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友情の狭間で

Autor: るな
last update Fecha de publicación: 2026-11-03 21:00:54

「日本に来たら、やっぱりこの店だよな」

「レオは、一年ぶりくらいか?」

「そうだな」

店に入ると、桐生とレオが和気あいあいと話し始めた。私はそんな二人を一歩下がって見ていた。

「知英ちゃん、行こう」

「うん」

桐生は振り向き、私を呼んだ。私は、桐生の後に続いて個室へ入った。

個室の真ん中には、回転テーブルが鎮座していた。それを囲うように、奥から桐生、私、レオの順で座った。

「知英ちゃん、何食べたい?」

「あー、桐生がまた知英ちゃんって言ってる。俺には聞いてくれないのかよ」

「レオは、決まったものしか食べないだろ?だから、自分で食べろ」

「桐生、冷たいぞ」

「俺はいつも通りだ」

こんなにくだけた態度の桐生を初めて見た。私の胸は再び、ざわついた。すると、レオが私に尋ねた。

「桐生って、家でもこんな感じ?」

「おい、レオ。知英ちゃんが困ってるだろ」

「知英ちゃんも、レオの言うことを気にしないでね。いつもこうだから」

「そうなのね」

私は曖昧な返事をし、料理を一口食べた。料理はどれも美味しいのに、何故か気分が沈んでしまう
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  • 婚約破棄されたら、イケメン御曹司に拾われました   本当の私

    店を出た私は、桐生に言った。「私はひとりで大丈夫だから、翼さんは、レオさんの所に戻って」「嫌だ」「どうして?レオさん、悲しそうな顔してた。大切なお友達でしょ?」「ああ。だけど、目の前に泣きそうな顔してる恋人が居るのに、置いて行けるわけないだろ」桐生は私の手を強く握り、歩き出した。 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄「翼さん、私、仕事に戻らないと」「大丈夫。佐藤に伝えてあるから。知英ちゃんと話があるからって」そういいながら、桐生は私を社長室の椅子に座らせた。そして、私の顎を持ち上げ、強引にキスをした。「んん……///やめ……」「ほんとにいや?」私は桐生から目を逸らした。すると、桐生は私の顔を自分の方に向けさせた。「俺を見て。知英ちゃんをこんなにも愛してるのは、俺しかいない」だからこそ、私のわがままを押し付けて、桐生に嫌われたくない。だけど、私の中に芽生えてしまった、どす黒い感情が消えてくれなかった。桐生の前では、いい子でいたかった。それだけなのに、好きになればなるほど、醜い私が出てきてしまう。「本当はさっき、すごく嫉妬したの。そんなこと無意味な事だと分かってる。それに、誰にでも過去はあるわ。もちろん、私にも。頭では分かっているのに、翼さんが私以外の女性に触れていたと思うと、気が狂いそうになる。こんな自分嫌なの。翼さんを困らせたくない」一度、口から言葉が吐き出されると、それは止まることを知らなかった。早く止めないと、私の醜い部分を桐生に知られてしまう。すると、桐生は私を強く抱き締めた。「翼さん……?」「良かった。知英ちゃんも俺と同じ気持ちだった」「確かに、俺は過去に付き合っていた女性はいる。だけど、誰にも本気になれなくて、傲慢な態度を取って、いつも振られてた。だから、俺から必死でアプローチして、心から優しくしたいと思えた人は、知英ちゃんが初めてなんだ」「ほんと?」「ああ。本当だよ。これから先も、知英ちゃんだけ」桐生は私の目を見つめて微笑んだ。この笑顔を独り占めするのは私だ。私は桐生の首に両腕を回し、背伸びをして、唇にキスをした。「本当の私は、嫉妬深くて、わがままなのに、嫌われるのが怖くて、素直になれない臆病者なの。めんどくさいよね……」「どこが?可愛いよ。嫉妬されることは、嫌いじゃないし、知英ちゃんには、もっと、わ

