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ポップアップストア始動

Author: るな
last update publish date: 2026-10-29 17:42:06

週明けの月曜日。

遂に、今日から、ウインターコレクションのポップアップストアの準備が始まる。まずは、戦略会議だ。今日の会議には、レオも参加することになっている。

「桜井さん、おはよう」

「レオ様、おはようございます」

「桐生とは順調?」

「はい」

「即答できちゃうもんな。妬けるよ」

「レオ様のお陰です」

「俺?」

「はい。この前、私の本音を気づかせてくれたから」

まさか、憧れのジュエリーデザイナーのレオと、恋愛話ができる日が来るとは、夢にも思っていなかった。

「ところで、そろそろその呼び方やめない?」

「と言いますと」

「レオ様ってやつ。俺の柄じゃないというか。俺たち友達でしょ?」

「友達!?」

私は驚きのあまり、椅子から立ち上がった。

「そんなに驚くこと?」

「驚きますよ!レオ様は、私にとって憧れのジュエリーデザイナーなんです。雲の上の存在だと思ってる方と、こうしてプライベートなお話をしていることも信じられないのに、それだけではなく、友達と仰ってくださるなんて、私にはもったいないお言葉過ぎて……」

「ははっ、桜井さんって面白いね。こないだから
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  • 婚約破棄されたら、イケメン御曹司に拾われました   触れれば、触れるほど

    俺は玄関の鍵を開けると、靴を脱ぎ捨て、リビングに向かった。 「おかえりなさい、翼さん」 「知英ちゃん、ただいま」 俺はソファーから立ち上がった知英を、強く抱き締めた。俺の腕にすっぽりと収まる知英が、愛おしくて堪らない。知英を、一分一秒でも離したくない衝動に俺は駆られた。 「翼さん、どうしたの?」 「なんでもないよ」 俺は知英の頭を優しく撫でて、彼女から離れた。すると、知英は心配そうに俺の顔を覗き込んだ。俺は咄嗟に知英から目を逸らした。 「シャワー浴びてくるね。もう遅いから、知英ちゃんは先に休んでて」 これ以上、知英に触れると自制心が崩壊する。俺は逃げるように風呂場へ急いだ。 風呂に入ると、真っ先に俺は、頭からシャワーを浴びた。レオと話して、自分がどれだけ知英を愛し、必要としているかを改めて自覚した。だが、自覚したら最後、知英が欲しくて堪らない俺が居た。しかし、俺は知英への覚悟を貫き、大切にし、守りたい。自分勝手な欲望を、知英にぶつけたくはないのだ。 「翼さん、着替えとバスタオル置いておくね。おやすみなさい」 愛しい知英の姿が、風呂の扉のすりガラス越しに見えた。俺は自分の理性と闘った。しかし、抵抗虚しく、俺は風呂の扉を開けた。 「翼さん/」 俺の裸体をみて、顔を赤らめる知英を見たら、俺の我慢は限界だった。俺は知英の腕を掴み、風呂場へ引きづり込んだ。そして、知英を壁に追い詰め、彼女の唇に強引にキスをした。その間、彼女の服がシャワーで濡れ、肌に張り付いた。 「翼さん……んん……///」 俺は知英の唇に、自分の唇を何度も押し当てた。すると、知英の口から吐息が漏れた。その声は、風呂場中に響き渡り、俺を更に興奮させた。 「知英ちゃん、俺が怖い?」 「ううん」 知英は背伸びをし、俺の頬に手を添え、唇にそっとキスをした。俺は、知英の唇の感触を目を閉じて味わった。しかし、これだけでは足りなかった。 「伝わった?/」 「まだ」 俺は、知英の口内に舌をねじ込み、何度も吸い付くようなキスをした。触れれば、触れるほど、知英が欲しくなる。俺の欲望は、まるで、底なし沼のようだ。そこで、俺は濡れた指を、知英の中にゆっくりと挿入した。 「待って、翼さん/」 「どうしたの?」 「あぁぁ……/はぁ……//」 俺は戸惑いながらも、快楽に浸っていく知英の姿

