LOGIN「そういえば、俺の職業言ってなかったですよね」
「あ、確かに……私もですね」
「じゃあ、俺の職業、なんだか当ててみて」
「えっ、難しいですね」
四之宮さんの職業……? え、なんだろう?
「全然わからないです」
「ちょっと難しかったですかね」
「はい。全然想像付かないです」
四之宮さんは「ちょっと意地悪しちゃったかなー」と笑っていたけど、「俺、麻薬取締官なんだよと言葉を続けた。
「麻薬……取締官?」
「通称マトリって呼ばれてる」
「マトリ……」
麻薬取締官という言葉は聞いたことがある。 麻薬密売組織を捕まえる人たちだよね?
潜入捜査をすることもあるって、聞いたことがあるけど……。「麻薬取締官の仕事を簡単に言うと、大麻とか、危険ドラッグとかが不正に流通することを防止するために、監視や監督することが目的とした仕事ですね」
「そうなんですね」
今多いもんね、大麻とか危険ドラッグとかの摘発……。よくニュースで見るし。
「近年、とにかく不正薬物とか大麻とかを海外から持ち込もうとする事案が多発していてね。 特に海外の人が日本にビジネスや旅行で来るタイミングで、持ち込もうとする
「そうなんですか。 確かに、ニュースでもよく見ますよね。不正薬物を使用したとか、大麻を所持して逮捕されたとか……よく見ますし」
確か最近大麻を所持、使用していた疑いで、とある芸能人が逮捕されたというニュースも見たな。
「そういう人たちを増やさないように、俺たちマトリがいるんだけどね」
「……すごいお仕事、されてるんですね」
四之宮さんはこの日本という国のために、常に安全を考えて働いてくれている人だとわかって、尊敬しかない。
「マトリの仕事はもちろん、この国の若者の未来の守ることだと思ってる。 俺も日本という国を汚されたくはないしね」
そうだよね……。もちろん、日本は世界と比べても安全な国という認識はあるけれど。
「危険ドラッグなどが持ち込まれた分だけ、麻薬の密売も増えていくし、安易な気持ちで危険ドラッグに手を染めていく人も多い。……実際それが、この世界の現実だしね」
そう話す四之宮さんの目は、とても真剣だった。
「特に若者相手に売り捌く人が多いんだ。 今は十代、二十代での大麻、危険ドラッグの使用が増えていると感じるよ」
「若者に……?」
四之宮さんは頷きながら「ああ。 ヤツらは人間関係で悩んだり、進路のことで悩んだり、家族のことで悩んだりしている若者をターゲットにしていることが多いんです」と話す。
「そういう若者にこの薬を飲めば気持ちが落ち着くとか、イヤなことも忘れるだとか、そういう誘いやすい言葉をターゲットに掛けて売り捌いていくのが、いわゆる密売人と呼ばれる連中です」
「それが……密売人」
しかも若者相手に売り捌くだなんて……。どうして、そんなことを……。
「もちろん、それだけじゃなくて病院などの医療機関で扱ってる薬に対しても使用について指導したり、監督もしたりします」
「病院でも……?」
「はい。医療用の麻薬や向精神薬の製造工程や、流通経路からの横流し防止のために、監督と取締りを行ったりもします」
「そうなんですね……」
麻薬取締官の仕事って、とても大変そう……。そうだよね、だって国や人の命を守る仕事だもん。
大変で当たり前だと思うし、神経すり減らして頑張らないといけないんだろうなーと思う。「もちろん重要度の高さで言うと、やはり非合法に取引されている麻薬や、覚せい剤などの取締りをすることですが。 麻薬や覚せい剤などの中毒者が犯した罪について、司法警察員として捜査しないといけませんから」
「最近では、オーバードーズという言葉もありますしね……」
