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第182話

Auteur: 浮島
蒼空は立ち上がり、男の目をまっすぐに見据えた。

声は静かで、揺るぎない。

「いいでしょう。私の採点内容を公開してください」

小百合は眉をひそめ、あまり賛成ではない様子だった。

実のところ、今年に限らず、過去にも同じようなことは何度もあった。

落選した者が、通過した者を「裏口」「不正」と責め立てる。

小百合にはわかっていた。

ここに来る選手たちは皆プライドが高く、どいつもこいつも自分を天才だと思っている。

中には、その「見下し精神」が顔に全部書いてある奴もいる。

彼らは「一位を取るため」にこの大会に挑んでいる。

もし準決勝にすら進めなかったら、プライドはズタズタになり、その矛先は他の誰かに向く。

だからこそ、第64位を発表する前に、彼女はあえて「公平性」を強調した。

だが、この男はそれ以上に厄介だった。

小百合は彼を覚えている。

演奏は正直ぱっとせず、順位にすれば90位以下。

どうあっても蒼空の演奏には及ばない。

要するに妬みと逆恨みである。

準決勝に進めなかった怒りのはけ口として、一番大人しそうな蒼空を標的にし、「裏口」という大義名分を盾に、暴れている
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