  • 婚約破棄されたら、イケメン御曹司に拾われました   桐生の本音

    「レオ、話ってなんだ?」「いいから座れよ。いつものでいいか?」「ああ」レオはバーテンダーに、ウイスキーのロックを注文した。「最近、桐生を誘っても、全然来てくれないからさ」「前みたいに、飲み歩くより、家に居たいんだよ」「桜井さんが居るから?」「それ以外に何がある」俺はウイスキーを一口、喉に流し込んだ。「桜井さんが傍に居ないと不安なのか?」「どうしてそう思う?」「桐生、今日、言ってただろ。自信がないって」レオの言葉で、俺は今日の会議室での出来事を思い出した。恐らく、レオはその時の俺の様子を心配して、飲みに連れ出したのだろう。昔からレオは面倒見が良かった。俺にとって、頼りがいのある友人だ。「不安だよ」「どうしてだ?俺が見ても分かるくらい、桜井さんは桐生しか見えていないのに」「俺も、こんな気持ちになるなんて思ってなかったよ」俺は二杯目のウイスキーに口を付けた。俺も人並みに恋愛はしてきた。別れだって経験した。その度に、〝私を好きだったことある?〟と聞かれていた。彼女達の言葉の意味が、知英と出会ってようやく分かった。俺は今まで、誰も本気で愛していなかったのだ。人を好きになればなるほど、幸せだが、不安も大きくなる。いつか、嫌われないかと怖くなる。俺は今、その日々を送っていた。「恋煩らいか?」「そんな可愛いもんじゃないよ」俺は煙草に火をつけた。俺は煙を肺いっぱいに吸い込み、ゆっくり吐き出した。「でもさ、桐生、人間らしくなったよな」「俺は元から人間だけど」「そうだけど。なんていうか、感情を表に出すようになったっていうか、表情が豊かになったっていうか、俺はいい傾向だと思う」「俺、隠せてない?」「全く。特に、桜井さんが絡むと鬼の形相で睨んでるから。背筋が凍りそうだよ」「レオ、それは大袈裟だろ」「だけど、近藤から聞いたよ。桜井さんに危害を加えた奴らを痛めつけたって」「お灸を据えただけ。自業自得だ」知英に手を出す者は、どんな奴だろうと許さない。その為ならば、俺はこの手を汚すこともいとわない。「桐生のそういう一面を、桜井さんは知ってるのか?」「知ってる」「え?それでも、桐生の傍に居るのか?」「そう」「桜井さん、芯の通った人だとは思ってたけど、肝も据わってたとは。それなら、不安に思うことないじゃん」「どうしてだ?」「つまり

  • 婚約破棄されたら、イケメン御曹司に拾われました   ポップアップストア始動

    週明けの月曜日。 遂に、今日から、ウインターコレクションのポップアップストアの準備が始まる。まずは、戦略会議だ。今日の会議には、レオも参加することになっている。 「桜井さん、おはよう」 「レオ様、おはようございます」 「桐生とは順調?」 「はい」 「即答できちゃうもんな。妬けるよ」 「レオ様のお陰です」 「俺?」 「はい。この前、私の本音を気づかせてくれたから」 まさか、憧れのジュエリーデザイナーのレオと、恋愛話ができる日が来るとは、夢にも思っていなかった。 「ところで、そろそろその呼び方やめない?」 「と言いますと」 「レオ様ってやつ。俺の柄じゃないというか。俺たち友達でしょ?」 「友達!?」 私は驚きのあまり、椅子から立ち上がった。 「そんなに驚くこと?」 「驚きますよ!レオ様は、私にとって憧れのジュエリーデザイナーなんです。雲の上の存在だと思ってる方と、こうしてプライベートなお話をしていることも信じられないのに、それだけではなく、友達と仰ってくださるなんて、私にはもったいないお言葉過ぎて……」 「ははっ、桜井さんって面白いね。こないだから、芯のある人だとは思ってたけど、ますます知りなくなった。桐生が気に入るのも分かる気がする」 私は返す言葉に困惑し、俯いた。すると、レオが私の両手を握り、言った。 「桜井さん、改めて友達になろう」 「ダメだ。全く、油断も隙もない。レオ、その手を離せ」 「いいだろ?友達になるくらい。桐生のくせに心が狭いぞ」 顔を上げると、私の隣には桐生が立っていた。 「俺は、男女の友情は成立しないと思ってるから」 「分かった。桐生、自信がないんだろう」 レオの言葉に、桐生は黙った。そして、ゆっくりと息を吐いた。 「そうだよ。ないよ。だから必死なんだ。分かれよ」 「桐生のそんな顔、初めて見たわ」 すると、レオが私と向き合った。 「今夜、桐生を貸してほしい。安心して。どこで飲むかも全部言う。桐生の友達として、桐生と話してくるから」 「分かりました」 「ありがとう」 話が落ち着いた頃、会議室にデザイン部の社員が続々と集まってきた。私達もそれぞの席に着席した。 「みんな揃ったわね。では、ポップアップストアについての戦略会議を始めます。本日は、ウインターコレクションのチーフデザイナー

