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第193話

Author: 八雲詩乃
若葉は首を横に振った。

ただでさえ司の考えていることは読み取りにくいのに、こうして問題まで出されると、ますますわからなくなる。

「すみません。答えを教えてください」

「男と女だよ」

司はそれ以上じらさず、答えを告げた。

若葉を困らせたいわけではない。

ただ、男女が二人で過ごすときには、仕事とは違う距離感もあるのだと少しずつ知ってほしかった。

「それと、今日の食事に何の関係があるんですか?」

その返事も、司にはある程度予想できていた。

これまで何度となく匂わせてきたのに、若葉は一度として気づかなかった。

結婚しているのが不思議なくらい、男女の機微には疎い。

宗介は、いったい若葉とどんな夫婦生活を送っていたのだろう。

こういうふうに気遣ったことも、大切に扱ったこともないのか。

考えれば考えるほど、腹が立った。

宗介が何も教えなかったのなら、自分が教えればいい。

「男女が二人でいるときまで、君が何でも先回りしてやる必要はないよ。誰かに気遣ってもらったり、大切にされたりしていい。そういうことを当たり前に受け取れるようになれば、いつか君自身をちゃんと大切にしてくれる
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