  • 婚約破棄されたら、イケメン御曹司に拾われました   友情の狭間で

    「日本に来たら、やっぱりこの店だよな」 「レオは、一年ぶりくらいか?」 「そうだな」 店に入ると、桐生とレオが和気あいあいと話し始めた。私はそんな二人を一歩下がって見ていた。 「知英ちゃん、行こう」 「うん」 桐生は振り向き、私を呼んだ。私は、桐生の後に続いて個室へ入った。 個室の真ん中には、回転テーブルが鎮座していた。それを囲うように、奥から桐生、私、レオの順で座った。 「知英ちゃん、何食べたい?」 「あー、桐生がまた知英ちゃんって言ってる。俺には聞いてくれないのかよ」 「レオは、決まったものしか食べないだろ?だから、自分で食べろ」 「桐生、冷たいぞ」 「俺はいつも通りだ」 こんなにくだけた態度の桐生を初めて見た。私の胸は再び、ざわついた。すると、レオが私に尋ねた。 「桐生って、家でもこんな感じ?」 「おい、レオ。知英ちゃんが困ってるだろ」 「知英ちゃんも、レオの言うことを気にしないでね。いつもこうだから」 「そうなのね」 私は曖昧な返事をし、料理を一口食べた。料理はどれも美味しいのに、何故か気分が沈んでしまう。私はぼんやりと二人を眺めた。 「それで、どうなの?知英ちゃん。ちーえーちゃん。聞いてる?」 「あ、はい……」 「知英ちゃん、疲れた?体調わるい?」 桐生が私の顔を覗き込んだ。しかし、私は咄嗟に桐生から顔を背けてしまった。すると、桐生の表情が明らかに変わった。 「あ、レオさん。家での翼さんは、優しいですよ。とっても」 「へぇ。意外。てっきり、俺様なのかと思ってた」 「レオ、それどういう意味だよ」 「だってさ、学生時代の彼女たちには、俺様だっただろ?俺に着いてこいって」 まただ、私の胸の奥が軋みだした。それと同時に、どす黒い感情が流れ出した。この感情を外に出す訳にはいかない。桐生の前では、いつでも、一番可愛い私で居たい。こんな感情は、今すぐ捨て去るのだ。 「おい!レオ。今話すことじゃないだろ」 「翼さん、私なら大丈夫。翼さんほどの人なら、過去に恋人の一人やふたり居て当たり前だから。そんな事を気にしてたら、あなたの隣には居られないわ」 私は自分でも驚くほど、饒舌だった。それが余計に虚しくなった。私の知らない桐生の過去があって当然だ。全て知りた

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    私は、桐生と共に会議室に戻った。その頃には、デザイン部の社員が全員着席していた。私も慌てて自分の席に座った。「おかえり、知英ちゃん。桐生どうだった?」「レオさん、もう大丈夫です。いつもの桐生社長ですよ」「それは良かった」レオと話が終わる頃、佐藤が資料をスクリーンに映し出し、話し始めた。「本日は、ポップアップストアの詳細が決まったのでお知らせします。まず、東京のポップアップストアの開催日時は、ウインターコレクションの発売日から1週間となります。また、お客様にゆっくりと商品をご覧頂くために、完全予約制とします。そして、イメージモデルを務める美沙さんは、日曜日に一日店長という企画にて、イベントに参加してくださいます。また、イベントの告知は、明日から当社のホームページにて行います。ここまでで、何か質問はありますか」佐藤の説明に、疑問を持つ者はいなかった。桐生も席に座り、静かに佐藤の説明を聞いていた。「それでは、次に大阪のポップアップストアの詳細についてお知らせします。開催日時は、今日からちょうど1ヶ月後となります。開催期間は3日間です。また、デザイン部の中から数名、私と共に現地入りしてもらう予定です。お声掛けさせていただいた方は、ぜひ、同行のご検討をお願いします。では、今回のイベントは初めての事ばかりです。戸惑うことも多いかと思います。その時は、デザイン部一同、力を合わせて乗り切りましょう。今日の会議は以上になります。それでは、自分の仕事に戻ってください」会議が終わるとすぐに、デザイン部の面々は、自分の持ち場に戻った。私も席に戻ろうと立ち上がった。すると、レオが私に話し掛けた。「知英ちゃん、この後、ランチに行かない?桐生も誘って3人で」桐生に聞いてから答えようと思ったが、彼は佐藤と、先程の資料を見ながら真剣に話していた。「桐生の学生時代の話、聞きたくない?」それは喉から手が出る程、気になる話だった。私が返事を迷っていると、佐藤との会話を終えた桐生がこちらにやって来た。「レオ、まだいたのか」「桐生を待ってたんだよ」「俺を?」「そう。このあと、昼休みに3人でランチに行かないかって話しててさ」「俺はいいけど、知英ちゃんの予定はどう?」「私も大丈夫です」「よし、決まり。予約は桐生に任せた」「全く、お前って奴は」そう言いながら、満更でもない