  • 婚約破棄されたら、イケメン御曹司に拾われました   夜の遊園地

    その日の夜、私と桐生は〝夜の遊園地〟を訪れた。ここは、自宅から車で30分程の所にある小さな遊園地だ。普段から前を通っていたのに、しっかりと見たことはなかった。現在の時刻は、20時を回ったところ。イベント最終日ということもあり、園内にはまだ多くの家族連れや、カップルで賑わっていた。 「知英ちゃん、何乗る?」 「えっと……」 私は、園内を見回した。私の目の前には、ファミリーコースターが見え、すぐ横には、メリーゴーランドがあり、背後には大きな観覧車が一際、存在感を放っていた。 「観覧車乗りたいな」 「うん。行こう」 桐生は私の手を握り、歩き出した。 私たちは、並ぶことなく観覧車に乗ることが出来た。そして、私は乗ってから気づいた。今から約20分間、密室で桐生と二人きりだということを。観覧車という特別な場所で二人きりで過ごすことは、自宅で二人で過ごす事とは訳が違う。 「知英ちゃん、高い所は平気?」 「うん。平気よ」 「じゃあ、苦手なものは?」 「絶叫系全般かな」 「そうなんだ。俺は、絶叫系好き。叫ぶとストレス発散できるしね」 「翼さんも叫ぶのね」 「それは、俺も人間だから」 「確かにそうだわ」 「知英ちゃん、面白い」 「私の事を面白いっていうのは、翼さんくらいよ」 私と桐生は、観覧車という非日常的な空間で、ありのまま語りあった。 「知英ちゃん!もうすぐ頂上だよ」 「あっという間ね」 私は観覧車の窓から、外を見た。遊園地全体が、色とりどりのイルミネーションで輝いていた。そんな景色を一望できるこの席は、まさに特等席だ。私が夜景を見ている時、桐生はズボンのポケットからスマートフォンを取り出した。 「知英ちゃん、写真撮ろう」 「うん」 私は桐生の隣に座り、彼に近づいた。桐生はそんな私の肩を自分の方に抱き寄せた。 「よし、撮るよ」 カシャ 桐生が撮影ボタンを押した。そして、桐生はすぐに、撮ったばかりの写真を確認した。 「知英ちゃん、楽しそう」 「それを言うなら、翼さんもでしょ。とっても楽しそうな表情をしているわ」 「だって、今、すごく楽しいから」 私は、桐生が無邪気に笑う姿を初めて見た。その愛おしさに、思わず桐生を抱き締めたくなった。しかし、他の客もいる手前、私は出しかけた手を引っ込めた。そうしているうちに、私達を乗せた