私の言葉に、四之宮さんは「あれもいわば、簡単に言ってしまえば、自分で薬物中毒を作っているのと同じことですよ」と答える。「そもそもオーバードーズは、薬の過剰摂取です。決められた容量を守らずに一度に大量の薬を摂取することですから、とても危険な行為なんです。 薬の過剰摂取を繰り返せばもちろん中毒にもなるし、下手すれば呼吸が止まります。肝臓や腎臓にも深刻なダメージを与えますし、最悪の場合……」
私はそこで思わず「死に……至る」と口にしてしまった。
「その通りです。 受験に失敗したり、人間関係がうまくいかなかったり、成績が落ちたことが火種になりストレスとなる。それが原因でオーバードーズを引き起こすことが多いんです」
「……薬を飲めば、楽になれると思ってるからってことですよね」
私は四之宮さんにそう話してみた。
「お腹の子が大きくなったら、舞美絵のチキン南蛮食べさせてやりたいな」「それは嬉しい」「マジで美味いからな、舞美絵のチキン南蛮は。世界一美味いと思う」 ご飯を食べながら、舞美絵は「ええ?本当に?」とびっくりしている。「本当だ。舞美絵のチキン南蛮食べたら、他のチキン南蛮は食べられないよ」「そんな、大袈裟だよ」 舞美絵はそう言っているけど、俺にとってそれは大袈裟なことでもなんでもない。「俺にとっての思い出の味は、このチキン南蛮かな」「思い出の味かあ。……それは、嬉しいな」「これからも、たまにこうしてチキン南蛮作ってくれると嬉しい」舞美絵は嬉しそうに「それは、もちろん」と微笑む。「あ、賢哉さん」「ん?」舞美絵は俺に「明日のおにぎり、一緒に作る?」と聞いてくれるので、俺は「いいのか?」と返事をする。「もちろん、一緒にやろうよ」「ああ、頼むよ」「せっかくだから、寺巻さんの分作ってあげたら?」え、俺が寺巻の分を俺が……? ま、まあ、作ってやってもいっか。「おにぎりの具材いくつか用意したから、好きなの作っていいからね」「ありがとう」おにぎり作りは寝る前に行うことになった。「ごちそうさまでした」「お粗末さまでした」 夕飯の後は、先にお風呂に入ることにした。 「舞美絵、風呂出たぞ」「あ、うん」舞美絵はソファに座って、何やらスマホを見ていた。「何見てるんだ?」「んー? 赤ちゃんの名前、何しようかなって思って見てたんだ」「名前か……。そうだよな、名前決めないとな」俺はタオルで髪の毛を拭きながらソファに腰掛ける。「性別、もうわかってるんだろ?」「うん、分かってるよ」知りたい気持ちはあるが、舞美絵からサプライズの発表があるのを待つことにする。「名前ってその子の一生を左右するから、やっぱりちゃんと決めたいよね」「そうだな。……大人になった時に恥ずかしくない名前にしないとな」「そうだね」舞美絵はスマホをテーブルに置くと、「私もお風呂に入ってくるね」とソファから立ち上がる。「賢哉さん、お風呂出たらおにぎり作るから待っててね」「わかった」俺も今後はおにぎりくらい作れないとな。舞美絵に子供が産まれたら、舞美絵が一番大変になるわけだし。俺が今のうちに、少しでも出来ることを増やしておきたいというものあ