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    今日も昨日に引き続き、ポップアップストアに向けて、戦略会議が開かれることになっていた。私は一足先に会議室で、佐藤に頼まれた資料の準備をしていた。「おはよう。桜井さん」「おはようございます。レオさん。顔色が優れないようですが……」「あ!今!レオさんって呼んでくれたよね?」「あ、はい。昨日、仰っていたので……」私は、恐る恐るレオの顔を伺った。すると、レオは私の顔を見るなり微笑んだ。「これからもそう呼んでね。知英ちゃん」 「え……///」「あれ?顔が真っ赤だけど?」「それは……」私は不覚にも、憧れのレオに〝知英ちゃん〟と呼ばれたことに動揺してしまった。「おい、レオ。また桜井さんに絡んでるのか?」「桐生さ、どうしてお前はいつもいいタイミングで来るわけ?」「さぁな」すると、桐生はゆっくりと私の元に近づいた。そして、私の顔を覗き込んだ。「桜井さん、レオに何か言われた?」 「何でもないです」「そう、なら良かった」私はそのまま自分の席に座った。そこに、隣の席のレオが、椅子のローラーを転がしながらやってきた。「どうしてさっき、桐生に何も言わなかったの?知英ちゃんの顔が赤くなった理由を」 「それは……」憧れのレオに、名前を呼ばれて驚いただけだ。忙しい桐生に、伝えるまでもない。私はそう判断した。「まぁ、お互いの呼び方が変わっただけだからね。やましい事ではないし」「そうですよ」 「うん。だけど、知英ちゃん。桐生はそう思うかな?」「どういうことですか?」「まぁ、そのうち分かるよ」レオは、意味深な笑みを浮かべた。 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄私は会議が始まる前に、御手洗を済ませようと席を立った。「桜井さん」「はい」振り返ると、そこには桐生が立っていた。そして、私の腕を掴み、隣の資料室に連れ込んだ。「桐生社長、会議が始まります。戻らないと」「まだ10分ある」すると、桐生はゆっくりと私に近付いた。「レオと何があったの?」「だから何もないです」「何もないのに、どうして、俺の目を見れないの?知英ちゃんらしくないね」気づけば私は、桐生に壁に追い詰められ、逃げ場を失っていた。「レオと話すことがそんなに楽しい?楽しいに決まってるか。レオは、知英ちゃんの憧れの人だからね」「そんなことない」「じゃあ、どうして俺に言えな

