような姿に、司の胸はたちまち甘くほどけた。急かす気にもなれない。

「それならいい」

今度は自分の分を混ぜ始めたが、若葉のときほど丁寧ではない。

待たせたくなくて、手早く済ませた。

「食べよう」

許可をもらった小学生のように、若葉はすぐ一口すくって口に運んだ。

「味はどう?」

気のせいなのか、それとも司が混ぜたからなのか。

以前にも同じ店で食べたことがあるのに、今日はなぜか、いつもよりおいしく感じた。

「とてもおいしいです」

ただのビビンバだ。混ぜ方ひとつで、それほど味が変わるはずもない。

司も、若葉が気を遣っているだけかもしれないとはわかっていた。

それでも、うれしかった。

「もう一つ、相談したいこと
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