家族になる喜びを知ったからこそ、俺は言える。 そんな言葉で語れるほどのことじゃないけど、俺は何よりも家族を大切にしたいと思ってる。家族より大切にしないといけないものなんて、きっとないはずだ。「親父さん、体調はどうなんだ?」「あんまり芳しくはないな。……認知症も発症してるし、食欲もだんだん落ちてきてるみたいで、日に日に衰弱していってるよ」「……そうか」 寺巻は休みの日、今は親父さんのところへ行っているが、あまり体調は良くないようだ。「この間なんか、また施設勝手に抜け出して徘徊してたらしいしな」 「そうか。……徘徊してたのか」前に寺巻から「親父さんの体調があまり良くない」とは聞いてはいたが、認知症のせいもあり、入り込むだけでするようになっていたとは……。「まあな。 でも俺に出来ることなんて限られてるし、施設の人にお願いするしかないんだけどな」「……まあ、お前も四六時中一緒にいられるわけじゃないもんな。 面倒見るの大変だよな」「仕方ないさ。これも、全部事故のせいだし」寺巻は深くため息を吐くと、「うだうだ考えてても、仕方ないよな。 起きたことは変えられないし、前向いて生きていくことしか出来ないもんな」と目の前にあったお茶を飲み干す。「俺は、ずっとお前の味方だよ。どんな時もな」「ありがとうな、相棒よ」寺巻の悲しみは、俺にもよくわかる。✱ ✱ ✱「ただいま」その日仕事を終えて帰宅すると、キッチンからいいニオイが漂ってくる。 このニオイは……唐揚げか?「ただいま、舞美絵」「あ、おかえりなさい、賢哉さん」「やっぱりこのニオイは、唐揚げか?」 キッチンから漂ってくるニオイが唐揚げだと思ったが、どうやら唐揚げではないようだ。「残念。今日の夕飯はチキン南蛮だよ」「チキン南蛮か。 唐揚げだと思ったんだけどな」でも舞美絵の作るチキン南蛮は格別に美味すぎるから、また食べられるのは嬉しい。「唐揚げはまた今度ね」「わかった」「もうすぐ出来るから、着替えてきたら?」 「ああ、そうするよ」舞美絵の料理が復活してから、俺は食欲が戻ったようにまた食べるようになった。 今まで料理をあまりしてこなかった代償のせいか、簡単なものしか作れなかった。 最近やっとうどんを茹でるようになったり、パスタを茹でるようになったりはしたけど、そんなものし
【自分に出来ること】愛おしい家族のため〜賢哉SIDE〜「四之宮、奥さん体調どうだ?」「もうすっかり落ち着いたみたいだ」「そっか。良かったな」「ああ、まあな」舞美絵の妊娠がわかってから半年が経ったが、舞美絵の悪阻も落ち着いたようで、最近では動けるようにもなったようだ。お腹の子も順調に育っていて、すくすくと成長しているのが目に見えてわかるようになった。 舞美絵のお腹が前より大きくなって、本当に子供がいるんだなと実感している。お腹の子が時々動くのがわかると、鼓動が聞こえる気がして俺は嬉しくなる。 今まで子供がいる生活のことを想像していなかった俺は、今が一番楽しく感じる。「性別はもうわかってるのか?」「ああ、五ヶ月くらいでもう一般的にはわかるらしい」「そっか。 四之宮のところはもうどっちか聞いたか?」寺巻に子供の性別のことを聞かれたが、俺はまだ性別を知らない。 というのも、舞美絵が俺にはサプライズで性別がどっちかをケーキで教えたいらしく、まだ秘密にされている。「俺はまだ知らされてない」「え、まだ知らないのか」 「今度の検診の後、舞美絵がサプライズで教えてくれるみたいだ」「へえ、サプライズか。 ちょっと面白そうだな」寺巻も俺に子供が出来たこと自体が嬉しいのか、なんだかんだと楽しみにしているらしい。「性別をケーキで教えてくれるそうだ」「ケーキで? ああ、たまに聞くよな」 俺的には、子供の性別はどっちでもいいんだ。 元気に産まれてさえくれれば、どっちでも構わない。「四之宮的には、どっちのが嬉しい?」「まあやっぱり男の子がいいなーとは思うけど、女の子でもかわいいからどっちでもいいかな」「確かに、どっちでもいいかもな」とにかく元気に産まれてくることが、何より一番だからな。「それにしても、四之宮がパパになる日が来るなんてな」寺巻にそう言われて、俺自身もそう言われて「確かにな」と呟く。 「お前が結婚したって聞いた時もびっくりしたけどさ、子供が出来たって知った時はもっとびっくりしたけど……でもお前が幸せなら、俺はそれでいいかな思ってる」寺巻からそんなことを言われると、ちょっと照れる気もする。「お前も幸せになれる人を見つけないとな」俺が寺巻にそう言うと、寺巻は「うるせー。余計なお世話だ」と俺を見る。「……俺にもいつか、家族が