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    桐生が行ってしまった。バーに一人残された俺は、ウイスキーを煽った。 「飲み過ぎですよ」 「早かったね」 「こんな夜中に呼び出したのは誰です?」 「でも来てくれた。流石だね。芹沢くん」 俺は芹沢の顔を覗き込んだ。しかし、相変わらず、芹沢の表情は読めなかった。 「桜井さんって、いい子だよね」「はい。稀に見る素敵な方です」 「だよね。だから、憎めないんだよ」 「それは残念でしたね」 芹沢は淡々と話しながら、ジントニックを一口飲んだ。そして、俺に単刀直入に問いかけた。「もしかして、桜井様に嫉妬してるんですか?」「俺が?そんなこと有り得ないだろ」「そうですか。てっきり、それが原因でやけ酒をしているのかと思ってました」芹沢の言葉で、俺は4杯目のウイスキーに口を付けようとし、一旦やめた。「出会った頃の桐生は、そこに居るだけでみんなの目を惹くような奴でさ」「わかる気がします」「だから、桐生の周りにはいつも男女問わず人が集まってて。でも、桐生は誰一人として相手にしなかった。まさに、一匹狼ってやつ」俺は、あの頃の桐生を思い出して、懐かしさに浸った。「じゃあ、どうしてレオさんは桐生社長と仲良くなったのですか?」「大学の時に、デザイン画のコンテストに作品を応募したんだ。そしたら、同じ大学の生徒が俺にデザインを盗作されたって騒ぎだして。もちろん、俺は盗作なんかしてないけど、誰も俺の話を信じてくれなかった。そんな時に、桐生だけは、レオはやってないってみんなの前で言ってくれた。それだけじゃなくて、証拠を集めて、俺の無実を証明してくれた。それから、俺が一方的に桐生にくっついて今に至るって訳」あの時の桐生は、本当に格好良かった。周りの連中が俺を非難する中、盗作騒ぎを起こした生徒に証拠を突きつけ、自作自演だった事を認めさせた。その生徒が俺を陥れようとした理由は、俺のデザインへの嫉妬だった。「桐生は周りに関心が無いわけじゃなかった。それどころか、人一倍、周りを見てた。あいつはそういう奴なんだ」俺はウイスキーをごくごくと飲んだ。俺が一番、桐生の事を知っていると思っていた。俺だけが、ありのままの桐生を受け止められると思っていた。そろそろ、俺も現実と向き合わなければならない。人は成長する。桐生は、心から愛する人と出会って成長したのだ。これは友人として喜ぶべきこ

  • 婚約破棄されたら、イケメン御曹司に拾われました   触れれば、触れるほど

    俺は玄関の鍵を開けると、靴を脱ぎ捨て、リビングに向かった。 「おかえりなさい、翼さん」 「知英ちゃん、ただいま」 俺はソファーから立ち上がった知英を、強く抱き締めた。俺の腕にすっぽりと収まる知英が、愛おしくて堪らない。知英を、一分一秒でも離したくない衝動に俺は駆られた。 「翼さん、どうしたの?」 「なんでもないよ」 俺は知英の頭を優しく撫でて、彼女から離れた。すると、知英は心配そうに俺の顔を覗き込んだ。俺は咄嗟に知英から目を逸らした。 「シャワー浴びてくるね。もう遅いから、知英ちゃんは先に休んでて」 これ以上、知英に触れると自制心が崩壊する。俺は逃げるように風呂場へ急いだ。 風呂に入ると、真っ先に俺は、頭からシャワーを浴びた。レオと話して、自分がどれだけ知英を愛し、必要としているかを改めて自覚した。だが、自覚したら最後、知英が欲しくて堪らない俺が居た。しかし、俺は知英への覚悟を貫き、大切にし、守りたい。自分勝手な欲望を、知英にぶつけたくはないのだ。 「翼さん、着替えとバスタオル置いておくね。おやすみなさい」 愛しい知英の姿が、風呂の扉のすりガラス越しに見えた。俺は自分の理性と闘った。しかし、抵抗虚しく、俺は風呂の扉を開けた。 「翼さん/」 俺の裸体をみて、顔を赤らめる知英を見たら、俺の我慢は限界だった。俺は知英の腕を掴み、風呂場へ引きづり込んだ。そして、知英を壁に追い詰め、彼女の唇に強引にキスをした。その間、彼女の服がシャワーで濡れ、肌に張り付いた。 「翼さん……んん……///」 俺は知英の唇に、自分の唇を何度も押し当てた。すると、知英の口から吐息が漏れた。その声は、風呂場中に響き渡り、俺を更に興奮させた。 「知英ちゃん、俺が怖い?」 「ううん」 知英は背伸びをし、俺の頬に手を添え、唇にそっとキスをした。俺は、知英の唇の感触を目を閉じて味わった。しかし、これだけでは足りなかった。 「伝わった?/」 「まだ」 俺は、知英の口内に舌をねじ込み、何度も吸い付くようなキスをした。触れれば、触れるほど、知英が欲しくなる。俺の欲望は、まるで、底なし沼のようだ。そこで、俺は濡れた指を、知英の中にゆっくりと挿入した。 「待って、翼さん/」 「どうしたの?」 「あぁぁ……/はぁ……//」 俺は戸惑いながらも、快楽に浸っていく知英の姿

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