  • 婚約破棄されたら、イケメン御曹司に拾われました   幸せ過ぎて怖くなる

    翌朝、私が目覚めると、隣に桐生の姿はなかった。ぐっすり眠ったお陰で、酒も完全に抜けた。私は、ゆっくり起き上がり、リビングへと向かった。 「おはよう。知英ちゃん。体調はどう?」 「すっかり良くなったわ」 「ほんとだ。顔色も良さそうだね。朝食を作ったけど食べられそう?」 「うん、お腹空いた」 「分かった。すぐに持っていくから、知英ちゃんは座って待ってて」 私は桐生の言葉に甘えて、椅子に座った。そして、キッチンにいる桐生に視線を向けた。何をしていても様になる桐生に、私は思わず見惚れてしまった。 「はい、お待たせ」 「ありがとう」 桐生は私の為に、お粥を作ってくれた。体調は回復したものの、昨日、アルコールで酷使した身体には、お粥の温かさが沁みた。 「美味しい」 「良かった」 「翼さんは、料理もできるのね」 「簡単なものばかりだけどね」 「そんなことないわ。このお粥もとっても美味しい」 すると、桐生は私の向かいの席に、淹れたてのコーヒーが入っているマグカップを持ち座った。 「知英ちゃん、午後から行きたい所はある?」 「翼さんはどこかある?いつも、私の行きたい所に連れていってもらってるから、今日は、翼さんの行きたい所がいいな」 私の言葉を聞いた桐生が立ち上がり、リビングのテーブルに置いてある、昨夜、一緒に読んだ雑誌を持ってきた。そして、あるページを開き、私に見せた。 「夜の遊園地?」 「そう。もし、体調が辛くなかったら、今夜行かない?今日まで開催してるみたいでさ」 「行きたい!でも、翼さん、アトラクションに並ぶの苦手なんでしょ?いいの?」 私は、昨日の飲み会で佐藤が話した事を思い出し、桐生に尋ねた。 「知英ちゃんとなら、待つことも楽しいと思えるんだ。だから平気」 「嬉しい。ありがとう。でも、どうして遊園地に?」 「知英ちゃんと、色んな景色が見たいから。今まで、俺が避けて来たことも、知英ちゃんと一緒なら楽しいと思える。家族になるって、俺、まだよく分からないけど、だからこそ、俺は今まで以上に、知英ちゃんの事を知りたいし、知英ちゃんにも俺の事を知って欲しいと思う」 桐生の話を聞いて、私は昨夜の話が現実だと実感した。そして、桐生なりに私と家族になることを考えてくれていた。その事が、

  • 婚約破棄されたら、イケメン御曹司に拾われました   あなたの家族になりたい

    自宅に着いた私は、リビングのソファーに倒れ込んだ。店では気が張っていたせいか平気だったのに、ここに来て一気に酔いが回ったようだ。 「知英ちゃん、水飲める?」 「うん……」 私は、桐生が差し出したコップを受け取り、水をごくごくと飲み干した。 「酔いはどう?」 「頭がクラクラしてる」 「沢山飲んだ?」 「ううん、ジョッキ1杯くらい」 私は酒に強い方ではないが、それくらい飲んでもいつも酔うことはなかった。 「きっと、疲れが溜まってるんだよ。最近、ウインターコレクションの準備で仕事も忙しかったし」 「でも、翼さんは私よりも多忙なのに、また迷惑かけてしまったわ。ごめんなさい」 「知英ちゃん、もう謝らないで。今日は知英ちゃんのせいではないし。間違えることは、誰にでもあるから」 自分が情けなくて、今にも泣き出しそうな私を桐生は優しく抱き締めた。どうして、桐生はこんなにも私に優しいのだろう。だからこそ、桐生の優しさが時々怖くなる。私は桐生に嫌われたら、もう生きていけない。 「久しぶりに明日はゆっくり寝て、午後からのんびり出掛けようか」 「翼さん、仕事は?」 「この土日は休み。来週からポップアップの準備も始まるから、ふたりでリフレッシュしよう」 桐生は、ソファーで横になっている私の頭を優しく撫でた。 「気分はどう?楽になってきた?」 「うん。さっきよりは」 「良かった」 すると、桐生はソファーを背もたれにして、雑誌のページをめくった。その雑誌には美沙が載っていた。 「美沙だ!まだ、最新号買えてなかったの」 「一緒にみる?」 「うん」 桐生に支えられながら、私はソファーから起き上がった。そして、桐生も私の隣に座った。 「美沙、綺麗だなぁ。この服も似合ってる。今回はメイクを変えたのね。いつもより大人っぽいわ」 「知英ちゃんって、本当に美沙さんのことが大好きだよね」 「だって、美沙は私の可愛い妹だもの」 「二人を見てると羨ましいよ」 「どうして?」 「家族よりも家族っていうか。固い絆で結ばれてるというか。俺の両親は、そういう温かさとは無縁の人たちだったから」 桐生が遠い目をして言った。桐生は、家族の事をあまり話したがらない。だから、私も踏み込んで聞くことはなかった。

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