私たちなら、この幸せをずっと守れる。愛おしい家族が増える喜びも、これから一緒に親になっていく覚悟も、全部二人で分け合えるから。この愛おしい気持ちを、私は彼と二人で噛み締めていきたい。「俺には、舞美絵とこの子がいれば充分だ。 他にはもう、何にもいらない」「……私も、賢哉さんとこの子がいれば、もう何にもいらないな」「そうだな」私たちは、この子が産まれて来るのを今から楽しみにしてるんだ。 新しい家族が増えることを、心待ちにしている。「悪阻、平気か?」「うん、今のところ大丈夫」「ゆっくり休んでて、舞美絵」「ありがとう」私は、彼と家族になったあの日から、私の心に灯を灯してくれている。✱ ✱ ✱「舞美絵、行ってくるな」「あ、ちょっと待って」 「ん?」 私は賢哉さんに朝握ったばかりのおにぎりを手渡した。「はい、おにぎり。 今日もお仕事頑張ってね」「いつもありがとう、舞美絵。助かるよ」仕事に向かう賢哉さんに「行ってらっしゃい」と手を振った。「よし、洗濯しよっと」 あれから数ヶ月が経ち、私のお腹は以前よりも大きくなった。 無事に安定期を迎えることも出来、お腹の子の経過も順調だ。最近ではお腹の子の鼓動を感じるようになり、動くのがわかるようになってきた。 もちろん、出産まではまだまだなので、油断は禁物だ。 悪阻に耐えながらの数ヶ月は本当に辛いことも多かったけど、賢哉さんが隣にいてくれたから頑張って乗り越えることが出来た。私は一人じゃないからこそ、頑張れたと思う。「赤ちゃん、元気ですか? 居心地はいい?」 鼓動を感じるようになってから、こうやってたまに赤ちゃんに話しかけたりしているけど、聞こえているのかはわからない。 だけどちゃんと感じるその鼓動は、私たちが一番嬉しい。 この子がちゃんと生きているって、一番近くに感じる。 「ママとパパは、あなたが産まれて来るのとても楽しみなの」お腹の中で動くたび、そう思う。 お腹の中で動いている時、この子はちゃんと生きているんだと感じる。 賢哉さんにとっても、それはとても嬉しいことみたいだ。悪阻も落ち着いたところで、私はまた家事を再開し、料理もまた作れるようになった。 ご飯のニオイで吐きそうになることもなくなったので、賢哉さんのためにまた料理が作れることの嬉しさを感じていた。
「寝てていいよ、舞美絵」私は静かに頷く。賢哉さんは優しく隣で頭を撫でてくれる。「辛いよな? 代わってあげられなくてごめんな」「ううん……大丈夫」賢哉さんと一緒に乗り越えていくと決めたんだ。私はここで負けたくない。「俺に出来ることなんて、ちょっとしかないな」「……そんなこと、ないよ。 私、賢哉さんがそばにいてくれるから、頑張れるんだよ」頭を撫でながら、賢哉さんは「そっか」と呟く。「これからも、こうして看病してくれると助かります」「もちろんですよ、奥様」賢哉さんは優しく微笑んだ。 ✱ ✱ ✱あれから賢哉さんに支えてもらいながら、なんとか悪阻を乗り越えていた。 病院の診察でも体重が減っていることを指摘されたが、なんとか食べれるものを食べて過ごしている。「いただきます」今私が一番食べられているのは、フライドポテトだった。 フライドポテトなんて絶対に無理だと思っていたのに、いざ口にしてみたら普通に食べられてびっくりした。唐揚げとかチキン南蛮は無理だけど、フライドポテトだけはなぜか食べたくなって、今はよく食べている。「今日もポテトか?」「うん、ポテトしか無理……」賢哉さんは「そっか。ポテトしか無理か」とポテトを眺めている。「あ、でもね、ハンバーガーも食べたよ」「ハンバーガー食べたのか?」「うん、なんかすごい食べられたの」賢哉さんも「そんなこと言うから、俺もハンバーガー食べたくなってきたな」とソファに座る。「実は、ハンバーガー賢哉さんの分もあるよ」「え、あるのか?」賢哉さんにあのファーストフードの袋を見せると、賢哉さんは「マジか、あるのかよ」と嬉しそうに笑った。「もちろん、あるに決まってるよ」賢哉さんにはもちろん、照り焼きバーガーのセットにした。「しかも俺の好きな照り焼きバーガーじゃん」「そうだよ。私はベーコンエッグバーガーにしたけど」「ずいぶんジャンキーだけど、大丈夫なのか?」私が「それがね、不思議なことにこれはすごい食べられるの」と話すと、賢哉さんは「そっか。食べれるものを見つけたのは良かったよ」と言ってくれた。「うん、本当に。今は毎日これが食べたいくらいだよ」「毎日? そうかあ」賢哉さんも「いただきます」と照り焼きバーガーにかぶりつく。「うん、相変わらず美味いな」 「うん、美味しいよね」どう
妊娠が発覚してから一ヶ月、私は悪阻に悩まされている。 そんな中でも、賢哉さんがそばにいてくれるおかげで、一人じゃないと思える。賢哉さんは仕事中もずっと心配してくれるせいか、頻繁に連絡をくれる。 そんな私は、賢哉さんの支えもあって、なんとか乗り越えられる気がしている。 「うぅ……気持ち悪い……」 悪阻にも個人差があるとは聞いているけど、私はどうなんだろうか……? 今のところまともに食べられているレモンやグレープフルーツなどで、上手いこと悪阻と戦えているような気もするけど……。「レモンが……欲しい」レモンを口にするだけで少しマシになるけど、またすぐに悪阻に襲われ、結局起き上がれない日が続く。 最近では家事も疎かになってしまっているので、賢哉さんには申し訳ない気持ちになる。「……はぁ」 賢哉さんは優しいから「そんなこと、気にしなくていい。自分のことだけ考えて」と言ってくれるから、私はその言葉に甘えさせてもらっている。 「うぅ……っ」食べたいのに食べられないって、こんなにももどかしいのか……。 「まだ帰ってこないかな……」悪阻のせいなのかはわからないけど、一人でいると寂しくなるし、辛くなる。 とりあえず動くこともままならないので、寝ていることしか出来ない。【もう少しで帰る】こうして賢哉さんから連絡がくると、ちょっとだけホッとするんだ。【うん、気を付けてね】気持ち悪さに耐えながら賢哉さんが帰ってくるのを待っていると、ガチャと玄関が開く音がした。「ただいま、舞美絵」「賢哉さん……おかえりなさい」 賢哉さんは起き上がろうとする私に「あ、寝てていいから」と言ってくれた。「体調はどうだ?」私は首を横に振ると、「無理っ……」と答える。「パイナップル、食べるか?」「……食べれるかはわからないけど、挑戦してみる」賢哉さんは「わかった。用意するから待ってて」とキッチンでパイナップルを用意してくれる。パイナップルのニオイがふんわりと漂ってくるけど、パイナップルのおかげか気持ち悪さが少しだけ緩和された気がした。「舞美絵、パイナップルだよ」「……ありがとう」身体を起き上がらせて、パイナップルを一つ口にする。「どうだ? 食べられそうか?」「これなら……食べられそう」「そうか。良かった」パ







